見出し画像

ドラマ「らんま1╱2」【感想】せめて悪の組織だけは違うものにしてほしかった

なぜ急にドラマ版「らんま1╱2」をと思うだろう。同じく漫画が原作の実写化作品と言えば、最近では山田涼介くん主演の映画「鋼の錬金術師」がテレビで話題になっている。5代目が絶賛放送中の「金田一少年の事件簿」もそうだ。だが、多くの実写化ドラマ(映画)はだいたいが評判も悪い(イメージがある)。実写化してもないうちから、なぜかたたかれてるパターンも最近見かけた。(読んだこともない作品だからそれ以上は何も言えない)

だからというわけではないが、ドラマ版の「らんま」は批判自体は少なくともじぶんは耳にしていないものの、かといって特に話題にもなってるようでもない。かつて「めぞん一刻」が実写化した時もそうだったように思う。(実際に見たことはないが、2度実写化してる)だから、特に期待もできなかったし、Amazonなどで新たにお金を出してDVDを買ってみようという気にはなれなかった。だけど見てはみたかった、そんな作品だ。

そうして見ていったところ、キャスティングはなかなか合っているように見えた。男・早乙女らんまに賀来賢人さん、女・夏奈さん。(特に賀来さんはアニメの乱馬の声に近い気がする)天道あかねに新垣結衣さん(髪は短い方がやっぱり似合ってる!)。天道早雲に生瀬勝久さん(威厳がありそうでいて、コミカルな雰囲気もある)、早乙女玄馬に古田新太さん…に至っては一番のハマり役だと思う。そして、天道かすみお姉ちゃんに長谷川京子さん(雰囲気はそのまんま。おとぼけ具合はズレてる気がする)、東風先生に谷原章介さん(こちらも雰囲気そっくり)。

久能帯刀の永山絢斗さんは、久能らしくもっとヘンに自信満々で横柄な態度で来てほしかったし、少し小柄な気はするが、見た目や性格はそのまんまで良かったとは思う。(せっかくなら、小太刀も来てほしかったし、話には出た校長も、というとキリがないか・・)そして、天道なびき。彼女は特に物申したい。見た目云々より、そうじゃない感が大きい。「めぞん一刻」要素を取り入れたかったのかわからないが、あれでは「六本木朱美」にしか見えない。(そういえば久能帯刀の歯をキラリと光らせたのは三鷹ということなのだろうか。いや、「らんま」にはいらない・・)五寸釘光(金井勇太)……は確かにあんな感じだけど、変に目立ちすぎているし、他に出すキャラがいたんじゃないかと思う。ということでこれ以上彼については何も言うまい。

キャスティング以外で言うと、天道道場の外観や天道家の中、そして庭の池などとてもよくできていて感心した。(台所がちょっとゴチャついてる気はしたが)学校の校舎や更衣室はあんな感じで違和感なかったし、東風先生が保健室にいるのも特には問題がないように思った。

そして、ストーリー。原作の雰囲気を思っていたよりは壊さずに描いているようには感じた。アクションシーンはやや迫力にかけて見えたし、飛んだり舞ったりするシーンは作られた感はあるが、頑張りは見れたからまあよしとしたい。原作さながらで塀の上を乱馬が歩いたり、帯刀の顔を足蹴にしたり、男・乱馬と女・らんまがほどよく変身しているのもいい(登校中に何度もお湯をかぶったり、水をかぶったりするシーンは原作の再現感もあってとても良かった)。かと言って、いざという時にしか女に変身ようとしないのもいい。あかねの髪の毛が切られるシーンもも良かった。そして、反発し合ってた二人の距離が縮まっていくのもいい。(とはいえ、キスまでしようとするのは早過ぎる)

だけど、あの悪の組織だけはどうにもいただけない。どうしてあんな組織を登場させたのか。原作にはまず出てこないだろうし、アニメにはもしかしたら出てきそうだが、たとえ出てきてもそれでも違和感はきっと出てくるだろう。(アニメにも原作との違和感を感じるオリジナルの話はわりとあった印象)

ただ、オネエがきらいだとか言う簡単な話では決してない。なぜ、オネエ軍団(なのに取り巻きはハードゲイ風なのも疑問)である必要があったのか。確かに、乱馬は男であり女でもある。ただ、オネエともゲイとも関係が一切ない。原作でもそんな要素は皆無だった。それゆえに短絡的に登場させた組織にしか見えなかった。同じく男溺泉を欲していた良牙などを出すとかならまだ良かったかもしれない。これは願望込みで今、思いついただけだが、まだましなハズだ。この組織があれほどまでして男溺泉を欲するにはせめて良牙ぐらいの動機は欲しかった。話の本筋だけは思ってた以上によくできてたと思っていただけにそれが一番残念だった。

ほかにも、乱馬の母・のどかが亡くなっていたりとか、東風先生が流派の者だとか、ちょいちょい変な設定を入れてるのは気になるところは他にも探せばいろいろ出てくるが、それでも十分に楽しめる作品にはなっていたと思う。評判が良ければこのままドラマシリーズ化ももしかしたらあったのかもしれないが、きっと評判は良くはなかったのだろう。でも今回のドラマ版「らんま」を見てみて、もっと彼らを見たかった気はしている。そのためにはパンダはあれでよいとしても、ネコやブタをどうするかを考えるとやっぱり難しいかもしれないが・・。

こうやって「らんま」を見てしまうと、次に気になるのは実写化「めぞん一刻」。だが、DVDもしくはVHSでしか見つからなかった・・。やっぱり買ってまで見る気は出てこないので、どこかのサブスクに登場するのを待っていようと思う。(おそらくないだろうなあ‥)

「サポート」を頂けたらnoteを書く大きな、大きな力となります。よろしければお願いしたします。