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映画「鍵泥棒のメソッド」(2012年)【感想】新しい入れ替わりの物語

この映画を観るきっかけになったのはつい先日観て、感想も書いた「名探偵コナン」の特番「江戸川コナン失踪事件」だ(U-NEXTで視聴)。

なるほどとリンクする部分がいくつかあって、楽しかった。こっちを先に見ても面白かったかもしれない。

メインとなるのは、ボッロボロのアパートに住む役者の桜井(堺雅人)と、何やらダーティな仕事をしているコンドウ(香川照之)と、とにかく結婚をする予定の香苗(広末涼子)だ。もともと接点がなかった3人だが、奇妙な関係がいつしか出来上がる。きっかけは桜井とコンドウがたまたま同じ時に銭湯に居合わせたことからはじまる。着替え終って風呂場に入ったコンドウがどこからともなく転がってきた石鹸で足を滑らせて転倒してしまったことから二人の運命が変わってしまう。

コンドウが転倒して意識がないことをいいことに、桜井が自分のロッカーの鍵と交換して、コンドウの荷物を持って逃走。コンドウはコンドウで転倒した拍子に記憶がなくなってしまったので、「桜井」として生きていくことにする、という入れ替わりの話だ。当人同士がぶつかって、そっくりそのまま人格が入れ替わる、とかいう話はよく聞くが、このパターンは初めてでそれが何より面白かった。

性格も二人は正反対だった。コンドウはきっちりと丁寧、桜井は大雑把で適当。そしてきっちりと丁寧な結婚相手を求めていた香苗は「桜井」として生きるコンドウを結婚の相手と見据えて、交際を申し込むもんだから、ますまずややこしい関係になっていく。

そんな中、ふとしたきっかけでコンドウが全てを思い出すところからがまた目が離せない。桜井の命がいよいよ危ない!?と思いきや、なんだかんだで協力し合う関係になる。役者のはずなのに、コンドウから役者指導を受ける桜井は特に笑えた。それでも、ある「本番」で”そこそこ”の演技をするさまを見た時は「桜井、成長したなあ」と誰目線か分からないがちょっぴり嬉しくも誇らしかった。

劇場版コナンを今月1作品目からずっと見てきて、たまたま面白く感じなかった作品の口直し的な意味で、劇場版ではない特番の「コナン失踪事件」を見たからこそ、たどり着いたこの映画(ああ、ややこしい)。人との出会いも、作品との出会いも、そんなきっかけで始まるんだなあ。


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