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What's in my violin case?

需要があるのかよくわからないけれど、ふといつも見ているヴァイオリンケースや中の小物に新しさを感じたのでちょっと紹介してみようかな、という軽い気持ちで記事を書いてみる。

【大きなもの】
・ヴァイオリン
→2012年からの相棒。今年で11歳になります!

・弓(2本)
→1本がメインの弓で3年前からの相棒
もう一つは万が一メインの弓に何か起こった時に使う弓
または現代曲や特殊奏法が含まれる曲の時に使ったり

【小物類(サイドポケットの中。楽器に関わるもの。)】
・肩当て
→Kun Bravoを使ってる
昔使っていて、そこからVoceに移って、さらに2年前くらいに先生からKun Bravoに変えるように言われて、再び戻ってきた感じ
実はスポンジがかなりすり減っている&挟みすぎて潰れてきてしまったということで高さが変わってきているので買い替えをしなくては…

・松脂
→Archet(アルシェ)を使ってる
リニューアルしたみたいで私と全く同じものはないみたいだけれども、割と薄付きな感じなので調整が効くから好んでるかな
ガサガサしないから弓の毛替えのあとも馴染むのが早い気がする
松脂はなかなか減るものではないから(落として割らない限り)別のメーカーやブランドに手を出しにくいから、1回買ったら余程のことがない限り変えないかな

→実は松脂を変えました。楽器職人さんからのおすすめで最近流行している、「Leatherwood Bespork Rosin」という長方形の形をした松脂を使っています。Supple と Crisp という2種類があるのですが、ベースにSuppleを塗って曲やその時の毛の状態や音に合わせてCrispを重ねていく使い方をしています。
今までの松脂の中でお値段的には高い…と思ったのですが、ガサガサとした音や毛が弦に吸い付く感覚を実感したのはこの松脂で、投資して良かったなと思っています。また、毛の幅に合った形になっているので塗る時も満遍なく使うことができて、便利です。(2024年1月追記)

公式サイトはこちら
https://www.leatherwoodrosin.jp

・予備の弦
→最近はEva Pirazzi Gold
張力が強めな弦だけど、私の今の楽器の調子には合ってると思って使用中
予備にそれぞれの弦1本ずつは持っているし、E線はGoldbraokatのシルバーまたはゴールドを入れているときもある
E線は黒くなりやすくて2-3本はいつも持ってる
去年の夏にオーストリアのマスタークラスに参加した時のスポンサープレゼントで、Dominant Proを1セットいただいた
それはなかなか使う機会・試す機会がなくて今もなお予備用としてケースに入れてある
話題になっていた弦なので全部セットで使ってみたい
あとは昔Oliveというガット弦系の弦を使っていた時期があって、それの残りを筒に入れて持ち運びしてる
G線とD線をOliveにしていた時は、3/4の太さとか弦の太さにもこだわってた
シルバーなのかゴールドなのか、巻きの状態とかも観察して本番から逆算して弦を替えてた
また一周回ってOliveに戻る時期もあるのだろうなあと思ってる

・ミュート(3つ)
→1つは昔から使っている黒いゴムでヴァイオリンの形をしている、スタンダートなミュート
次にヴィオラ用としても使っている黒いゴムの2つ穴ミュート
最近愛用しているのは、お世話になっていた職人さんから面白いミュートがあるから使ってみて!と言われて渡されたミュート
3Dプリンターで作られていて、色はなんと緑!光の当たり方によってはエメラルドグリーンのように透き通って綺麗な色になるミュート
色だけではなくて、3Dプリンターで作られているからヴァイオリンの駒のカーブにしっかりつけられるし、ミュートを外して弦につけているときも振動せずにしっかり止まってくれるので、つけ外しのプチストレスが軽減されてる
さらにゴムよりしっかり音の振動を止めるので、音も音色はそのままで小さくなる
オーケストラで弾く時は時々だけど、ソロの曲とか現代曲を弾く時はこの緑色のミュートを使ってる

・振動を減らすシール
→ただの金色の丸いシールに見えるけど、ビリビリとした雑音がするときに応急処置としてE線のアジャスターの上に貼ると振動が軽減する優れもの
楽器と出会って間もないころ、弦の相性や新作の楽器ということもあって湿度や温度などの小さな変化に左右されることが多く、工房に頻繁に通っていた
そんな中でほんのわずかなことだから自分で楽器の調子を学べるようにと、いろんなことを教えてくれた職人さんから応急処置としてこのシールをもらった
1枚だけでも良いし、2枚重ねても大丈夫だからビリビリ度によって変えている
おかげさまで11歳になった楽器は落ち着いてきたので、使う頻度は減ったし応急処置は応急処置でしかないので出番は減ったけれどお守りのような存在
普通は持ち歩かないと思うけど、私のケースの中には入ってる不思議なもの

・アジャスターの古いもの
→E線のアジャスターを昔交換した
その古いものを万が一に備えて持っている

・白チョーク
→これは昔お世話になっていた職人さんがくれた、ただの白いチョーク
ペグが緩くなってしまったときに、チョークの粉をつけることによって止まるようになる
本当に学校で使うようなチョークだけれども、ペグが緩んでしまってどうしようもないと焦るときに持っていると安心する

・魂柱
→私の相棒・楽器は若く今年で11歳になる
出会って最初の頃は生まれたてホヤホヤだから、いろんな部品を替えたり、木の呼吸に合わせて様々な部分に調整を加えていた
若く新しい木は湿度の中で呼吸をする
そのため夏と冬では僅かながら誤差が生じる
夏は木が膨らみ、冬は木が縮む
本当にわずか0.1mm程度の差だが、大きく楽器の音に影響し、そのズレによって楽器本体に負荷をかけることもある
ケースの中には夏の時は冬用の魂柱が、冬の時は夏用の魂柱が入っている
夏に向かっていく中で湿度の変化による楽器の些細な変化に耳を傾け、職人さんと相談しながら魂柱を入れ替えていた
最近は少しずつ落ち着いてきたため付け替えることはなくなったけれども、木の呼吸と楽器の音に耳を澄ませて、小さな変化に対応できるようにしたい

【その他】
・お守り
→明治神宮の勝守
自分に負けないため、チャンスを掴むために入れてる笑
大井神社の旅行安全守り
おじいちゃんからのお土産でもらったもの
いつも応援してくれているおじいちゃんからで、嬉しかったからいつも目に入るところに入れている
そしてヴァイオリンを背負って旅することが多いので大切なお守り

・天使のお守り
→Berlinに渡ったときにふらりと立ち寄った教会の中で売られていた天使のペンダントトップ
これはきっとロザリオにつけたりするものなのだと思うけれど、私は楽器の中に入れている
ドイツから日本に帰国するときに、小さいものを無くしたくないという思いから楽器ケースに入れて持ち帰ったことが発端
それがそのまま定着し、今もなおケースに入っている

・ポストカード
→ケースを開けるとパッと目に飛び込んでくるのがポストカード
自分の先生の2020年のマスタークラススケジュールのポスターカード…
これはいつの間にかコロナ禍で止まってしまった時間の象徴のような存在になってしまった
最初もらった時は、このカードを入れておけば先生の顔をみながら楽器ケースを開けるし練習するから気が引き締まるかも、あはは、くらいの気持ちで入れていたけれどいつしか2020年から更新することができず(毎年先生はマスタークラスのスケジュールポスターを作ってた)置いてけぼりにされている寂しい気持ちを代弁するようになっていた
やっとドイツに渡って先生と直接会ったときに、「私はこの2020年から時間が止まったままだったんだよ」とぽつんと言ってポスターカードを見せた
「そうか、大丈夫。時間はちゃんと進んでるし、君の音楽も進んでる」と一言もらえたのはとても大きかった
それからも捨てることができないし、先生も紙媒体からオンライン・デジタル化を進めてしまったので最後の紙媒体ポスターカードになってしまったので、とりあえず今も毎日先生の顔を見るために入れている
あとは何枚か美術館に行った時見つけたお気に入りの絵のポストカードを飾ってる
今は、ターナーの「風下側の海岸にいる漁師たち、時化模様」、シーレの「黒い壺のある自画像」、美術館ではないけれど歌舞伎を観に行った時に買った團十郎の姿絵の葉書
シーレの絵葉書に関しては、ウィーンの美術史美術館で買ったもの
本当は「死と乙女」という作品にすごく衝撃を受けて、その絵葉書が欲しかったのだけど取り扱いがなくて、シーレの衝撃を忘れたくないなと思って自画像の葉書を買ったという思い出付き
楽器ケースをおもむろに開いた時にシーレの顔が先生と一緒に並んでいて、びっくりされたこともあったけど、独特な世界観や色、何か渦巻いている感情に惹かれる
ターナーは企画展にタイミングがあったこともあって2回行った
違う日に行っているけど目を惹きつけられたのはこの作品
題名には漁師に注目しているようだけど、私は海が荒れ狂っている景色と波の一つ一つの描写が細かくて、大胆だけれども繊細という言葉がぴったりだなあと思っていた
歌舞伎の葉書はキラキラしていて、表に出していると楽器ケースが華やかになる気がして入れている
順番を入れ替えたり、表に出す葉書と裏に置く葉書と場所を替えるだけで雰囲気が変わるので定期的に見直し中

・airtag
→必要ないかなあと思っていたけれどロストバゲージが多い最近の飛行機事情ということもあって、導入
旅の時にはヴァイオリンを手放すことはないから、airtagはスーツケースの中に入れているけど、普段の生活の時はケースの中に入れている
ヴァイオリンをairtagで探すということはないと思うけれど、毎日使うわけではないスーツケースに入れて忘れてしまうよりかは、ヴァイオリンの中に入っていた方が良いかなということで今はケースの中へ

・OASIS
→楽器用の加湿器
冬になると乾燥が激しく、50%前後の湿度を保つことがなかなか難しい
少し前まではジップロックに穴を開けて、その中に水を絞ったタオルを入れていたけれども、頻繁に洗ったりしなければならず、匂いも含めて気がかりだった
楽器屋さんで相談したところ、このOASISを勧めてもらい使ってみることに
2週間に1度くらい水を入れるだけで良いのと、大きさもそこまで大きくないのでケースにころんと入れておいても気にならない
加湿されているのか時々不安になるけれど、楽器の調子は良いのでこれからも継続して使う予定
楽ちんなのでおすすめ、ということでAmazonのリンクを貼ってみる

・手ぬぐい
→基本的には楽器と自分の間には何も挟みたくない主義を貫いているが、お化粧がついてしまったり、汗によって楽器に触れている部分のニスが剥がれることもあった。その解決方法としてタオルを挟む人もいるけれど、私はタオルの分厚さが気になり、どうしても使いたくなかった。そこで、手ぬぐいなら薄いし、和柄のものは良いかもしれない!と思い、手ぬぐいを使うようになった
汗を直接吸っていくため、洗い替えが必要で2枚持っている
今はあごあてカバーを使用して、手ぬぐいを使うことはあまりない。
ちなみに武者小路実篤公園での演奏会の時にいただいた実篤の絵柄の手ぬぐいと、国際信号表の一覧が書かれている手ぬぐい
この2つの柄を持っている

と、こんな具合に書き進めてみたのだけれどももしかしたら忘れているものもあるのかもしれない。
自分の手に馴染んでいるものは書ききれたかなあという印象です。
誰かの参考になればいいなと思います。
他に、この小物類は便利だよ!などというものがあればお気軽に教えてください!

Dankeschön!

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