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No.77/オススメの1冊:百円の男(2024.03.17)

こんにちは、くのてつです。

自分の読書備忘録も兼ねて、僭越ながら毎週日曜日はオススメの1冊を紹介させていただいています。

今回の1冊はこちら。

※ご興味のある場合は画像をクリックしてください

先月、残念ながらお亡くなりになった100均「DAISO」の創業者矢野博丈さんの著書です。

自分の中では大好きな経営者の中の一人です。

泥臭く、自分の厳しく、誰よりもお客さんを愛した矢野さんからの学びを整理してみます。

バッファロー軍団

「ダイソーに入ったからには、川を渡れない、砂漠で倒れる、群れから外れてライオンに食われるバッファローになってはいけない。一所懸命先輩たちのうしろについて走ってほしい。そして数年後には先頭を走ってダイソーを引っ張ってほしい」

大下英治. 百円の男 ダイソー矢野博丈 (p.158). さくら舎. Kindle 版.

昭和的だと批判もあるかも知れませんが、自分はこの”泥臭さ”なく成功を手にすることはないと思っています。

という自分も同様に、今まさに泥臭くチャレンジをしています。

泥臭いつもりになっていた頃に比べると、明らかに見える景色が変わってきたように感じます。

矢野さんの苦労は著書の中でも数々紹介されていますが、なかなかですからね。

そこを乗り越えられるよう愚直に続けてきた、まさに”バッファロー”であるからこその「DAISO」ブランドであることがよく分かります。

お客さんを想い、愚直に「100均」を続けてきた。

先週紹介したユニクロの柳井正さんも同じことをおっしゃっていますが、ここに事業の原理原則があるように思います。

大金に見向きもしない男

自分の着る服はブランド品などに見向きもせず、ネクタイはダイソーの一〇〇円ネクタイ。ダイソーの三〇〇円のリュックを背負い、その中には人々を驚かせるためのバラエティグッズを詰め込んでいる。移動は、ハイヤーなど使わず、単独行動で電車に乗る。

大下英治. 百円の男 ダイソー矢野博丈 (p.162). さくら舎. Kindle 版.

自分はこんな矢野さんの姿がとんでもなくかっこいいと感じます。

事業がうまくいってお金を手にすれば、多少の贅沢は許すされるのでは?と考えてしまうのは”小欲”である証拠でしょう。

損得勘定ではなく、本気で事業に向き合い、お客さんに向き合い、より良いものをよりリーズナブルに、とその形を追い求め続けた証拠がこの生き様なのだと思います。

まさに「利他」の塊ではないか、そう感じるのは自分だけでしょうか。

この「本物の利他の精神」こそが超一流の経営者に共通していることなのだとよく分かります。

誰よりも厳しく、誰よりも優しい

ある夜の帰り道、車の後部座席に座る矢野社長が、運転する大原に言った。 「おまえ、今日は遅うなったけん、明日はゆっくり来い。ゆっくりしてよいけぇの」 「ありがとうございます」  礼は言ったが、もちろんそんな訳にはいかない。翌朝ふだん通りに出社してみると、やはり矢野社長のほうが早く出社している。

大下英治. 百円の男 ダイソー矢野博丈 (p.177). さくら舎. Kindle 版.

このエピソードは大原さんという社員の方が体験したことのごく一部です。

毎晩遅くまで、今でいうブラックに働き、矢野さんを運転手として自宅へ送り届けた時の出来事です。

普段は厳しく叱咤していても、誰よりも社員を気遣い、そして背中で見せるそんな姿がこのエピソードから感じます。

部下や後輩を持つと、わがもの顔に振る舞う人も少なくありません。

自分が良ければいいの?と感じてしまうことも多いのではないでしょうか。

そんな方々こそ、この矢野さんの姿を学ぶべきですね。


これだけでなく、学びや気づきを得られるエピソードがこの一冊には詰まっています。

どれだけ時代が変わっても絶対変わってはいけないことがあります。

論語でも語られる五常の徳。

これを持ち合わせている人こそ、超一流の経営者になれるのだと、そう理解してもいいと思います。

まだまだやれる、もっとやろう!そんな感じですね。

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