レビュー「大豆田とわ子と三人の元夫」第8話
「第8話 ファミレスの密会・深まる秘密の恋心」
◯サイコパス?ツンデレ?男の小鳥遊と会うとわ子。
とわ子「ああ、私、この1年何かを眺めながら歩いたことなかったなって気づきました。」
かごめが亡くなってからの日々、とわ子は閉じられた世界にいたのだろう。
心が囚われの身になっているときは、外景を見ても見えないし、感じられない。街も人も空も花も、意識すらできない。
そんなとわ子だったが、小鳥遊と出会い交流する中で自分の心を取り戻していった。
とわ子の表情が明るくなって、「弾む」ような日々に変わった。
◯とわ子を開放した小鳥遊/「3つのケーキを4人で分けるには?」
とわ子と小鳥遊がお茶をしているファミレス。
別テーブルには、3個のケーキを4人で分けようとしている若い子のグループがいる。
とわ子「教えてあげないんですか?3つのショートケーキを4等分に分ける方法」
小鳥遊「自分たちで考えるでしょう」
結果的に、4等分することに失敗した4人。
テーブルには型くずれしてぐちゃぐちゃになったショートケーキ。
とわ子「だめだったじゃないですか」
小鳥遊「いいんですよ、あの方が思い出になるでしょう」
とわ子「そうか…そうですね」はっとした表情のとわ子。
数学の問題ではなく、人生として引きの視点で考える。
論理で四角四面に考えるのではなく、感性や感情を大事に、ということだろうか。
あるいは、脚本家の坂元さんが「ドラマも詳細の意味まで描かない、自分で考えてね、そのほうが面白いでしょう」と言っているようでもある。
◯小鳥遊を開放したとわ子/一杯のカレー
小鳥遊は恩人である社長から令嬢との結婚を命じられている。
女性との交際経験が少ない小鳥遊はとわ子にアドバイスを乞う。
とわ子のアドバイス通り、順調に交際を進めていく様子の小鳥遊。
順調に行けば行くほど、距離が遠ざかることになり複雑な表情のとわ子。
小鳥遊に惹かれているからだ。
小鳥遊がついに女性からプロポーズを受け結婚しようとしているが、その相手を好きではないことを知ったとわ子。
とわ子は意を決したように自宅に小鳥遊を招き、カレーを振る舞う。
そして、小鳥遊は社長命令である結婚を断る決意をする。
とわ子も小鳥遊も会社で重要なポジションに就いており、孤独で、難しい判断をしなければならない立場でもある。
自分のやりたいことや感情は一先ず置いておいて、自社のことを優先的に考え行動している。
また、過去に大事な人を「喪失」した経験もあり、それぞれが他の人には見せられなかった感情を見せ合い、お互いに別の視点を獲得し、一緒にいて安心できる関係にまでなった。
◯八作の思いは…。
八作「あのさ、ちょっと会えたりしないかな」
とわ子「明日早いんだよね」
八作「そっか」「ちょっとだけでいいんだけどさ」
とわ子「大丈夫?」
八作「ん?」
とわ子「2回聞くとか珍しい」
とわ子「結局、2人して同じこと考えるかんじになるよ」
八作「そうだね」
元々、自分の気持ちをあまり表出しない(できない)八作。
かごめの死を受けて、未だ癒えることはない。
何度かとわ子に接触を試みるが、とわ子に断られる。
後ろ髪をひかれるような表情のとわ子。
…八作のような人は、どうやって大きな悲しみを乗り越えるのだろう。
人知れず泣いているのかもしれない。
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