レビュー「米津玄師/Flamingo」
今回はFlamingo(フラミンゴ)のレビューを書こうと思う。
(※このレビューは、あくまでも個人の感想&妄想です。)
曲の雰囲気は、夜の繁華街のクラブでビートが流れている、その中で花札に出てきそうな世界観とミステリアスな空気が漂う。私が最も縁遠いところだ(笑)
歌い出しの「宵闇」は、しなるような妖艶な声と意表を突く言葉。ビートと男女の声が入り混じる。
酔いどれが花街にでも繰り出したのだろうか、しかし相手にされずあてもなく彷徨っている感じ。
迷い込んだのは地下駐車場。=アンダーグラウンド。
片足を引きずり、足元がふらつく千鳥足。
なぜこの人はこんなに酔っ払っているのだろう。
恋の争いに敗れて、酔いつぶれていたのだろうか。
音だけ聞いてると「なんじゃこりゃ」と疑問符が浮かぶ、この奇々怪々な言葉の羅列。花鳥風月、雅で異文化も混じり合う花札が一枚一枚、場に舞い出る感じを醸し出す。(ヤッタコトナイケド。)
他の楽曲でも母韻の統一がみられるが、ここでもすべて終わりの母音が(i)で統一されている。
早くも会心の一撃!!
このフラ×4のリズムと歌声が癖になり、耳にこびりつく。
「フラ」の音に合わせてフラミンゴの亡霊が幻燈のように現れる感じがする。
酔い潰れてフラフラする=フラミンゴだろうか?
フラミンゴは湖で集団で生活しているという。
その鮮やかな色の主張の割に驚くくらいひっそりとしている。
もしかしたら、この歌の人は失恋したと見せかけて、コミュニティから疎外されている人あるいは自らドロップアウトした人なのかもしれない。
フラミンゴ偽装しているのだろうか。
異世界の入口をくぐる。
ここにはいろんな妖怪がおりますぞ(笑)
そこのお若い方、呑み込まれないようにご注意を。
口がうまい妖怪、人を踏みつけ押しのける妖怪。
魑魅魍魎が跋扈する。
おどけたように赤い服を着た米津さんがフラミンゴに扮して踊るのだ。
恐ろしやフラミンゴ。
泣く子も黙るフラミンゴ。
ここの部分だけ、わざと上ずっているような、喉というより口元から最短距離で出てきたかのような歌い方に変わる。
女衒あるいは見世物小屋の番人を真似ているかのよう。
一人二役だ。
道化師のフラミンゴ。
酔っぱらいがフラミンゴなのではない。
フラフラと酔っ払いと装う=自分を押し殺して集団に擬態する。
これであなたも立派で鮮やかなフラミンゴだ。
だから、次の転地ではもっと自分を大事にして。
そう言っているようにも聞こえる。
【追記】
実はこの記事を公開にする前に、ネット上に転がる解釈を調べてみた。すると、遊女に失恋した話だったみたい。
まあ、でも人によって解釈もそれぞれかなとも思うし、いろんな読み方があるのも面白さの一つだとも思うので、そのまま掲載することにした。
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