【2022年春】子育て卒業世代の就職活動と、「会ってみたい」と思わせる経歴書とは?
子どもが社会人となり、子育ての卒業したいわゆるミドル世代。老後と言うにはまだ早いため、専業主婦やパートタイムで就業してきた女性は、「今後の人生をどうしようか」と迷う方も多いのではないでしょうか。
近年“人生100年”と言われる世の中で、年金受給開始年齢も上がるなど、老後の生活への不安から「何かしら働こう」と思うのでは。でも、いざ働くことを考えると、「この年齢で採用してくれる所はあるの?」と、不安になるものです。
今回は、そんなミドル世代の求人現状と、派遣会社コーディネート担当者から聞いた、書類選考に通りやすい職歴の書き方についてのポイントをお伝えします。
前年春と比較!2022年春は求人数増の傾向に
50代である筆者は、一昨年前の秋から約半年間、就職活動をしていましたが、エントリーをしてもすぐに選考外の連絡が来るのを繰り返し、全く相手にされない日々が続きました。この時はやっとの思いで、3ヶ月短期の派遣が決まりましたが、その後も短期案件しか相手にしてもらえない状況でした。
ところが2022年1月に、4月からの就業先を探し始めたところ、エントリーをするとすぐに担当者から電話連絡が来ることが増えたんです。さらに、その電話で就業条件に一致しないことを確認すると、その場で別の仕事を紹介してもらい、すんなりと次の就業先長期契約が決定したのです。
1年前には、半年かかっても書類審査すら通過しなかった条件の仕事に、1ヶ月半ほどで決まったのには驚きでした。
この出来事から、「今は仕事を探すには条件が良いのでは」と考え、2022年の求人動向を調べてみました。
こちらは、派遣会社各社の全体求人件数推移をグラフにしたものですが、一昨年前3月を100%として比較。昨年3月は84%と求人数が減っていましたが、それを境に増加傾向となり、今年3月には154%と増加していることが分かります。さらに年度の切り替えということもあってか、2月には長期採用案件が増えていたようです。
さらに、2022年3月度職種別求人件数を、アルバイト系求人サイトからまとめたデータをでは、ほぼ全ての職種で前年を上回っています。
中でも、飲食系が前年と比較して、178%。販売・接客系は105%と、パート、アルバイトでの応募しやすい職種が増加傾向にあるのも、うれしいですね。
今後この傾向が続くのか気になりますが、新型コロナウイルス感染症の蔓延状況によって、求人数への影響を受けやすい職種もあるので、今後の動向を注視したいところです。
最近のミドル世代の就職はどんな傾向?『ポータブルスキル』ってなに
では実際、ミドル世代の最近の就職状況はどのようなものでしょうか?
エン・ジャパンが運営しているサイト『ミドルの転職』が2022年1月に発表した、転職コンサルタントへのアンケート調査で「50代を対象にした求人が増えていると感じるか」の質問に、43%が「増えている」と回答しています(「減っている」10%、「変化していない」47%)。
プロから見ても、少しずつですが、ミドル世代の求人増を感じているようです。
今まで、この世代に採用側が求めるものとして、「経験」と「知識」が豊富であることですが、そうなると同業種の転職という流れになり、新たな業種・職種に就くのが難くなってしまいますし、今から「働きたい」と思っている人には、厳しいものがあります。
しかし最近では、『ポータブルスキル』という考えが広まってきて、専門知識・技術とは別のキャリアを重視して採用する流れもできてきています。『ポータブルスキル』とは、業種・職種に限らず得られたスキルのことで、「持ち運び可能スキル」と言われるもの。
『ポータブルスキル』は、「仕事のしかた」「人との関わりかた」に別れており、個人の持つ「働きかた能力」や「対人マネジメント力」スキルを指します。
この能力を活用することによって、今までとは別の業種・職種で活躍できることが期待されているのです。
経験期間や年齢にとらわれない、個人の持つ得意なものをいかした働きかたが可能な『ポータブルスキル』。
そんなスキルも見てくれるのなら、少しだけ一歩を踏み出せそうな気がしませんか。
面接してもらえるように『職務経歴書』や派遣サイトでの『職歴』の書き方に一工夫を
ミドル世代の就職事情がなんとなく見えてきたところで、いざ就職活動をしようと思っても、こんなことで悩んだりしますよね。
・働いたのは随分昔でブランクがありすぎて、この職歴では採用してもらえないのではないか。
・パートタイムでしか働いたことがないけど、フルタイムで働けるほどの職歴がない。
・職務経歴書に、職歴として書けるものがないので空白が多い。
久しぶりに就職活動をする方は、書類を書く段階で考えてしまうのでは。
筆者も最初は『職務経歴書』の書き方を調べるところから始まっています。そして中身は、ほぼ履歴書に書いた内容に、「担当した仕事」を付け加えただけでの提出でした。
それが今では、応募先に合わせて書き換えて提出するまでになり、ほぼ面接へつながっています。最近では派遣会社コーディネーターから、職歴記載内容を褒められるようになりました。
そこで、「どのような点がよいのか」を聞いた内容をもとに、ポイントをご紹介します。
こちらは、筆者がPCヘルプデスクへ応募する際に書いている『職務経歴書』を抜粋したものです。
ある大学のPCサポート業務の職歴ですが、具体的に“なにをやった”かが分かるように細分化しています。
ありがちなのは、「大学内PCサポート(ヘルプデスク)」、「学内PC保守」、「イメージ展開業務」で終わらせてしまうこと。できるだけ詳しく、この仕事は“どんなことをする”のかを、しっかり書き込むよう意識しています。
『職務経歴書』では、情報量が多いと読んでもらえなくなるため、この程度の内容にとどめていますが、コーディネーターに褒めていただいた、『派遣会社の職歴ページ』には、上記内容からさらに細かく、業務で使用したソフトウェアや、システムなども書きました。
そして、「とてもしっかりと経歴を書かれているので、このまま先方に提出します」と言われ、この春採用となったのです。
この職務経歴書を見ると、「パソコンに強いからここまで書けるんでしょ」と思われるかもしれません。確かにIT系では何をやったかが書きやすいのかもしれませんが、「職歴の書き方」としては、基本的にどんな職種でも同じ方法でアピールできると思います。
例えば、販売をやってきた方は、「このくらいの規模の店舗」で、「どのような物を販売」し、「レジでは1日平均○人接客しました」。販売だけでなく事務作業もやっていたら、「ファイリング業務」、「電話対応」などと書けますし、POPを描いていた人は「店内POP担当」とも書けますね。
余白がきになるのであれば、どこにこだわって従事していたかを書くのもよいのでは。
『職務経歴書』『職歴』は、その当時に何をやっていたかを、細かく思い出し書き出していくことが大切です。時間はかかるかもしれませんが、これを行うことで今まで自分の気付かなかった“できること”に気付くかもしれません。
それが、前項で書いた『ポータブルスキル』に当てはまる、自分のスキルにつながっていき、職歴だけでなく、自己PRにもなります。
子育て卒業世代は、まだまだ可能性を秘めている世代。これからの人生をいかに「いきいき」としたものにするかを考えることも、楽しみのひとつです。そのひとつに「就職」が上げられるのならば、ぜひ参考にしてください。
イベントで稼ぐことが困難となった今、皆様のご支援が糧となります! ぜひ、応援のほど、よろしくお願いいたします! オリジナルストーリー(創作物語)を作り、ひとり芝居でその世界を表現している、オリジナルストーリーパフォーマーyouyou。