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【元外交官のグローバル化と多様性】ワーク・ライフ・バランスとは<武蔵野FM ”today”コーナー>

ワーク・ライフ・バランスを知っていますか?

2022年度の武蔵野市の意識調査では、35.7%の武蔵野市民が「ワークライフ・バランス」を知っている、とのことでした。ワーク・ライフ・バランスは、「仕事と生活の調和」という言い方もします。

武蔵野市意識調査
男女平等に関する市民の意識を把握し、武蔵野市第五次男女平等推進計画の策定のための基礎資料を得ることを目的としました。 住民基本台帳から無作為抽出された武蔵野市内在住の満18歳以上の市民 2,000人の内908の有効回収がありました。その内訳は年齢、職業、性別、と比較的市民の構成を反映していたようです。

https://www.city.musashino.lg.jp/shiseijoho/shisei_siryo/r4/danjokyodosankaku/1041615.html

ワーク・ライフ・バランスとは、やりがいや充実感を持ちながら働 き、仕事上の責任を果たすとともに、家庭や地域生活等においても、 子育て期、中高年期といった人生の各段階に応じて多様な生き方が 選択・実現できることを指します。

https://www.city.musashino.lg.jp/shiseijoho/shisei_siryo/r4/danjokyodosankaku/1041615.html

内閣府の「仕事と生活の調和」推進サイトに、調和を実現した社会について同じように述べられています。

「憲章」では、仕事と生活の調和が実現した社会は、
「国民一人ひとりがやりがいや充実感を感じながら働き、仕事上の責任を果たすとともに、家庭や地域生活などにおいても、子育て期、中高年期といった人生の各段階に応じて多様な生き方が選択・実現できる社会」
とされ、具体的には
(1)就労による経済的自立が可能な社会
経済的自立を必要とする者、とりわけ若者がいきいきと働くことができ、かつ、経済的に自立可能な働き方ができ、結婚や子育てに関する希望の実現などに向けて、暮らしの経済的基盤が確保できる。
(2)健康で豊かな生活のための時間が確保できる社会
働く人々の健康が保持され、家族・友人などとの充実した時間、自己啓発や地域活動への参加のための時間などを持てる豊かな生活ができる。
(3)多様な働き方・生き方が選択できる社会
性や年齢などにかかわらず、誰もが自らの意欲と能力を持って様々な働き方や生き方に挑戦できる機会が提供されており、子育てや親の介護が必要な時期など個人の置かれた状況に応じて多様で柔軟な働き方が選択でき、しかも公正な処遇が確保されている。

内閣府「仕事と生活の調和」推進サイト
ワーク・ライフ・バランスの実現に向けて

武蔵野市第5次男女平等推進計画

武蔵野市では、現在第5次男女平等推進計画をまとめる最終段階にあります。市の男女平等推進審議会では、この計画の策定や実施状況の評価について議論を重ねてきました。その基本目標 IIの中にワーク・ライフ・バランスがあります。

市民一人ひとりが、仕事や家庭、地域での活動のバランスをとりながら、やりがいや生きがいを実現することは男女問わず重要です。

武蔵野市の意識調査では、ワーク・ライフ・バランスの希望としては、男女ともに「仕事」「家庭生活」「個人の生活」全てを優先したい人が36.7%と最も多いです。現実では、全てを優先している人は7.6%との回答でした。

平成29年度の前回調査に比べ、仕事を優先する人は減り、家庭を優先する人が増えています。

全てを優先したいけれども現実には「仕事を優先している」人が24.7%、本当は「仕事を優先したい」人は1.2%。
「家庭生活を優先している」人が18.6%、本当は「家庭生活を優先させたい」人は6.9%、と希望と現実には大きな差があります。

では、回答した人は理想の生活に近づくためには何が必要だとお答えでしょう。収入の確保、昇給、会社や社会の意識改革、会社の組織、働き方改革、社会制度の改革が上位にあります。

https://www.city.musashino.lg.jp/shiseijoho/shisei_siryo/r4/danjokyodosankaku/1041615.html

世間では、ワークライフバランス・仕事と生活の調和は、「女性の活躍」「男性の家事参加」の文脈で語られることが多いです。時短勤務、テレワーク、超過勤務縮減、男性の育児休暇の導入が挙げられます。

社会、会社、男性の意識改革、働き方改革に向けて、私たち人一人ができることは何でしょうか。それは、それぞれが主体性を持って行動することじゃないかと思います。ワーク・ライフ・バランスの重要性を説くだけではなく、人任せにせずに、行動することです。

男女平等推進審議会でも行動に移しました。
まず審議会の会議が予定より長引かないように策を練りました。各議題に何分予定されているかを審議会の委員達で共有して、会長の議事進行を妨げないようにしました。段々、時間通り、または時間よりやや早く会議を終えられるようになりました。

夕方に開始する審議会が予定より長引けば、それだけ市職員の方々の残業が増えるということです。

皆で時間通りに審議が進むように意識して、議論のための議論にならないようにしました。資料を事前に読み込んで、コメントを書面で出すことでテンポよく議論を進めました。

提案はなるべく文字に落としていくようにしました。「こんな感じで後は事務局でお願いします。」と市職員に投げずに、文言の叩き台を作りました。これで市職員の方々の作業量を多少なりとも減らせたと思います。

市の施作の実施状況の評価の際も、安易に資料を求めないように努めました。資料が審議会に届くまでに、作成には数時間、課内の決裁に数時間、関係部署との調整に数時間、と紙一枚に想像以上の労働時間数がかかっているものです。

男女平等推進審議会でワーク・ライフ・バランスの重要性を訴えるのであれば、まずは審議会が市職員の作業を増やさない、時間を奪わない、無駄な仕事を作らないことが大事だと考えました。

私たち一人ひとりが、お互いに、仕事や家庭、地域での活動のバランスをとることで、やりがいや生きがいを実現する社会を作っていきたいですね。

「仕事」「家庭生活」「個人の生活」の全てを優先させるのは難しくても、自分が優先させたいことを優先させられる、希望と現実のギャップを埋めていけるようにしたいところです。仕事や家庭、地域で自分が自分の時間や労力を無駄に奪っていないか、相手からそれを奪っていないか。

ワーク・ライフ・バランスとは、流されずに行動する共助、互助の精神かもしれません。



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