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サッカーTR解体新書①(2vs2+1フリーマン)

日本サッカー協会の活動ひとつU14エリートプログラムというものがある。そこで行われているトレーニングの1つが紹介されてたのを、発見したので、個人的な見解でこのトレーニングを解体してできるだけわかりやすく解説してみます。

2vs2+1F

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グリッドのサイズは15-6mの真四角。
参加人数は最低5人
中に2チーム2人ずつ入り1人フリーマンがいて
3vs2の状況でパス回し。ボールを奪われたら攻守交代といったシンプルなトレーニング。フィジカル面はかなり負荷が高そう。

それでは、まず、このトレーニングがサッカーの試合でどう生かされるか?
トレーニングの方はゴールや攻撃方向がありません。なので目的はゴールする事ではなく、ボールを失わず保持する事。つまり試合でボールを失わないよにする為のトレーニング。それに加えて攻守の切り替えがあります。そして守備、ゴールがないので守るではなく、どのようにボールをうばうのか?といった事もトレーニングできます。
そして、場所はどこなのか?ゾーン2おそらく中盤ではないかと考察。

ボール保持

まず、戦術の観点からみます。トレーニングでは3vs2なので数的優位の状況です。
しかし数的優位性があっても簡単にボール保持できるわけではありません。そこで3vs2を少し分解して2vs1+1vs1というふうに考えてみます。更に2vs1の方にフォーカスします。(数的優位は必ずどこかに2vs1がある、ボールがある、ないは別だけど)
ボールがある場合です。ボール保持者は ドリブルから引きつける といった戦術意図、あるいは相手から離れて分断といった戦術意図がある。
もう1人の非ボール保持者は幅や深さをとる事で相手を引きつける、だったり分断だったりができる。(分断とは2v1の状況で開く幅の距離によって1人の守備者が2人を同時に守れなくする事)
この時、なんとなく幅をとるのではなく、意図をしっかり持つことが重要。引きつける、分断、前進、保持、フィニッシュといった5つの戦術意図がある。
このトレーニングの場合で言えば、フィニッシュ以外の四つが当てはまる。複数重なってもよし。
このように2vs1の場合、幅や深さをとる時に必ず戦術意図をうまく使うようにする。
そして1vs1側もいるので、なるべく2vs2の状況にならないように、2vs1の状況作りを意識する。2vs2になると、ボールを失う確率が一気に上がる。ちなみに2vs1の場合70%の確率で2が勝つらしいです。
といっても、数的優位性だけでは難しい。
そこでこのトレーニングには、他にも、グループの優位性がある。

グループの優位の中でまず、2人で行うコンビネーションプレーがある。
壁パス、スイッチ、オーバラップ、インナーラップ、クロスオーバー、パラレラ、など
それにプラスして三人目の動きがある。

ただし、このトレーニングの保持という意味では行き詰まった場面での打開策という意味でのグループ優位になりそうです。このトレーニングに突破はなさそうなので。
グループの優位性は前進時にこそ本領発揮しそうです。
次に質的優位性というものがあります。
質的優位性は単に選手個人の能力が相手選手より高いと考えもらえばいいと思います。

というわけで選手個人にフォーカスします。

次に選手個人で見た時にボール保持とボール非保持の2つに分けられます。

まず、非ボール保持者はトレーニングの中で保持する為の役割としてサポートという事が考えられます。そのサポートとはどういう動きかと言うと、先程のべた、幅と深さにあたります。そして、戦術意図というものが、もっとも重要になります。

次にボール保持者
この選手が必要なものはテクニックです。
テクニックといってもいろいろあります。このトレーニングで必要なテクニックは、まず、止める蹴る、の止める。ボールを自分達のものにする為に止める技術。
この止める技術といっても、完全に止めるのか?完全には止めないのか?あるいは次のアクションに繋げる為、動きながらコントロールするのか?
状況に合わせて戦術的な判断のもとコントロールしなければいけません。戦術的な判断をする為には、しっかりと観る事が大事です。いつ、何を観るのかが大事です。


次に蹴る技術。主にインサイドキック、アウトサイドキック。コレも戦術的判断のもとどのくらいの強さ、スピードで蹴るのか?足どの部位で蹴るのか?ワンタッチで蹴る為には身体の向きはどこを向けばいいのか?などです。

次にドリブルとキープする技術
このトレーニングでドリブルといっても1vs1で突破をするわけではなく、あくまでもグループでのボール保持の為の持ち方。
なので、キープしながらという事がついてきそうです。
しっかりといい体制でだったり、遠い方の足でボールコントロールだったり、腰を落とし上手く腕をつかう、といった技術が必要になってくる。


以上、このトレーニングは戦術、技術、フィジカルとかなりハードで高度な技術が必要なトレーニングである為、小学生年代では、なかなか難しいトレーニングかも知れない。日本サッカー協会の提示するU14というのは適正だと思います。ただし、W-upかTR1が適正なトレーニングかと思います。


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