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シンプルフォームに入社してからの3年間の振り返り②(社会人1年目 〜自分の領域ができ始める〜)


はじめに

前回の「シンプルフォームに入社してからの3年間の振り返り①(新卒入社まで 〜ひたすら楽しむ〜)」では、シンプルフォームでのインターンを通じての学びや入社に至るまでの決意について書かせていただきました。
今回は、実際に正社員としての入社以降の学びについて触れていこうと思います。

年表

登場人物

今回のnoteについても、物語の中に出てくる人物については、当社の採用情報の「メンバー」ページにてメンバー紹介が公開されていますので、そちらをご参照ください。

① 学生インターン採用開始

2021年12月01日、それはあまりにもヌルッとした入社でした。
誰もその日が自分の正社員としての入社日であることに触れてくれなかったので、結局「今日自分入社日なんですけど」と自分からみんなに言ってしまいました。

正社員として入社後も、引き続き人力によるデータ収集をメインの業務として進めていました。当時主にデータ収集の部隊として動いてもらっていたのは、宮本くんが2021年04月に集めた30人の学生メンバーです。データ収集は試行錯誤しながらオペレーションを作っていたので、集めるべき/集めたいデータも日々増えており、また、どのように集めるかというオペレーションも日々変化していました。
そのため、やりたいことを実現するためには、より多くの柔軟に動くことができる優秀な学生メンバーが必要な状況でした。

学生インターンの採用活動には宮本くんと自分であたりました。
既存のメンバーが所属しているコミュニティを整理して、その中でのリファラル採用を狙ってみたり、Indeedなどの無料で求人掲載できる媒体に求人情報を載せてみたり、色々なことをやってみましたが、思うような結果は得られませんでした。

そんな中、2022年02月に諏訪間さん(HR)が入社してきました。諏訪間さんは前職が人材系の会社であったこともあり、採用についての知見を持っている方でした。
当時なかなかうまくいっていなかったインターン採用について諏訪間さんに相談して、アドバイスをもらいました。その中での気づきとしては、目標設定と仮説立てがうまくできていなかった、ということがあります。
当時は、とりあえず行動する、というマインドで仕事をやっていたので、とりあえず優秀な学生が欲しいから近所の大学にアプローチしてみるとか、とりあえず既存のインターンメンバーに友達を紹介してもらう、といった形で採用活動をしていました。
もちろん早く行動を起こすことはとても大事なのですが、当時の自分たちには明確な目標設定とそこに至るまでのプロセスを組み立てる力が明らかに足りていませんでした。

諏訪間さんからのアドバイスをもとに、LinkedInを使ったダイレクトリクルーティングを始めました。
LinkedInは感度の高い優秀な学生の方が、多く登録しているSNSである、という特長がありました。片っ端からつながり申請、承認されたらカジュアル面談の打診のメッセージを送り、前向きな返信いただいた方には面談をセットする、という方法で採用活動を進めました。
LinkedInでつながり申請をすることができるのは、週あたり200件と決まっていたので、このうちつながり承認があるのは50%で、返信がくるのはさらにその中の10%と仮定し、週あたり10人とのカジュアル面談をセットすることを目標に、ひたすらつながり申請をし、メッセージを送りました。
つながり申請の承認率を上げるために、アクティブユーザか否かという点や新しくインターンを行う意欲のある学生かと言った点を意識しながら申請を行いました。また、カジュアル面談打診の返信率を上げるために、送るメッセージを自分と宮本くんのアカウントで変えてABテストをしたり、返信したくなるような文章の推敲作業をひたすらやりました。

こういった努力の結果もあり、LinkedInでの採用活動を活動を始めてから1ヶ月で5人のインターン生を採用することができました。また、その後も再現性を持って優秀な学生の流入を確保することができるようになりました。

この経験は、ゴールを設定し、そこに至るまでのプロセスを組み立て、KPIを設定したら、ひたすら行動する、ということの大切さを教えてくれました。
また、インターン生採用の領域に自分がオーナーシップを持っていくきっかけにもなった出来事でした。

2024年02月現在、1,393人のフォロワー/1,358人のつながりと巨大なアカウントになっています

② 齋藤Ops始動

学生インターンの採用を行なっていたのと同時期に、プロダクトリリースから3ヶ月経ったこともあり、お客様に継続的にプロダクトを使っていただくこと/チャーンさせないことが全社的な関心事項になっていました。
SimpleCheckをご利用いただくお客様からは、クローラで収集される情報の中に「同姓同名の別人物の不芳情報」や「検索対象と関係のない情報」が含まれているといったご意見が、当時寄せられていました。

これらの課題については、ロジックの改善や機械学習の導入などのテクノロジーでの解決も取り組んでいたのですが、開発には時間がかかります。
足元のお客様の満足度を高めるために、風評クローラで引っかかった記事すべてに目を通し、その情報は正しいか否かを目検して、アノテーションを行いデータベースへ投入する、という施策が取られることになりました。

この業務を自分が担当することになり、このオペレーションは「齋藤Ops」と命名されました。
自分が業務にあたると決まってから、ひたすらレポートに目を通す毎日でした。当時SimpleCheckを使っていたお客様は一桁程度であったと記憶していますが、それでも毎日50〜100法人のSimpleCheckレポートが取得されていました。
その一件一件のレポートで引っかかっている風評情報すべてに目を通して、合っているのか間違っているのか確認し、スプレッドシート上からその結果をデータベースへ登録する。ひたすらこれを自分1人で毎日繰り返していました。
日によって取得されるレポート数も増減するので、他の業務で忙しい時にレポート取得数が多いと、深夜まで作業を行わないと終わらない、ということもありました。

とても大変だったのですが、この「齋藤Ops」は「自分の領域」ができ始めるきっかけになる出来事でもありました。
取得レポートすべてに目を通していると、世の中にどのような犯罪・悪事がはびこっているのかということや、お客様が検索する法人の性格・傾向のようなものが段々と分かってきました。
「齋藤Ops」を通じて得たこういった気づきを「レポートのレポート」という形で社内に発信するようになりました。
これがきっかけで、レポートのことは齋藤に聞こう、という風に社内のメンバーから見られるようになりました。

自分の中ではじめて「明確なオーナーシップ」を持つことができた、と感じることができた瞬間でした。

齋藤Ops始動

③ Good Bye 渋谷ホームズ、上原ハウスへ

これまで約1年間オフィスとして利用していたマンション(通称:「渋谷ホームズ」)の一室も、正社員が9人となり手狭になってきました。
内部/外部とのZoomのMTGを実施しようにも部屋がなく、ある時は廊下で、ある時は風呂場でMTGを実施しているような状態でした。

このような状態が数カ月続くなかで、2022年01月、ようやく次のオフィスが決定しました。次のオフィスは、代々木上原にある127.68坪もの二階建ての一軒家(通称:「上原ハウス」)となりました。
これは、ちょうどシリーズAの調達が決まったことで資金を確保できたことや、「最後のスタートアップ期間」として田代さんがオフィスを「狂気」で充満させるのを目指していたことから、数ある選択肢の中から選ばれた物件です。

上原ハウスについては以下の記事で紹介していますので、こちらも是非合わせて読んでいただけますと幸いです。

上原ハウス外観

オフィス移転は2022年03月末に決まり、着々と準備が進んでいきます。
次のオフィスへ移ることのワクワク感もありましたが、色々な思い出がある慣れ親しんだ渋谷ホームズを去ることの寂しさも同時にありました。

2023年03月28日の上原ハウスへの移転の前日、渋谷ホームズとのお別れパーティーを開きました。
当時正社員であった9人に加えて、のちのち正社員として加わる当時業務委託として関わってくださっていた深江さん(デザイナー/PdM)と高浜さん(エンジニア)も一緒に、机や椅子などが全て撤去された後のオフィスの地べたに座って、ご飯を食べ、お酒を飲みました。

皆がこれから会社がどんどん大きくなっていく期待に胸を躍らせながらも、名残惜しさを感じていました。
最後、Underworldの『Born Slippy』(映画『Trainspotting』の劇中歌)を流しながら、暗い部屋の中、渋谷の夜景を眺めました。

こうして渋谷ホームズとお別れをし、会社として一つの区切りがつきました。

最初は田代さんと小間さんだけだった
約1年間で9人のメンバーに
最後にものが何も無くなったオフィスから渋谷の夜景を眺めた

④ エンジニア齋藤(仮)爆誕

上原ハウスに移ってからも、自分の業務領域はどんどん拡大していきました。
その中でも特に、「(大したことはやっていないので大それた書き方にはなってしまいますが)自身でコードを書いて開発をする」という経験は業務領域が大きく広がるきっかけになりました。

2022年05月頃、エンジニアの犬束さんの業務が逼迫しており、一部業務を齋藤の方で巻きとることができないか、といった話が出たことがきっかけでした。
例えば、データ収集部隊が集めたデータを保存するデータベースのテーブルの名称やスキーマの定義をしたり、スプレッドシートから対応するテーブルにデータを投入するためのコードを書いたり、といったものです。
具体的には、スキーマの定義のためにPythonのファイルを編集したり、スプレッドシートからのデータ投入を可能にするためにTypeScriptのファイルを編集したり、先の二つの編集したファイルをGitHub上の共有リポジトリにマージするためにターミナル上でGitコマンドを使ったり、エンジニアメンバーがやっていることに少し近い、全く新しいことをやり始めました。

ただファイルの一部を編集しているだけなので、難しいことは全くやっていないのですが、この経験は自分の中でとても重要なものであったと思います。

一つ目の理由としては、エンジニアメンバーの間で使われている共通言語を一部理解できるようになったことです。
これまで完全にデータ収集においては人力の領域のみを扱っていたので、データ収集においてエンジニアメンバーが用いている言葉は聞き馴染みがあるものの、意味は全くわかっていませんでした。
ですが、実際に自分の手で作業を行ったことで、エンジニアメンバーが使っている言葉が実感を持ってわかるようになりました(上であえて「スキーマ」や「リポジトリ」「マージ」など一部の方にとっては聞き馴染みのないかもしれない言葉を使ったのですが、これらが自然と頭で理解できるようになった状態、と思っていただければと思います)。
このことにより、エンジニアメンバーが話していることの解像度が上がったことで、自分が伝えたいことをより正確にエンジニアメンバーに伝えることができるようになったと思っています。

二つ目の理由としては、「データ」についてより広範にオーナーシップを持てるようになったことです。
先ほども触れた通り、この業務にあたるまでは人力でデータを集める「データ収集」の部分でしかオーナーシップを発揮することができていませんでした。
しかし、実際に収集した後のデータがどのように保存されるのかといったところが少しわかるようになったことで、後のスキーマの定義などの工程を意識した上で、データ収集の業務を行うことができるようになりました。
このことにより、データを投入しやすくするように収集を行う、といった動きをすることが可能になりました。

今では、シンプルフォームで扱うデータ全体を少しずつ俯瞰できるようになり、データ全般にオーナーシップを持つことができるようになってきました。
シンプルフォームが集めている各データが、どういった背景で集められていて、どういった形でデータベースに保存されているのか、そしてどのようにそのデータを活用することができるのかといったコミュニケーションを自分が他のメンバーと取ることが現在では多いのですが、これは間違いなく、犬束さんの業務を巻き取り始めた、というところが出発点です。

また他にも、この業務を通じて学んだGAS(プログラミング言語、「Google Apps Script」の略)を使って、業務効率化ツールを自分で作ることができるようになったりと、ハード面でも大きな収穫がありました。

業務を始めるにあたり、休日にも関わらず、犬束さんに環境構築を手伝ってもらいました
犬束さん、ありがとうございました

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
次回は「シンプルフォームに入社してからの3年間の振り返り③(社会人2年目 〜学びが加速する〜)」をお届けいたします。
リリースしましたら、ぜひ読んでいただけますと幸いです。

シンプルフォーム株式会社
齋藤国興


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