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内観:過去は振り返らない

新年あけましておめでとうございます!

今年も皆様に素敵な時間が訪れますように!

2023年1月1日の富士山



例年通り、1,2,3月は比較的ゆっくりとした時間を過ごしています。
経験上、私のバイオリズム的に、2,3月は低調なことが多いので、この時期は無理をせず、冬ごもりをすることにしています。

とはいえ、変わらずレッスンはあるし、単純にレッスン以外の仕事や大きな移動をいれない、、、というだけなのですが、先ほど3か月先のスケジュールまで確認をしていて、今年は2,3月に仙台や福岡、東京がそれなりに入っているので、「のんびりはどこに行った?」と、つぶやいているところです、、、。


今年も仕事始めは氏神様でもある上賀茂神社にお詣りして新年のご挨拶をしてきました。

上賀茂神社にて


お詣りをして、帰途につくため鳥居の方向に歩いていると、今年は空気の軽さを感じました。特に霊感とかそんなものは持ち備えていませんが、肌で感じる何かは常にあって、その感覚が今年は「空気が軽い」というもの。


今年は九星気学的には「四緑木星」という易らしく、「風」の要素を持つ、、、と確かテレビの番組でも言っていたなぁ、、、と。

占いとかよくわかりませんが、私の感覚としては「地に沈んでいたものが浮かんできている」そして「流れが出てきた」という感じは間違いないので、今年はそんな流れに流されるまま行ってみようと思っています。



とはいえ、やることは今まで通りではあるのですが、これまでのそのままを行くのではなく、2023年は新しい仕掛けをスタートするにはいいのかもしれない、、、とぼんやりと思っていて、去年くらいからその種まきはしてきていました。


A-Yoga認定者グループ内でもその動きがどんどん加速していて、認定者の中で様々なグループが立ち上がり、何かが生まれてくる楽しみがあります。


このA-Yoga Mind and Body Movement Therapyをスタートして、今年で19年になると思いますが(確かスタートが2004年だと思うので)、「思えば遠くへきたもんだ、、、」と。


そのスタートは、カンザス大学でフルタイムアスレティックトレーナーをしていた1997年頃になると思いますが、「アスリートの可能性を最大限にするためにトレーナーの私が日々の関わりでできることは何か、、、」ということがスタートでした。


その中で、「自分の体の感覚に目を向けられる選手」と、「自分の体の感覚に鈍い選手」で、パフォーマンスも、日々の悩みの解決の道すじも、ケガからの復帰も、目標の達成度も異なることにぼんやりと気づき、
「感覚」
「動き」
「感覚の言語化」
このあたりがカギになる、そんな風に思いトレーナーとして仕事をしながらヨガを入り口とした「動作教育を通した人間形成のお手伝い」の今のA-Yogaの原形がスタートしました。


そこから2003年に日本に帰国して、劇団四季でトレーナー活動をしながら、アメリカでアスリートたちとやってきたことを一つの概念として形に落とし込み、それからすでに15回くらいテキストを改訂して、今となっては、原形もとどめないくらいに進化してきましたが、その思いはスタート当時と何ら変わりなく、それどころかあの時に思っていたことが、これが「動きができる人への貢献である」という確信へと変わっていく年月を過ごしてきました。


運動を別の側面からとらえる。
言葉としてはわかるようで、でも一体それが何を示しているのか、はわかりづらい。

近年では、「内観」という言葉、そして「内受容」という言葉も目にするようになってきて、「自分に目を向ける」ことが何かいい効果があるという意識は出てきているような気がしています。


たしか日本で「自己啓発」という言葉や、「コーチング」という言葉が聞かれるようになったのは、実は結構最近で「もしも高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら」が年間ベストセラー1位にになったのが2010年。その年は、10位に「エッセンシャル版 マネジメント」(ドラッガー著)も入っています


その年以降、アドラーという単語が入った書籍は数年続けてトップにランクインしているし、(セルフ)マネジメントという言葉も見られます。また年々「生き方」「考え方」「自己との向き合い方」をテーマにした書籍が増えてきたのがこの頃からな気がしています。


最近では「自己肯定感」という言葉をよく聞きます。

物事がいい感じでいっている人は「自己肯定感が高い」から。自分の思ったように物事が進まないのは、「自己肯定感が低いから」そんな言い方を聞きますし、その自己肯定感が低いのは、過去にその原因がある、、、と言った話もよく聞きます。


おそらく自己啓発のプログラムや、セラピー、一部のコーチングと言われるものの多くが、「自分の過去に今の自分の要因がある」という考えのもと、過去を振り返ることを促しているように思います。(ちょっとこのあたり言葉の表現が難しいですけど、、、)


もちろん、私たちの脳は感覚器官から感覚情報を受け取り(ボトムアップ)、それを処理して、言葉や行動として出力しているので(トップダウン)、過去の経験が脳の中には情報として収納されている、という意味では、「今は過去の積み重ねである」と言えるのかもしれません。


が、その過去は「その時の自分が経験をした結果の過去であり、それを今の私が、その時から様々なことを考え、その時から様々な経験をした私が、今その時を振り返ることにどれだけの意味があるのか、、、。」と疑問に持つことも大切だと思っているし、同時に大事なのは「あの時の私とは違う私が、異なる文脈・状況にいる私が、どのようにそれを振り返るのか」を考えることだと思っています。


私の個人的な結論としては、過去に未来はないので、「今」と向き合うことが何よりも大切だと思っていて、その「今」と向き合うことの最適な方法が、「運動」「動作」であると思ってここまで来ました。


今の時代、ヨガ、瞑想、サウナなどと言ったものが一般化されている理由は、おそらく「今」を感じることができると同時に、「自分の感覚」から見えてきた思考の整理がそれを行うことによってできることに気が付いた結果なのではないか、、、と。


ヨガで体を動かす
瞑想で呼吸に意識を向ける
サウナで温度の変化を皮膚で感じる

その瞬間に起きていること
それそのものを感じきる

なぜ私はそれを感じているのか
なぜ私はそれをそう感じたのか
何がそれを生み出したのか
それを感じた私は私をどう思っているのか

感じたものから整理されていく自分。

脳の中に答えはない。
答えは体そのもの、経験から生まれてくるものにある、、、と。


身体を動かすことは、私という枠組みを作り出す。

ただ動かすのではなく、「今、この動きをしている私が何を感じているのか、どのように動かそうとしているのか。」そんなことと向き合いながら動かす。


アスリートのリハビリとしてのヨガの導入から、運動と感覚の関係、感覚の言語化、心理的要因、社会的要因、精神的要因、生物的要因、脳神経系の働き、コミュニケーション、呼吸、コーチング、自然と人間、人が生きるとは、、、様々なことが混ざり合い、A-Yogaはまだまだ発展途上中。

少しだけ骨格は明確になってきた気がするけど、ここからは一緒に歩んでいるみんなが、それぞれの形で使いながらどんどん肉付けされていくのだと思う。


今年はA-Yoga Movement Coachの養成(運動、医療系の資格保持者、または一定の運動系の学習修了者対象)は、東京(予定では5月から)と京都(早ければ6月、もしかしたらもう少し後ろにずれ込む)で開催予定。


幼児教育から、義務教育、大学、医療施設、介護施設、ヨガスタジオやスポーツチーム、と認定者の活動範囲は幅が広く、その雑多感がとってもA-Yogaらしいなぁ、、、と、いつも思います。


先日聞いていた、Coten Radioのポッドキャストの「教育の歴史」の回で、「教育は、人間がどう生きるかによって変わってきたという歴史がある。」と、話していて、「人間がどう生きるのか?」を考えることで、それに必要な教育の方向性が見出されてきた、、、と。


Covid-19、そして混沌とした地球上で起こっている様々な戦いを経験している今。

「みんなで社会を作っていく!」と先進国が経済的自立を目指し、目に見えてあった経済成長の時代から、実質経済成長率が横ばいになり、物質的には満たされたように見えているこの社会において、「多様性」や「自己実現」と言った未来図が示されるこれから「我々がどう生きるのか?」を考えたときに、「自分の心と体との向き合い方」を共に学んでいくことが、個を大事にし、同時に人と人のつながりを生み出す大事な要素になっていくと信じている。

今年も、そんなことを考えながら、たくさんの方の力を借りながら、のらりくらりと進んでいきたいと思います。

過去を振り返っている時間などない。

ただ前を見て歩くだけ。


甥っ子6歳の後姿


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