季節外れということなのか…

今年の夏は猛暑…ということもあって、玄関脇にあるリビングルームの窓枠に向けて、家内が遮光用にと朝顔の蔓を植えた。
蔓はどんどん伸びて、夏には窓の外を見事にたくさんの朝顔の葉が覆い隠していった。

ところが…夏もいよいよ残暑の頃となっても、朝顔は一向に花を付けようとしない…
これも何か異常気象のせいなのだろうか？…
しかし、たまに近所を歩くと、あちらこちらの植え込みや鉢植えで、勢いよく咲き誇る朝顔の花をよく見るようになった。
どうやら花を付けないのはうちの朝顔だけの様なのだ…何だか損した気分で嫌な感じだ。

そう言えば、今年の私の運気はあまり良くない。
世の感染騒動の余波で仕事は激減…春には一緒にバンドをやっていた親友が癌に侵され、何故かその夏には私にも膀胱癌が発覚。
幸い私の癌は簡単な手術で事なきを得たのだが、親友の方は病状がどんどん悪化し、私の退院の直後に、あっという間に帰らぬ人となってしまった。
気落ちする間も無く、今度は原因不明の腹痛に襲われ始め、以降様々な検査を受けているが、未だに原因が掴めない。

まあ、しかし、原因が分からないのだから、ジタバタしたところでどうしようもない。
何十年も中断することなく創作三昧の人生を送ってきたので、この辺りで腹を括り、何も考えずに暫し休養とすることにした。
そんなこんなで、今年は何とも鬱々とした秋を迎えているのだ…

いよいよ11月を迎え、世は秋から冬へ....
夏は完全に終わっているので、我が家の朝顔はこのまま花開くことなく終わってしまうのだろう…
花を付けない朝顔というのも…まさに自分のこの状況を象徴しているなあ…と思っていたつい数日前のことだ。

朝、玄関の扉を開けてみると…
『おお…』
目を見張った…

鬱蒼と窓を覆っていた蔓と葉を飾っているのは…間違いなく一面に咲いた朝顔の花ではないか！

以降窓辺の朝顔は、毎朝大量の花を咲かせ、夕方にはちり散らかしてを繰り返している。

どうやら単なる季節外れという事だったらしいが、朝顔の花がこんな時期に満開することがあるのだろうか？…
私の諸々不調も、単なる季節外れと考える様にするか…