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エッセー「リスペクト 大島由佳利 アジアを股にかけて活躍した正統派アクション女優の軌跡」

 大島由佳利(アジアではシンシア・ラスター/Cynthia Luster)は香港、台湾、フィリピンを股にかけ活躍した日本人アクション女優である。

 中学生時代に器械体操と剛柔流空手を学び、体育教師を志して日本体育大学女子短期大学部体育学科に進学。大学生の時にたまたま観た香港映画『ヤングマスター 師弟出馬』を観て衝撃を受け、ユン・ピョウに憧れスタントの道を志す。

 幾多のアクション俳優を輩出した名門JAC(ジャパン・アクション・クラブ)の門を叩き、1982年に「宇宙刑事ギャバン」のスーツアクターとしてデビュー。その後「超電子バイオマン」のファラキャット役を経て念願の香港に渡り、アクション女優と念願のデビューを果たすと同時に、憧れのユン・ピョウとも共演する。

 1997年からは活動の拠点をフィリピンに移し数多くの映画に出演、国民的スターとなる。さらに、フィリピンのみならず、マレーシア、タイ、ベトナム等、アジア全域で幅広く活動を続け、出演した映画は約80本、主演作品は約70本を数えている。

 1998年、撮影中の事故をきっかけに帰国し、以降出身地である福岡で後進の育成、アクションコリオグラファー、エクササイズインストラクターとして活躍、第二の人生を歩んでいる。

 凄まじいまでの身体能力から生み出されるシャープなカンフーアクションは、かのジャッキー・チェンやジェット・リーをも驚愕させた。その俊敏な動きはまさに女豹。

 志穂美悦子、森永奈緒美の伝統を受け継ぐ正統派アクション女優として、その功績は高く評価されるべきである。


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