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バッカスの憂鬱「フレッシュな風味とキメ細やかでシャープな泡が特徴的なプリセッコの雄 " ADAMI(アダミ) ”」

 世界3大映画祭のヴェネツィア国際映画祭でVIPルームで振る舞われ、2009年アブルッツォで行われたG8サミットではサミット公式のワーキング・ディナーとランチに採用される等、世界の檜舞台で世界各国のVIPに振る舞われているのがイタリアを代表するプロセッコ"ADAMI(以下アダミ)"である。

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 プロセッコとなるグレラ種(旧品種名はプロセッコ種)は香りが繊細で、青リンゴや洋梨、ヘーゼルナッツのニュアンスが感じられる品種です。アダミではそのグレラ種の特徴が見事に表現されており、泡のキメ細やかさがである。

 アダミは1920年に設立された3代続くプロセッコの生産者であり、現オーナーのフランコ・アダミは、以前はプロセッコ協会の会長も務めるなど地元でも一目置かれるリーダー的存在である。

 アダミが位置するDOCGヴァルドッビアーデネのエリアは、ヴェネト、フリウリに広がる広大なDOCプロセッコのエリアの中でもほんの極一部であり、さらにカルティッツェは、最上のテロワールを誇るたった一つのコムーネからのみ産み出される。

 ボスコディジーカ、デイ・カゼルの畑は標高約400m。ヴァルドッビアーデネの中でも1、2を争うほどの高地にある畑である。昼と夜との寒暖差が豊かなアロマを生み出し、また風通しがいいため病気も少ない。

 仕事はもちろんすべて手作業。丁寧な畑仕事の上、高低差が激しいため、通常平地では1haあたり10時間程度で済む仕事が、アダミでは1haあたり160時間かかる。そのため収穫量は1haあたり13,000kg。これはシャンパーニュの生産者と同等の収穫量である。

 収穫された葡萄は、高品質へのこだわりからプレスの圧力を通常よりも高めの1.6~1.7気圧まで上げ搾汁。その後約3ヶ月間、3~4回タンクを移しながら徐々にオリ引きを行う。

 他の生産者はプレス後、すぐにフィルターをかけ発酵をさせようとするが、アダミはゆっくりと時間をかけオリをひいていくことにより旨み成分が抽出され、程よい複雑味や果実味のリッチさを生み出している。ここでしっかりとしたボディーを作り、さらに二次発酵の前に企業秘密のある工程を踏むことにより、アダミ独特のリッチな味わいとクリーミーな泡ができあがる。

また、通常大手プロセッコ・メーカーは一次発酵後にすぐ二次醗酵に移り全て瓶詰めを行ってしまいますが、アダミでは区画毎に一次醗酵を終えたベース・ワインを必要な分だけアッサンブラージュして二次醗酵を行い瓶詰している。二次醗酵を行うその回数はなんと年100回以上。この途方もなく手間がかかる作業により、アダミは何時でもフレッシュな状態の香りを楽しむことができるのだ。

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