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アトランダム私小説「椿ライン伝説1981(仮)」

 ロングストレートエンドから続く30Rのタイトヘアピンコーナーに備え、先行するSA22Cが僅かに左に寄った。

 橘はその瞬間を見逃さなかった。

 PF60ZZ-Rのステアリングを僅かに右に切るとスロットルペダルを踏み込んでSA22Cのスリップストリームから離脱、そのまま一気に対向車線に躍り出た。

 2台のマシンは共に4速全開、サイドバイサイドの状態を保ちながら、ストレートエンドでばっくりと口を開けて待ち構える30Rのタイトヘアピンのアプローチへとなだれこんだ。

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