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カーコラム「ISUZU PF60型ジェミニZZ Rの思い出 Part.17」

 PF60型ジェミニZZ Rラリー仕様のシェイクダウンの日、早戸川林道の路面は結構荒れていた。一週間ほど前にかなりの降雨があり、山肌から勢い良く流れ出した水が路面を掘ったからだ。

 コースの下見を終え、サベルトのシートベルトを締め上がると、クラッチを踏み、ガングリップシフトをローに入れる。アクセルをアオるとG180WE型がレスポンス鋭く吹け上がった。

 ヘッドライトをハイビームにし、PIAA製のドライビングランプのスイッチをONにした。眩いハロゲンの光が暗闇の奥に潜む右コーナーを照らし出す。

 エンジン回転を3500回転付近まで上げクラッチを一気に繋いだ。ほんの一瞬、ドライブシャフトのバタつきを感じたが、PF60型ジェミニZZ Rは猛然と加速し始めた。

 右ブラインド、コーナー手前でブレーキング、同時にステアリングを切り込んで荒れてない路面を選びラインに乗せる。BS RE66のグリップはなかなか良好だ。

 ノーズがインに向いた瞬間、間髪を入れずにアクセルオン。若干テールスライド気味に立ちあがる。

 続く左コーナーをフェイントで姿勢を作り進入。

 荒れた路面でのリヤタイヤの追従性がいまいちだ。トラクションの抜けを感じた。ショックアブソーバーの伸び側の減衰力がスプリングのバネレートとアンマッチングな感じだった。

 また、ダブルウィツシュボン式のフロントサスペンションのストローク不足も気になった。低い位置にあるロアアームは、容易に岩に接触してしまう。フロントもリヤ同様、減衰力がアンマッチングなフィーリングだった。

 しかし、良好な路面でのトラクション、ハンドリングともそう悪くはなかった。

 基本アンダーステアだが、姿勢を作って思いきりコーナーに進入できればかなりいい感じで立ち上げれる。

 ただ、前後ともショックアブソーバーの減衰力が不足気味の傾向が見られ、スプリングの制御にディレイを感じる。

 ブレーキに関しては、短距離では可もなし不可も無しという印象で、制動力そのものはノーマルよりも若干強い程度の効きで、踏力変化にも比較的素直なフィーリングだった。また、ハードな走行でも早期でのフェードの兆候は見受けられなかった。

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