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ワンマングルメNo.49「ラーメン激戦区 目黒に醤油ラーメンの真打ち登場 "中華そば 竹むら"の衝撃」

 目黒はラーメン激戦区である。名の通った名店が軒を連ねる権之助坂近辺は激戦区 目黒の中でもコアゾーンとも言える熱いエリアである。

 そんな権之助坂エリアの中にあって、ひっそりと店を構えているのが"中華そば 竹むら"である。

 "中華そば 竹むら"は練馬の名店"ます田"の系列である。そのため"ます田"同様、鶏出汁ベースの深いコクのあるスープと全粒粉のストレート麺が一杯の基本となる。

 まずスープは大山鶏を贅沢に使い出汁をとり、そこに真昆布、椎茸からとった出汁を加え10時間丁寧に炊きあげたものをベーススープとしている。

 麺は香り豊かな全粒粉を使用。数種類の小麦をバランス良く配合することで理想のコシ、のど越し、風味を実現した特製麺。

 さらに、トッピングの味玉には濃厚な黄身が特徴の"マキシマム濃い玉子"を使用し、真昆布出汁に椎茸の風味を加え、甘口醤油で一晩寝かせて仕上げている。

 店内は鉤型のカウンターのみ。入店後、発券機で特製ラーメンのチケットを購入。着席し店主にチケットを渡す。

 待つこと約5分ほどで着丼。表面にうっすらとキラキラした脂が浮いた澄んだ美しい醤油スープの中に佇むストレート麺。その上に薄めのチャーシューが5枚、ナルト、骨太なメンマ、そして小麦色に輝く煮玉子がトッピンされ、仕上げとして刻みネギが中央に盛られている。

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 美しい。その美しい仕上がりにしばし我を忘れラーメンを見つめる。気を取りなおし、まずはレンゲでスープを口中に含む。

 スープを口に含んだ瞬間、久しぶりに脳髄が痺れるような衝撃が走った。品の良い見かけとは裏腹に、極めて骨物且つ主張の強いスープである。まず口んだ瞬間、口中いっぱいに芳醇な鶏出汁の旨味が広がり、その後を追いかけるように真昆布出汁の凄まじいまでの旨味と椎茸の奥行きのある品の良い旨味が波状攻撃のように襲いかかってくる。

 正直、涙ぐんでしまうほどの美味さ。久しぶりに日本人に生まれて良かったと心の中で叫んでしまう。

 恐る恐るスープに沈む麺を箸ですくい口中に。香ばしい小麦の香りが鼻を抜ける。咀嚼するとしっかりとしたコシを感じる。嚥下する際ののど越しも滑らか。そしてなにより麺とスープとの相性が抜群。まさにベストカップルである。

 スープによく絡む麺を食しつつトッピングに箸を伸ばす。こだわりの煮玉子を割ると、やや赤みがかった鮮やかな黄身が自ら単なる煮玉子でないことを主張する。しかし、口に含むと濃厚な出汁の旨味とほどよい醤油の塩味が麺とスープに調和し、渾然一体となってさらに脳髄を激しく刺激する。

 チャーシューはハム様の薄めのもので、主張は控えめながらしっかりとした味付けで、これもまた麺とスープのシンフォニーに完全調和する。

 そしてメンマ。コシの強い骨太のメンマは、歯応えも充分で、味付けも品良く仕上げられている。

 脳髄が痺れたまま完食。デモーニッシュなスープを一滴残らず飲み干す。

 "中華そば 竹むら"のラーメンは、スープ、麺、そして煮玉子、メンマ、チャーシューといった、一杯を構成するすべてのパーツが見事なまでに完全調和した究極にして至高の逸品だった。

 久しぶりに魂が震える一杯に出会った。

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中華そば 竹むら
東京都目黒区目黒1丁目6-14
03-6420-0628



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