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エッセー「ジョン・ウェイン(デューク)人世最後の大立ち回りin ロンドン "Brannigan(ブラニガン)"」

 ジョン・ウェイン、彼こそラスト・アメリカン・カウボーイである。

 シカゴ警察のはみ出し刑事ジム・ブラニガンが、逃亡した犯罪者の逮捕・引き取りのために英国ロンドンで大暴れ! 1975年公開の痛快娯楽映画「Brannigan(ブラニガン)」である。

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 "デューク"はもちろんロンドンでも大暴れ。愛用のコルト・ダイヤモンドバックをまるで水鉄砲にようにぶっ放し、犯人を追って右ハンドルのフォード・カプリでロンドン市内を大暴走。挙句の果てにはロンドン・ブリッジもひとっ飛び。

 ブラニガンに協力するのはリチャード・アッテンボロー演じるスコットランドヤードの警視(貴族)とその部下のサッチャー刑事(もちろん女性刑事)。

 ロンドンのクラブ(貴族階級の男性しか入れない会員制の社交場)でジンを煽ってチャイサーのビールで追いかける「ボイラー」という飲み方を披露するカウボーイと貴族の間には階級や文化の壁はない。酒飲みは皆友達である。

 実はこの映画の撮影時、ジョン・ウェインはすでに癌に侵されていた。

 大雑把だが豪快、粗にして野だが卑ではない。そんな古き良きヤンキースピリッツを最後まで貫き通した愛すべきタフガイだった。


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