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Essay

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鳴海邦彦が思いつくままに、そして気ままに綴るフリーエッセー。
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2023年9月の記事一覧

ショートエッセー「ホモ・モントローズ」

「分類学の父」と称される19世紀スウェーデンの博物学者、生物学者、植物学者のカール•フォン•リンネは、人類を二つのタイプに分類した。 一つは馴染み深いホモ•サピエンス(知恵の人)、そしてもう一つはホモ•モントローズ(獣人)である。 現在ではホモ•モントローズをオラウータンやゴリラといった類人猿であるとする解釈並びに学説が主流だが、リンネが生きた19世紀にはアフリカのゴリラ、インドネシアのオラウータン共に発見されていないため、その解釈には無理がある。 19世紀社会において

エッセー 「亡国の男たち」

 日本人男性のほとんどが基本マザコン体質で、精神年齢は同年代の女性に比べ遥かに低く幼稚。だからこそ女性には従順さと処女性を求める。  日本人の男は、自分が単なる社会のいち歯車で、代替えがいくらでもきくとるに足らぬ存在であるにも関わらず、幼少期から家庭で刷り込まれた封建的且つ男尊女卑的思想から、女は男に逆らわず、結婚したら家庭に入り、家事と夫の身の回りの世話をし、夜は夫の性欲の処理をする。そして子供が生まれたら子育てと家庭を両立し、自分の大好きな母親(姑)の介護をするのが当た

エッセー 「バブル英雄伝 ②-2」

 さて、渡米してからは色々とあったものの、無事難関のSAT(全米高校学力検定試験)をクリアし、名門UCLAに進んだ奴ことN・アレキサンダー・K。UCLAでの単位習得も順調で、大学2年生の時にはLAから600km離れた隣り町サンフランシスコの名門公立大SFSU、サンフランシスコ州立大学(San Francisco State University )に編入、ビジネス学部において経済学のBA(学士号)を取得し卒業する。  見事BAを取得した奴は、担当教授の推薦によりバンク・オブ

エッセー 「バブル英雄伝 ②-1」

 男の名はN・アレキサンダー・K、愛称アレックス。  ハーフでもなければ日系人でもない。浅草田原町生まれのチャキチャキの江戸っ子である。  奴は中高一貫の進学校時代に6年間同じ釜の飯を食った同級生である。  先述した通リ、奴の生まれは浅草に近い浅草田原町。小学校の頃から地元のパイセン(地廻りの893さん)から夜の街の遊び方の手ほどきを受け、中学時代にはすでに立派な遊び人になっていた。  我々の母校は、明治の軍神 廣瀬中佐といった歴代海軍将校を多数輩出した元海軍士官学校