マガジンのカバー画像

Essay

321
鳴海邦彦が思いつくままに、そして気ままに綴るフリーエッセー。
運営しているクリエイター

2022年2月の記事一覧

エッセー「ドライビングに見る国民性」

 フランス人ドライバーは本当によく飛ばす。街中でも全開だ。しかし、横断歩道に人が立つと、かなり手前から減速し、いつでも停止できる状態にする。そして歩行者が渡り始めると必ず停止する。フランス人は基本的にクルマの運転が上手い。  イタリア人ドライバーもフランス人ドライバー同様、運転が上手いが、歩行者と駆け引きする傾向があり、ギリギリまで停止しない。しかし、歩行者が本気で渡る意思を見せると見事に停止する。  ドイツは厳格に法規を守り、道路が整然と流れている。アウトバーンしかりで

エッセー「日本人の品格」

 海外に出てみるとわかるが、東洋人、否、洋の東西を問わず日本人は別格な存在として見られている。  ただし、これには条件がある。その条件とは、 ①教養がある。 ②他国の文化(特に食文化)に精通している。 ③そこそこの語学力がある (必ずしも堪能である必要性はない。伝えようとする努力が評価される)  そして何より大切なのが「日本の文化と伝統を十分に理解し、その知識が豊富であること」。  彼らにとっては単なる物見遊山の旅行者は日本人だろうが韓国人だろうが中国人だろうが同じ有

エッセー「トンビは鷹にはなりえない」

 基本的にわがままな人間は嫌いだ。基本的に幼稚な人間が嫌いだ。基本的に御礼が言えない人間は嫌いだ。基本的に人を褒めない人間は嫌いだ。基本的にむやみに威張る人間は嫌いだ。基本的に高圧的な態度をとる人間は嫌いだ。基本的に他者への思いやりが欠落した人間は嫌いだ。基本的に人を罵倒する人間は嫌いだ。基本的に歳上の人間に対し敬意をはらわない人間は嫌いだ。基本的に品のない人間は嫌いだ。基本的に教養のない人間は嫌いだ。基本的に優しさのない人間は嫌いだ。  祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあ

エッセー「檻の中の猿」

 アメリカにとって日本は「世界で最も植民地化に成功した国」である。  かつて第33代アメリカ合衆国大統領ハリー・S・トルーマンはかく語った。  「猿(日本人)を『虚実の自由』という名の檻で、我々が飼うのだ。方法は、彼らに多少の贅沢さと便利さを与えるだけで良い。そして、スポーツ、スクリーン、セックス(3S)を解放させる。これで、真実から目を背けさせることができる。猿は、我々の家畜だからだ。家畜が主人である我々のために貢献するのは、当然のことである。そのために、我々の財産でも