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Essay

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鳴海邦彦が思いつくままに、そして気ままに綴るフリーエッセー。
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2021年4月の記事一覧

エッセー「生き残るための10ヶ条」

その昔、横浜の港で働いていた時に、行きつけのバーで知り合ったベルギー人の元傭兵に教わった " 生き残るための10ヶ条 " ① 相手から出された飲み物や食べ物には絶対に手をつけない。 ② 常に背後を気にする。 ③ 常に最悪の場合を想定し複数のプランを用意する。 ④ 事前視察を入念に行う。 ⑤ 約束の少なくとも2時間前には現場に到着する。 ⑥ 飲食店では常に壁を背にし、入口が見える席に座る。 ⑦ 部屋、店、建物に入る時は必ず相手を先に行かせる。 ⑧ 相手の肩の動きを常に観察する

エッセー「バジリコ部長」

 前職の営業部長M氏は人呼んで「バジリコ部長」。  全身からスゥイートバジルの香りが漂う「歩くイタリアレストラン」。  最初はバジルの香水でも使っているのかと思っていた。  しかし、たまたま彼がトイレで「大」をした後に入ってしまった個室でびっくり! なんと強烈なバジルの香りが漂っているではないか!!  そう、驚いたことにバジル臭の源は、なんと彼の体内だったのである。  後に判明した事実によれば、彼の奥様が「バジルは健康に良い」という雑誌の記事を読んで以降、和食、洋食

エッセー「カマキリ」

 古くからの友人Kはカマキリが大の苦手。  その昔、津久井湖が減水して沼本ワンドがほとんど干上がってしまったことがあった。  そのため沼本旅館のボート乗り場は遥か沖合いとなり、たどり着くまでには葦・雑草が生い茂る湿地を歩かねばならなかった。  事件はKを先頭にボート乗り場に向かっていた時に起こった。  因みに、Kはかなりの巨体であり全ての動作はスローモーだった。プラノのタックルボックスをぶら下げ、ヨーロッパ貴族のピクニックのように優雅に歩みを進めていたKが急に止まった

エッセー「JerusalemaDanceChallengeは閉塞したコロナ禍の世界に差し込んだ一条の光である」

 2019年末にリリースされたMaster KG Feat.Nomceboの"Jerusalema"が、世界的なムーブメントを巻き起こしている。   Master KGは2016年から活動している南アフリカ出身の歌手/DJ/音楽プロデューサーで、AFRIMA(All Africa Music Awards)でも受賞歴をもつ実力はのアーチストである。 南アフリカで広く使用されているズールー語で“Jerusalema”(ジェルサレマ)の歌詞は、ずばり「祈り」。ゴスペルをベース

エッセー「人間の誕生に意味はない」

 人間、生まれて来たことには何の意味もない。自らの誕生とレゾンデートルに何らかの意味を見出そうとしてもそれは無駄な努力。  すべては単なる偶然か、あるいは計り知れない大きな意志が働いているかのどちらか。いずれにせよ、人間なんて、誰もが大した存在ではない。現状与えられたミッションを粛々と淡々と日々を過ごすのみ。哲学とは形而上学ではなく実践である。真の哲学は日常の日々のなにげない考察から生まれる。  謙虚にして驕らず、実るほど首を垂れる稲穂かな。本物は常にそれらしくない。逆説

エッセー「9mm Parabellum Bullet」

 現在、世界各国の警察、軍隊で使用される自動拳銃並びにSMG(サブマシンガン)の使用弾丸として主流となっている9mmルガー弾(9mm×19mm)、正式名称9mmパラベラム弾。   9mmパラベラム弾は1901年にドイツの兵器企業DWM(Deutsche Waffen und Munitionsfabriken / ドイツ武器弾薬工業)が開発した実包である。   「Parabellum(パラベラム)」という名称は、同社のモットーであるローマ帝国の軍事学者フラウィウス・ウェゲ