歌詞解説：わるくはない

制作に至るまで

　作曲は玉岡（初期メンバー、現在は作曲のみを担当）。
　玉岡が最初に送って来たデモだとギターを前面に押し出したようなアレンジだったが、これだとちょっと面白くないということで、キーボード、つまり電子音が目立つようなアレンジに変更した。
　（確か、ベースとドラム以外はどのフレーズもギターで録ってあったような気がする）
　結果的に、よりポップな雰囲気になって良かったのではないかと思う。
　メロディがひたすらにキャッチーな（と思い込んでいる）のでこの曲を聴いて何も感じない方は残念ながらQLIPに向いていない。
　個人的に一番守備範囲の広い曲だと勝手に思っている。

歌詞解説

　曲名の通り、「わるくはない」ということを言いたいだけである。
　良くなくても悪くないならそれで良いじゃないか、ということを伝えたいのだ。
　何でもかんでも良い状態に持っていくのは大変難しい。
　でも、悪くはないという状態なら特に何の努力も必要ない。
　とりあえず悪くないならそれで良いじゃない。
　良くすることに関しては後で考えよう。
　そんな心持ちで良いやん、という曲。
　ちなみにこの曲も陰陽の対立構造を描いている。
　太陽と月、局所的な例えで言うと、気づいたら劇団のみらいさんとスウィちゃん。
　こちら側が月、スウィちゃん、あちら側を太陽、みらいさんとして聴くとより私の言いたいことが分かるはず。

あいつはいつでも元気だ　気が滅入るくらい

　私からは考えられないくらいにあいつは元気だ。
　それはもう、見ているこっちが己の小ささを改めて実感して気が滅入ってしまうくらいに。

僕にも少しは分けても良いんじゃないかな

　あの元気を少しで良いから自分にも分けて欲しい。

どうしてこんなにも　笑えてくるんだろう

　あいつと自分の大きな差を見ているともはや笑えてくるよ。

何も良いことなんか起きていないよ

　自分には何も良いことなんか起きない。
　期待するだけ無駄だ。

夢も希望も噓吐きさ

　夢、希望、そういった類の前向きな意味を持つ言葉に救われたことなんかない。
　あんなものは真実ではない、嘘だ。

僕に良いことなんかある訳ないよ

　自分に良いことなんかある訳がない。
　自分に期待なんかしていない。
　ましてや自分にとって良い出来事なんか期待するべきではない。

今日も明日もその先もきっと

　良いことはない。
　今日も、明日も、その先もずっと良いことなんてない。
　それでも良いのだ。

ところでいつまでそうしているつもりなのさ

　君たちはいつまでそうやって、元気なままでいるつもりなんだ。
　常に明るくパワフルでどうするつもりなんだ。

こんなに後ろを向いても前に進むんだ

　別に後ろ向きでも進もうと思えば前には進むのだ。
　根暗でも卑屈でも成長できるし何かを成し遂げることもできる。

どうしてそんなにも　楽しい振りするの

　卑屈な自分では君たちは楽しい振りをしているように見えてしまう。
　自分にはずっと楽しいなんてことは有り得ない。

何も良いことなんか起きていないよ

　そう、自分には何も良いことなんか起きない。

だけどこれでもマシなのさ

　でも、良いことが起きていないこの状態は悪くはないのである。
　良くもないけど悪くもない。

僕に良いことなんかある訳ないよ

　良い出来事なんかあるはずがない。

物心が付いたときからさ

　小さな頃からずっとそうだった。
　だからこれからも期待しない。
　悪くなければそれで良いのだ。

音源

 　この曲を聴きたい方は以下から聴いてみてください！

　サブスクでも聴けます！
　https://big-up.style/VzHN7cVzT6
　https://big-up.style/5xBhD5Ugrr（再録版）