歌詞解説:パラディ

制作に至るまで

 正直なところ、制作時の記憶があまりない。
 なんとなく横ノリのキラキラした曲を作りたいという思いから制作したような気がする。
 最近のライブではあまり演奏していないが、演奏する際はその思いを反映してコーラス部分(いわゆるサビ)で右手を横に揺らすというコールアンドレスポンスをやっていた。
 今はワーワーやってとりあえず皆で楽しんでいこうというライブをやっているので、こういう横ノリの曲はなかなか演奏する機会がないが、持ち時間が長ければ演奏しても良いかなと思っている。
 音にも言及すると、ブリッジ(セクションからセクションへと繋ぐ、橋渡しするセクション)部分でピッチベンドを使っているのがちょっとしたこだわりだったりする。

歌詞解説

 パラディ(paradis)は、楽園を意味する。
 勿論、私のようなひねくれた人間がただただ楽園について書くはずがない。
 ここで言う楽園とは、私とは反対の特性を持ったような人間が楽しんでいるような場所やコミュニティのことである。
 また、私はよく自分(少数派、マイノリティ)と皆(多数派、マジョリティ)という対立関係を歌詞に書く。
 この曲も同様にそういった対立関係について表現した。

素晴らしい世界だ

 自分と違って皆はあの世界を「素晴らしい世界だ」と言っている。

何度も言い聞かせて自分を騙していく

 私から見れば、皆は自分で自分にそう言い聞かせてそう思い込もうとしているように見える。
 つまり、私はあれが素晴らしい世界(社会、コミュニティ、空間、場所)だなんて微塵も思えない。

幸せな人生 定義は曖昧でも疑うことはない

 皆が言う”幸せ”の定義は、私からすると曖昧でぼんやりしていて一切信用できない。
 しかし、皆はその曖昧な"幸せ"を信じて疑わない。

向こう側へ行ってしまった

 皆は私の理解できない世界、向こう側へ行ってしまった。

これが幸せ? これで幸せ?

 皆の言う楽園、これが幸せなのか? これで幸せなのか?

違う気がした

 私は違うと思う。

ここが楽園 そう聞いたけど

 ここが皆の言う楽園、そう聞いたけど……。

どうもわからない 何が幸せ?

 どうにも理解できない。
 何が幸せだと言うのだろうか。

素敵な人たちだ

 皆はあの人たちを「素敵な人たちだ」と言う。

自分で作り上げた他人の印象さ

 皆が皆の中でその人たちの印象を勝手に作り上げただけに過ぎない。
 少なくとも私からすればあいつらは素敵な人、凄い人なんかではない。

華やかな毎日

 大袈裟に、分かりやすく幸せそうな日々。

他人に見せること それが全てじゃない

 それを他人に見せつけること、自慢することが全てではない。

何もない 本当は何もない

 他人に見せる幸せそうな日々は虚空に過ぎない。
 あんなものは真実ではない。
 本当は何もない、空っぽな人間だ。

これが幸せ? あれも幸せ?

 皆はあれもこれも"幸せ"だと言うが、本当にそうか?

まるで泡のよう

 皆の言う"幸せ"なんて泡のように脆い。
 簡単に崩壊する程度のものだ。

ここが楽園 希望に満ちた

 しかし、ここが希望に満ちた楽園らしい。

どうも馴染めない 何が幸せ?

 当然ながらどうも馴染めない。
 何が幸せなのか。
 今一度問いたい。

これが幸せ? どれが幸せ?

 これがが幸せ?
 そんなはずはない。
 一体どれが幸せなのか。

いつもわからない

 皆の言う"幸せ"、それの何がどう幸せなのかいつも分からない。

ここが楽園 そう聞いたけど

 ここが楽園だと、そう聞いたけど。

どうもわからない 何が幸せ?

 どうも全く分からない。
 この世界の何が"幸せ"だと言うのか。

音源

 この曲の音源はサブスクでのみ聴けます!
 ※YouTubeにはありません。
 https://big-up.style/79WnzEcbft

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