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15.「M-1グランプリ王者」 ≠ 「No.1漫才師」

さぁ、『M-1グランプリ』放送は今週末

12/19(日)はみんなでM-1を見よう!


これまで2回に渡って、M-1について書いてきた。

・このnoteを見て興味が出たから、今年初めてM-1を見る。ありがとう!

・12/19は予定が無いから、そんなに言うなら見てやるか。しょうがねぇ!

・別にお前に何を言われなくても見るつもりだったわい。しゃらくせぃ!

という方は今回読み飛ばしてもらって構わない。
















残念です。

ここまで言っても、まだM-1を見ようと思いませんか。

いや!!さては前回、前々回の記事を読んでないな!?
長過ぎて読んでないとか??それは本当に残念だ。


そんな方々へ、ざっくりまとめてみた。

M-1を見なければ1年が終わらないというくらいのM-1ファン。そんな僕が、まだM-1を見たことがない人に向けて、「M-1グランプリの面白さ」について書いた。

1. 出場コンビが全て面白い

過去最多6017組の漫才師がエントリーした今年のM-1。12/19放送の決勝戦に出てくるのは、5回もの審査によって絞られた9組の漫才師。甲子園の出場高校数4000組よりも多いことから、その競争率の高さはお分かりいただけるだろう。つまり、全組のネタがその面白さを保証されている

2. 審査員との掛け合いが面白い

決勝戦では、現在のお笑い界、いや芸能界を牽引するスーパースターたちにより審査される。今年の顔ぶれは去年と変わらず、以下7名。

上沼恵美子さん
松本人志さん(ダウンタウン)
中川礼二さん(中川家)
立川志らくさん
塙宣之さん(ナイツ)
富澤たけしさん(サンドウィッチマン)
オール巨人さん(オール阪神・巨人)

ちなみに、審査員と芸人の絡みが見どころと書いたが、司会の今田耕司さんにより、その絡みがバラエティ番組としてちゃんと面白く成立していることも忘れてはいけない。今年も名シーンが生まれるか?楽しみだ。

3. 芸人の裏のストーリーも楽しめる

今年初めてM-1を見るような方にとって、全組が決勝に進出した猛者とはいえ、その漫才師の名前すら聞いたことがないかもしれない。特に今年は、お笑い通が「まだ売れてないけどいつか絶対売れる!」と密かに思い温めていた、最終兵器とも言える顔ぶれが決勝戦に残っている。しかも1組だけではなく同時多発しているから、全組初めて見る人たちである可能性が高い。

でも安心して欲しい。M-1は初見の漫才師のネタでも笑いやすいように、その人柄や芸風、そしてこれまでの道のりを分かりやすく、そしてカッコよくまとめて紹介してくれる。バックボーンも込みで「ガチンコ勝負」のM-1だ。見る側も本気で見よう




そして前回の記事では、少し趣向を変えて、漫才史における「M-1グランプリ」について書いた。何かにつけて起源や経緯を知りたくなってしまう僕にとって、書きながら初めて知ることも多く、すごく面白かった。

歴史は良い。歴史を知ると愛着が生まれる。愛着が生まれるともっともっと知りたくなる。そして沼にハマっていく

平安時代から現在まで、姿形を少しずつ変えながら残ってきた話芸「漫才」。千年以上そのままの形を残してきた「漫才の形式」と、時代に呼応するように変化してきた「漫才のスタイル」。

M-1はその尖ったコンセプト競争性によって、漫才のスタイルを加速度的に増やすことになった番組である。2020年第16回大会で巻き起こった「漫才論争」は、新しく増え続ける漫才のスタイルに対するアンチテーゼだ。

「漫才か否か」

歴史はいつも、相反する派閥が戦うことで、その後の未来を変えてきた。
2021年、「新しい漫才の歴史」が始まる瞬間を見逃せない!




さぁ、これでM-1を見たくなったね!!

12/19はブラウン管を通じてお会いしましょう!!


noteの感想・お題リクエストはコメントかこちらまでお願いします。
















なるほど。

あなたはよっぽどお笑い、漫才に興味が無い方だ。
それとも何か過去にトラウマがあるとか?それだったら申し訳ない。
そして、そんな方はすぐにこのページから離れた方が良い。

それでも僕はみんなでM-1を見たい。笑いたい。
終わった後にあーでもないこーでもない言いたい。
また来年みんなで「そろそろM-1じゃね?」って言いたい。


なので「あとちょっと背中を押してくれれば見る!」という方のために、ダメ押しで「M-1グランプリ2021の見どころ」を書こう。

1.敗者復活戦やります
2.漫才論争について
3.最後のひと押し

1.敗者復活戦やります

M-1には「敗者復活戦」というシステムがある。準決勝まで残った漫才師の中で敗者復活戦を行い、そこで1位になった組が決勝に戻ってくるのだ。しかも敗者復活戦は決勝戦と同日12/19に行われるので、敗者復活枠で誰が決勝に戻るのかは当日にならないと分からない。ワクワクしないか?

一度負けた組だからと侮るなかれ。
・2007年第7大会王者サンドウィッチマンさん
・2015年第11大会王者トレンディエンジェルさん
上記2組は敗者復活戦で決勝に返り咲いた上、優勝までしてしまったのだ。ワクワクしないか?

そして、ワクワクを高める要素としてもう一つ。敗者復活戦の審査方法だが、なんとリアルタイムで誰でも参加できる。パソコン・スマホ・データ放送から、面白いと思った3組の漫才師を選び、最も多くの視聴者票を獲得した組が決勝戦に復活する。ワクワクしないか?

敗者復活戦は決勝戦の前、12/19の午後2:55から生放送される。どうせなら敗者復活戦から見た方が、決勝戦を何倍も楽しめることは言うまでもない。

↓M-1グランプリ2021敗者復活戦投票サイト↓


2.漫才論争について

前回、漫才史についてメインストリームだけ抜粋して書いてみたのだが、そこで漫才の「スタイル」というものに触れた。平安時代から現在まで、漫才のしゃべりのテンポを早めたり、遅くしたり、ツッコミとボケの役割分担の中で遊んでみたり、そのスタイルは多様化してきた。

ただ、あくまでそれは漫才の形式に限った話であって、
2人(もしくは複数人)」で「マイクの前で話す
という漫才の「定義」は今まで破られたことはなかったし、そもそもその定義を崩すという発想自体がなかった。

2020年の第16回大会王者「マヂカルラブリー」が、ファイナルラウンド(2本目のネタ)で披露したネタは、その歴史をいとも簡単に覆した。彼らの取った手法はズバリ「しゃべらない漫才」だ。ツッコミとボケという役割分担はあるものの、ボケの野田クリスタルさんはそのネタの間、ツカミ(漫才の冒頭部分)以外ほとんど喋らなかった。会場には、「無言」というボケにツッコミ続ける相方の声と、観客の爆笑だけがこだました。

「果たしてあれは漫才なのか?」

確かに、客席は沸いていた。その日一番笑い声が大きかったのであろう。だから優勝したのだ。ただ、その漫才はM-1放送後も、視聴者の中でしばらく物議を醸した。

そして、視聴者からの疑問がニュースとなり、芸人にコメントを求められたりしたことで、期せずして芸人の考える「漫才の定義」が浮かび上がることになった。ほとんど例外なく全ての芸人が「あれは漫才だ」という見解を表明したのだが、やはり「新しい」漫才であったことは間違いない。

ともあれ、今まで誰しもが暗黙の了解としていた、「漫才=マイクの前で話す」という漫才の定義は一晩の内に更新され、しかもその漫才が天下を取ってしまった。これは大事件である。

難しい話はこの辺で止めておくとして、以上が昨年M-1を舞台に巻き起こった「漫才論争」だ。ある日のある番組のある一つのネタによって、漫才の未来は変わったのかもしれない。

漫才論争によって生まれた「漫才か否か」という問いの答えは、今年のM-1を見ればハッキリするだろう。歴史が変わる瞬間をみんなで目撃しよう。


3.最後のひと押し

それでも視聴するか迷う人はこれを見て欲しい。

僕が長々と書いてきたこと全てが、この30秒の動画に詰まっている。






M-1は「単純におもろいやつ」が勝てる世界。
漫才師が自分たちだけのスタイルで、正統派も異端派も全員ぶっ倒す。
漫才の定義だって、あるにはあるけど壊していい。
おもろければなんでもいい。
No.1漫才師より、No.1おもろいやつの方がすごい。

さぁ今年のM-1もワクワクしてきた。


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