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「金属バットでも、飛ぶし」

とっても私的な話なんですけど。
ノンフィクション。

我が家の子どもは野球をやっています。以前、こんなツイートをしたことがありました。

私は野球に詳しくないので、道具に関しての知識はさっぱりなんですが、子どもが野球をやってるとそれなりに情報が入ってきます。

前述のツイートの日、息子が「バットが欲しい。皆が使っているようなバットが欲しい」と言い出しました。調べてみたら、こんなん。

コメント 2020-09-07 083308

たっか…!


ここ数年の少年野球の流行りのようです。高反発素材で作られたバットで、説明文からもわかる通り、当たればヒットしかも大きな当たりになるらしい。すでにスイングの上手な人なら、ホームランにもなりやすい。

道具でそんなに違うのなら、公式の大会では使用NGなのでは?と思いましたが、息子の周囲の連盟では今のところそのような決まりはないようです。

子どもが言う「皆」は小学生のアレなので、「全員」じゃないだろー。こんな高価な道具、そんなに使っている子どもが多いのか? チームメイトの親御さんに、リサーチしたところ…。

息子とあとひとり以外、使ってた…!

うわあ。なるほど。

そんなに野球が上手に見えないお子さん。でもバッティングは飛ぶなースイングがうまいんだなーと思ってたのも(とても失礼ではありますが)、そうか、このバットか。

と、色々合点が行きました。

親御さんからの話では
「ヒットを打てる楽しさ」
「大きな当たりによる、喜び・爽快感」
「野球楽しい!」
そんなこんなと感じることで、ポジティブな気持ちで練習にも試合にも臨めるだろう。高価だけども、そんな姿勢で野球を楽しんでくれるならそれで良い、とのこと。

なるほど!

わかるう。

私もパソコン買い換えてスイスイ動くようになると「今のオレ…なんでもできる…!」って錯覚するし! 仕事に向かうの前向きになるし!「急ぎ? 明後日納品? まかせとけや…うはははははは!」ってなるし!

いいじゃんいいじゃん、国からコロナの給付金もらったし! 飛ぶバット買おう買おう! 買ったらいいじゃん! 

と、私は賛成だったのですが。

野球に関する、ウチのラスボス(夫)に一蹴されました。

「ふざけるな。今の道具(金属バット)も満足に扱えないヤツが贅沢言うな」

うん、予想はしてたよね!
ラスボス、昭和の野球少年なのでね!

実は息子、筋力が低いです。それは野球素人な私が見ていてもわかります。守備で活躍はできても、打撃ではどうにも振るわない。バットにボールが当たっても前に押し出す力が弱い。

息子の素振りを見ていた年上のチームメイトから「バット、振り切れてないぞ」と指摘されるほど。初めはバットが重いのか?と思いましたが、ラスボスによると、そうではなく、単なる筋力不足でトレーニング不足、プラス練習不足(自主練の素振りなど)。

「うまくなりたいなら、自主練しなきゃならない。皆と同じ練習量で、ある日突然お前だけうまくなると思うか?」

ラスボスと息子は、訥々と話し合いました。母静観。

そこへ息子、
素振りだってしてるもん…

「素振りもな、ただ数多く振ればいいわけじゃない。ひとふりひとふりでフォームや目線を確認するんだよ」

「キャッチボールだってそう。あれをウォーミングアップにしか捉えてないうちはダメだ。相手の取りやすいところに投げられるか。キャッチしたあとにどんなモーションで相手に返すか。一回の往復が都度練習になるんだよ」


イテテ…(わたし
耳が痛い(わたし
納品日が…(わたし


さて、そんなラスボスからの声掛け。

どうやら少年に少し届いたらしいです。その後から、「おや、むすこはどこへ行った?」と思ったらバットを持って外から帰ってきたり、数あるYouTubeのお手本でイメトレらしきものをしていたり。

子どもの「うまくなりたい」は、まっすぐでわかりやすいですね。


そして迎えた練習試合。

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打ったわ…。

打ったんですよ。

生まれて初めて試合で打てたんです。

ホームランになりそうなレフト越えヒット。

息子は右打者なので、レフトに大きく飛んだってことは力負けしなかったってことで。


帰りの車で嬉しそうな息子がひとこと。


「金属バットでも、飛ぶし」



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