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理。ことわり。【1分で読める500字コラム】

池澤夏樹さんの編著の中に、「権利」の「利」が「理」で「権理」だったなら…という一節あった。池澤氏は「権利」を「どこか物欲しげで、エゴイズムに寄った語感」と表現する。「利」ではなく、「理」を用いて「権理」としたなら、語感にもっと筋が通っていたのではないのかと。
(参考文献:河出書房新社「日本文学全集30 日本語のために」)

すごいことを考えるなあ。

私は、仕事も生活も、そして人間関係についても、先人の知恵を借りて思考している。完全なオリジナルなんて、もうこの世にはないのではないかとすら思う。そう考えると、仕事仲間に自分が発した言葉すら恥ずかしくなり、どうにかして武装しようと、話に筋道を立てようと、また手元の本をひらく。

ものごとは、経験を積めば積むほど心配になる。人から何が正しいのか教えてくれと投げられるたびに、ものごとの正誤を、私がジャッジしてよいのだろうかと頭を抱える。そしてまた本をひらく。はたして、知識と教養は、私を行くべきところに導いてくれるでしょうか。

「理」という漢字をいまいちど、調べる

【理】ことわり
物事の筋道。もっともな事。道理。

権利ではなく権理なら。もしかしたら、自分の利ばかりを主張する苦しい世の中にはならなかったかもしれない。


世の中のざわざわしたものすべてに敬意を。
考えるきっかけをくれてありがとう。

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