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雑記も雑記。#note一本書くほどでもないけれど

丸亀製麺の天ぷらトングが宙に舞った。
タイミングよく、揚げたてがたくさんバッドに並ぶ時間だった。いも天!れんこん!ちくわになすび!わくわくしながらトングに手をかけたら、ヤツはパンッと宙高く舞い、ザブンとカウンター向こうの天ぷら鍋へダイブした。なにが起こったのかわからなくて固まっていたら「大丈夫ですよー!」と店員さんに気遣われた。揚げてる真っ最中じゃなくてよかった。むすこが肩を震わせているのがわかった。横を向いて助けを求めたら他人のフリをされた。ちくわ天が半分に割られたのっていつからだっけ。一本まるごとのちくわ天、どこの店でも見なくなった。

おいハンサムを初日に観るシアワセ。
ハッピー×100。そうなんだ、パジャマの上っていらないんだよ。上映中、くすくす笑っぱなしでずっとお腹がぽかぽかしていた。観にきてよかったなあと出口に向かったら、前を歩いていたご夫妻が、「ドラマより食べるシーン多かったよね」「そうだね」「大森がたまらなかったね」「あの歩き方!」「お腹すいたよねー」「なにたべよっか。オムライス?」「やきめし?」「わははははは」と、とても楽しそうで、「おいハンサム!!」の世界観とテンポそのまんま。わたしにとって最高の余韻だった。この映画を夫婦で観に来られるなんてちょっと羨ましい。余韻に気をよくしてパンフを買った。帰りに寄ったチェーンのカフェで堂々と読む。あたし、この映画を見てきたんだよとまわりにもゴキゲンをふりまいた(つもり)。

そして違国日記も封切り日に観た。
こちらもよかった。海や空、学校の中の映像がきれいで、監督の瀬田なつきさんという名前を頭にインプット。他のお仕事も観てみよう。そして「あ、そうそう。わたし夏帆さん好きなの」と再確認もしました。彼女は、ミステリアスな?ひょうきんな?俳優としてとってプラスになるであろうどちらにも取れるルックスのせいか、どんな役柄でも「あ、これ、夏帆さんにぴったり」と思わされてしまう。今回もよかった。原作を知らない人は映画を観てから漫画をおっかけで読むと、かなり楽しめるはずなので、おすすめ。ぜひ。

帰宅後、ついつい検索してしまった。
違国日記はコアな原作ファンが多いせいか、SNSで映画に対する酷評をわりと目にする。センシティブな社会問題に言及している作風のせいもあるんだろう。大勢の読者に「これは私だ」と思わせてしまった漫画や小説の功罪。「わたしの大事にしている、大好きな、大切な、あのセリフが、あの設定が、あの描写が変わってる、使われていない、残念、どうして」とあれやこれや。気持ちはわかる。わたしもうんと若い頃なら同じように憤ったかもしれない。

でも今は、どんな映画でもけっこう楽しめるようになった。映画好きの友人から解説を聞いたり、若い頃に興味のなかった映画評みたいなものを少しは素直に読めるようになったからかもしれない。映画の制作や編集手法は監督によって千差万別。映像にあれ?と感じても「これは観る側を試している…!」なんて想像してしまう。ある監督がDVD特典映像のオーディオコメンタリーで「撮ったけど余白を出したくて大幅にカットしたシーンがある」「そこは観た人に託そうと思って」と話していた。そういう編集をした場面は、関係者試写会の時に観客の反応をじっくり観察するんだそうだ。創り手側の醍醐味。憧れるし、わくわくする。ものを知る、すなわち知識と教養を身につけるのは怒らずにすむ手立てになるんだと何かで読んだ。創作物は平面的に観ても楽しい。多面的に観るのはさらに楽しい。年をとるのも悪くない。

それにしてもメジャーな創作物には自分が気に入らなきゃ簡単にケチをつけてしまう。でもそれが「有名税」ってことなんだろう。
友人知人の作品にはケチなんてつけられない。たとえ好みではなくてもその感想は胸にそっとしまっておく。傷ついてやる気をなくしてほしくないからだ。 わたしがここnoteでつまんないエッセイや小説を書いても、酷評なんて一度も届いたことがないのもそういうことだ。
なので昨年からnoteの目ではないところで読んでもらいたくて、公募に書いたものを送ってみている。数えてみたら7本。酷評でもよいから何か言葉をもらいたいけど、入賞の箸にも棒にもかからないのでそれもかなわない。いい加減笑えてきた。短編ばかりだけど、よくもまあそんなに恥をさらしたものである。

それでもやっぱり書いてしまう。たぶん、こうして書くことは一生の趣味だ。わたしが死んだら家族はこのアカウントをどうするんだろう。死んでから掘り起こされるものは、もっと感情を赤裸々にした方が楽しんでもらえるかもしれないなんて考える。「あれ…これ読んでいいんだろうか」と思われるくらい、どうせなら、内なる不実さや不誠実さをしたためた方がよいかもしれない。

死者の手紙や日記をあばくこと。品位のない行動なのかと思っていたけど、これに対して「読んでいいの。生きてる者は手を汚すのよ」と言った漫画の登場人物がいた。痺れた。積極的に読んでいこう。そして読んでほしい、わたしのも。

なんだかとりとめないけど、やっぱりこれでいいのだ。トングを飛ばしたのも、映画を観たのも、公募で恥をさらすのも、自分。こうやって書いたものを放り出す場所があってよかった。

というわけで、本日もどっとはらい。



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