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住宅ローン借入可能額を計算してみよう ~フラット35の場合~

こんにちは、くみょんです。
今回は、フラット35における借入可能額の計算についてまとめてみます。

フラット35の場合、申込時の金利が「審査金利」となる

フラット35は固定金利のため、申込時の実際の金利で「返済負担率」を計算します。

返済負担率については、こちらをご確認ください。

なお、銀行など民間金融機関は、独自に「審査金利」を決めています。3.0%程度を基準にしていることが多いかと思います。
これは、「金利が3.0%に上がったとしても返済できるか」を見ていると言えます。

フラット35の金利はどうなっている?

借入可能額の計算をする前に、フラット35の金利を確認しましょう。

住宅金融支援機構「フラット35」HPより https://www.flat35.com/files/400359529.pdf

2023年2月の金利(融資率9割以下、新機構団信付き、借入年数21年以上35年以下)は、1.88%~3.27%となっています。

すでに分かりずらい用語がいくつか出てきていますね。別記事で解説していますので参考になればと思います。

また、金利に幅があるのは取り扱い金融機関によって商品性に違いがあるからです。

ここでは、多くのモーゲージバンクが手数料定率型で扱っている最低金利1.88%を使いたいと思います。ちなみに、ここ数か月金利は上昇傾向ですが、まだまだ低い金利を維持していると思います。

フラット35の返済負担率の基準は下記の通りです。

年収に占めるすべての借入の年間合計返済額の割合(=総返済負担率)が次の基準以下であること。
年収400万円未満・・・30%以下
年収400万円以上・・・35%以下

借入可能額を実際に計算してみよう

それでは、次のマンション購入ケースで借入可能額を計算してみましょう。

<条件>
①年収500万円のAさんが、フラット35(9割以下、新団信、元利均等返済)を期間35年で借り入れる場合(ほかの借入なし)

まずは、計算をしやすくするために「年収」を「月収」に直します。
500万円(年収)÷12か月=416,666円(月収)

年収500万円の場合に適用される返済負担率は、35%です。
416,666円(月収)×35%(返済負担率)=145,833円(月々返済額の上限)

審査上Aさんが月々住宅ローン返済に充てられる金額は145,833円ということです。(あくまで審査上の数字です。)

フラット35の2023年2月の金利、1.88%の100万円あたりの月返済額は3,251円ですので、下記の計算式で借入可能額を算出します。
145,833円÷3,251円×100≒4,485万円

Aさんの場合、4,485万円が返済負担率上の借入可能上限額となります。

金利ごとの100万円あたりの月返済額を頭に入れておこう

上記のように、借入可能額を計算する場合、「100万円当たりの月々返済額」をいくつか覚えておくことが必要となります。

私の場合、下記の数字をまずは押さえています。
ネット上で検索すると「返済早見表」が出てきますし、ローン電卓もありますが、頭に入れておくと瞬時に月々返済額が計算できます。
参考までに、Aさんの場合の借入可能額を右側に記載しました。

2.0% 35年 元利均等  3,312円 Aさん借入可能額 4,403万円
3.0% 35年 元利均等  3,848円 Aさん借入可能額 3,789万円
3.5% 35年 元利均等  4,132円 Aさん借入可能額 3,529万円

審査金利が1%上がると、借入可能額が600万円程度変わることが分かります。

車のローン返済が月々25,000円ある場合は?

Aさんが住宅ローン以外に車のローンがある場合、借入可能額にどう影響するのか見てみましょう。

Aさんの月々返済できる金額は145,833円でした。これは、住宅ローンだけでなく「すべての借入」の返済可能額です。
Aさんには車のローンが月々25,000円ありますので、次の計算により住宅ローンの返済に充当できるのは、120,833円です。
145,833円‐25,000円=120,833円

よって、借入可能額は3,716万円となります。
120,833円÷3,251円×100≒3,716万円

車のローンがある場合とない場合では借入可能金額が760万円も違うことが分かりますね。

なお、住宅ローン借り入れ契約時(金融機関によっては本申込時)までに車のローンを完済し、「完済証明書」を金融機関に提出できれば車のローンはなかったことにして借入可能額を計算できます。これを「完済条件」と言います。
残債の金額にもよりますが、完済して借入金額を伸ばすことは検討しても良いと思います。その場合、住宅ローンの本申込が通ったらできるだけ早く完済手続きを取る必要があります。借入先によっては、「完済証明書」の発行に1か月程度かかる場合もあるからです。

次回は転職者の場合の計算方法について具体的に解説します。


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