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住宅ローンの基礎知識①返済負担率とは?

住宅ローンの基礎知識について、項目ごとにまとめてみます。
第一回は返済負担率についてです。私は長年にわたり、住宅メーカーで新人営業担当向けの「住宅ローン研修」を行っていますが、一番最初につまずくのが「返済負担率」です。

返済負担率とは?

返済負担率とは、「年収に占めるすべての借入の年間合計返済額の割合」です。この言葉がすでに分かりずらいと感じる新人営業が多いのですが、言い換えると「年収を100とした内の、年間のローン返済額の割合」のことです。

年収が600万円の場合、年間に120万円をローン返済に充てているとすると、返済負担率は、20%です。

120万円(ローン返済額)÷600万円(年収)×100=20%

返済負担率を考える場合、月収にして計算すると分かりやすいでしょう。前述のケースの場合、月収は600万円÷12で50万円、月々のローン返済額は120万円÷12で10万円です。

返済負担率の計算は、10万円÷50万円×100=20%です。

返済負担率の計算において、加味しなければならないのは、今回の住宅ローン以外に返済しているローンがあれば、その分も返済負担率に含めるという点です。
車のローン、教育ローン、クレジットカードの分割払い、携帯電話の割賦払いなども含めたすべての借入の年間返済額が、年収に占める割合を計算することとなります。

金融機関によって返済負担率の基準は異なる

住宅ローンの審査で最も重視される項目がこの「返済負担率」です。金融機関によってその基準は異なり、また既存の借入の算入方法も異なります。

フラット35の返済負担率の基準は下記のとおりです。

・年収400万円未満:  30%
・年収400万円以上:  35%

銀行の場合は最低年収を定めていたり、年収が600万円以上の場合は40%以上などとしているケースが多いです。

フラット35の場合、年収を600万円とすると、審査上住宅ローンの月々返済に充てられる金額は下記の通りとなります。(住宅ローン以外に借り入れはないとする)

(600万円÷12)×35%=175,000円

この数字が現実的かどうかは、家計ごとにしっかり見極める必要がありますが、審査上の借入可能額は175,000円となります。

ちなみに、上記の場合で車のローンを月々30,000円支払っている場合の住宅ローン月々返済可能額は下記となります。

(600万円÷12)×35%-30,000円=145,000円

ここまでが理解できて初めて、借入可能額の計算をすることができます。最近はローンシミュレーションもネット上にたくさんありますので、電卓どころかローン電卓を利用する場面も減っているように思います。ただ、基礎を知っておいたほうが応用が利くので、新人営業の方々は、まずは電卓だけで住宅ローンに関する計算ができるようになることを目指すと良いと思います。

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