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注文住宅の資金計画⑤建築途中で起こるトラブル「お金が足りない」

私が住宅メーカーの資金管理部門や、住宅ローン会社で出会った注文住宅の資金計画トラブルについて、その内容と対策をまとめてみます。

一番多い相談は「お金が足りない」

請負契約前後においては、「住宅ローンが通らない」という相談が多いのですが、建築中に一番多い相談は「お金が足りなくなってしまった」というものです。

特に、後工程で支払いが必要となってくる「外構工事代金」や「登記代金」が足りなくなってしまったという話をよく聞きます。

原因はいくつかありますが、大きく分けると次の3つです

1 工事中に予想外の費用が発生した(残土処分費や太陽光の接続費用など)
2 見積りが漏れている項目があった(住宅ローン諸費用など)
3 当てにしていた自己資金を用意できなくなった(贈与や株、自宅の売却代金など)

1.2については、住宅メーカー(担当というよりもその会社の仕組み)に起因するものです。注文住宅の資金計画は見積もる項目が多く、またお客様の敷地や状況によってその項目が大きく変わり、支払先も多岐にわたります。見積もりの内容や項目、そして「総額がいくらになるのか」は常に意識しておくべきものです。

3については、一見お客様起因に思えますが、代金を回収しないと利益が上がらない住宅会社側がしっかりと抑えておくべき項目です。

お客様の自己資金については、先に入金してもらっておく、またはその疎明資料をいただく(通帳のコピーなど)をしてトラブルを防ぎたいものです。

住宅ローンの増額はできるだけ避けたい

どうしても資金計画がショートしてしまった場合は、住宅ローンの増額を検討することとなると思います。一般的に住宅ローンの増額は手間もリスクもあるためできるだけ避けたい手続きです。

資金計画のトラブルを防ぐために…

まとめると、資金計画のトラブルを防ぐための対策は下記のとおりです。

1.見積書(資金計画書)は住宅メーカー担当とお客様でしっかりチェック。住宅メーカー側は見積もり漏れがなくなるような仕組みを確立する
2.請負代金に充当する予定の自己資金は、工事着工までに入金してもらう。もしくは疎明資料をいただいておく
3.住宅ローンの借入金額はお客様とよく相談し、固まっていない項目があれば後々増額手続きとならないように申し込む(実際の借入時には所要資金に合わせた金額に減額をする)

資金計画のトラブルは、お客様の大きな不満につながりやすく、またそれに対応する住宅メーカーもとても労力がかかり前向きな活動ができなくなってしまいます。ポイントを押さえて手続きを進めていきたいですね。

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