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【セルフケアとしての推し活】どうしても頑張れない人たちもライブには行ける

今この本を読んでいるのですが、ここにも、「推し活は最高のセルフケア」のエビデンスを見つけてしまいました。

彼女たちはとにかく人が怖く、一人で電車に乗るのですら、かなりの冒険のようでした。(略)にもかかわらず、彼女たちの中には好きなアーティストのコンサートなら、どんなに遠くても行ける子が一定の割合でいました。
人が怖くてずっと引きこもっている子が、好きなアーティストのコンサートのためなら、大阪から東京まで新幹線に乗って一人で出かけるのです。(略)それだけのエネルギーとモチベーションはいったいどこからきているのか、いつも不思議でした。
おそらく我々支援者が知らない”これのためなら頑張れる””これがあるから頑張れる”といったものを、誰しもがもっているのでしょう。

宮口幸治「どうしても頑張れない人たち」

この本の中では、思春期外来に来ている患者さんたち、うつ病や引きこもりで、外出もできない、リスカやODを繰り返す、などなどの困難さを抱えた人たちのなかに、「推し活」だけは元気にできる人が一定数いるということ。
そして、支援者にできることは、そのポイントを見つけ、いかにやる気スイッチを入れてもらうか。これこそが失われたやる気を復活させる鍵…… というように書かれています。

「まさしくその通りだ」と私は言いたい。
どうしても頑張れない人たち、の中には、推し活で救われる層が、一定数いるという事実。そして、どんな人にも、「推し活」に相当する何かがきっとある。本人さえまだ知らないとしても、何かがあるはず。見事な苔を見るためなら屋久島まで行けるとか、ホンノンボを見るためにベトナムに行くとか……。動力源になるのならそのスイッチはなんだって構わないのだと思います。(犯罪以外……)


さらに私を納得させてくれたのは、次の部分でした。

一方でこれは、「ふだん何もしないくせに、コンサートには行っているなんて」と、非難の的になりがちなのも事実です。(略)わがままな人、というレッテルを貼られるかも知れません。しかし、(略)本人の支援をするために有効なリソースの一つとしてみることが大切なのだと思います。

宮口幸治「どうしても頑張れない人たち」

これね……。あるあるですよね。
私も会社員時代、持病(おそらく精神疾患)があってしょっちゅう病欠している先輩社員がおられたのですが、その方がディズニーマニアで、ディズニーランドによく出かけていたのです。しかもミラコスタにもしっかり泊まっている。

それに対し、他の社員からは「あいつはすぐ休むくせにディズニーには行くっていうのが納得いかない」という発言が堂々とされていました。
私はそれを聞いてモヤモヤしつつも、当時はそのモヤモヤをうまく言語化できずにいました。

でも、この著者が書いてる通りなんですよね。その先輩は、ディズニーに行かなかったら、会社をもっと休んでいたかもしれないし、もっといえば、働くということ自体もできなかったかもしれないわけです。
だいたい、病欠があるからといって、本来の休日の使い方に文句を言われるのはおかしな話ですしね。
でも、そういう論調がまかり通っているのが現代日本社会……。ハァー。

みんなっ、ふだん何もできないとしても、というか、できないからこそ、どんどんディズニーとかコンサートとか、行きたい場所に行こうよっ! それがすべての始まりだから! 他のことはその後でいいからっ! まずはエンジンを動かせれば、それでいいんだよ!
と私は思います。

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