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【活動録】第17回カムクワット読書会

本日は第4回ことばと新人賞受賞作品、福田節郎さん「銭湯」を課題作品に、横浜の貸会議室にて開催しました。参加者は主催を含め6人、久しぶりにご参加いただいた方や初参加の方がいらっしゃいました。

課題作品読書会

会場は繁華街から離れた川沿いのマンションの一室。すこし狭いですが、静かでやりやすい環境でした。

開催前の準備

今回の課題作品は、個人的に好きな出版社である書肆侃侃房さんをおすすめしたいという思いもあり、未読の状態で選書しました。

読書会前に読了したときに、議題になるような点はあるか……と心配になりながらも、面白い作品ではあるので、他の方の感想を聞いてみたいと思いました。

読書会では下記のような感想が出ました。

  • 森見登美彦から文学性を引いたイメージ

  • 文体が独特で読みづらかった

  • 主人公に主体性を感じなかった

  • 町田康のような会話劇だが、笑いがない

お酒を飲みながら過ごした「ある一夜」の話しなので、地の文と会話文の時系列が乱れていて、それが読みづらさの要因なのではないかと感じました。

個人的には現在の「つながり過ぎている」人間関係へのアンチテーゼとして、酒場での一夜限りの関係や知人の知人のような薄いつながりを提示しているのか……などと邪推しましたが、考えるだけ無駄かもしれないと思わされる作品でした。

そのほかに、登場人物の名前が主人公の知り合いは漢字、それ以外はカタカナなのに、ある人物の名前(ハンドルネーム)が漢字なのはなぜか、物語の舞台はどこか(下北沢説や蒲田説、もっとローカルな場所など)、小さなお店に通っているかなどの話題が面白かったです。

6冊集まる銭湯

読書会後のランチで、次回のことばと新人賞がどのような作品か気になるという話になりました。もっと変な作品が世に出るかもしれない思うと、ワクワクします。

今後の予定

次回は8月26日(土)に、王谷晶さんの『君の六月は凍る』を課題作品に、関内駅付近で開催します。著者の魅力(ある種の複雑さ)が存分に発揮された中編小説です。

午後には伊勢佐木町にて、古本読書会を行います。伊勢佐木モールに複数ある古書店をまわり、どこか飲食店(カフェかファミレス)に入って、買った本を紹介したりプレゼント交換したりしましょう。

9月には児玉雨子さんの『##NAME##』を課題作品に、10月は文芸誌から課題作品を選出する予定です。

お気軽にご参加いただけると嬉しいです。
よろしくお願いいたします。

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