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平将門公所縁の地

坂東武士。坂東。と聞いて私が真っ先に思い出すのは平将門公だ。平将門といえば様々な伝説が今なお残り、人々からの想いを集めている。
私が平将門公に猛烈な興味を抱いたのは、現在放送されている大河ドラマがきっかけだった。前々から名前は勿論知っており、日本の歴史に於いても名を残している人物。けれどもこれまでしっかりと学んだ事がないという事実に気が付き、これを機に!と思ったわけである。
平将門といえば、所謂、日本三大怨霊と呼ばれることもあるが、個人的には共感は出来ない。
と、いうのも平将門の生涯を学んでみると、一人の人間として義に厚い部分を多く感じ、またその志や行動力は言葉に出来ないほどの熱量があると思えたからだ。
平将門公の所縁の地を巡りたい!と思った私は、その前にきちんと将門記を読んでおきたくなった。しかし、ネット通販で探してみても取り扱いがなかったりと買うには至らなかった。そんな時、色々とネット記事を読んでいたところ、坂東市が将門記の現代語訳本を発行していることを知った。こういう時だけは異様に行動的になってしまう私は、すかさず坂東市に購入可能かどうかを問い合わせた。
この坂東市が発行している将門記は、坂東郷土館ミューズの企画展で販売されていたもので、平成28年に開催されていたのだ。会期はとっくに過ぎており、半ば諦めを抱きつつの問い合わせだった。
返事は直ぐにいただか事ができ、また有難いことに将門記を購入出来るとのことだった。
将門記が我が家に届き、封を開けてみると、丁寧にも坂東市にある平将門公の所縁の地を記したマップ等が同封されていた。忙しいだろうにも関わらず、このように迅速且つ温かみのある対応には頭が下がるばかりだ。
現代語訳の他にも、訓読文と注釈があり、とても読み応えもある一方分からない箇所が理解出来る仕様となっていた。将門記は初めて読むので、些か緊張はしたが、内容を辿っていくと本当に面白くそして無情さを感じた。
他にも平将門公を取り上げた番組を見たり、自分なりに調べたりとした後に、友人に付き合ってもらい所縁の地を巡ることとなった。
この日は快晴で若干の夏日だった。清々しい気持ちでのスタートに心が弾む。

鎧神社
鎧神社には平将門公の鎧が眠ると伝えられている。境内は透き通る静かさが広がり、とても居心地の良い空間だった。

水稲荷神社
こちらの神社は、藤原秀郷がより濃く関係している。藤原秀郷といえば、平将門を討った側の人物だ。諸説あるようだが、水稲荷神社も平将門の所縁の地の一つといえると感じ詣でた。

筑土八幡神社
階段を登ると爽やかな風が心地良かった。こちらもまた平将門所縁の地の一つだそうで、お詣りした。調べるとどういった内容なのか出てはくるが、神社の由緒等には記されていない為、ここではこういった表現に留めておくことにする。

築土神社
九段下駅を降りて直ぐのところにあるこの神社は、ビル街の中にひっそりと佇んでいた。こちらの神社は平将門公の首を首桶に納め、観音堂に祀ったことが始まりとされている。

兜神社
東京証券取引所のそばにあるこの神社。兜岩と、鎧稲荷との合祀が平将門公に関係しているようだ。詳しくは、是非ご自身で調べていただきたい。

神田明神
江戸総鎮守として知られる神田明神。ここは平将門公を祀り、さらに平将門公伝説にも深く関係している。こちらの神社には、将門記の取り扱いがあったので、次回お詣りした際にはと考えている。

将門塚
言わずと知れた大手町にある首塚。多くを語る必要はないだろう。

鳥越神社
神社の由緒書きには記されていない為、はっきりとしたことは不確かではあるが、鳥越の由来が平将門公に関係しているというものや、他にも幾つか存在している。
夕方に詣でたのだが、駅からの道がどこか懐かしさを覚える優しさがあり、とても好ましく感じた。


将門塚へと向かい、そこで友人とは別れたのだが、時間に余裕があった為、鳥越神社には一人で行った。
平将門公の所縁の地は、東京だけではなく、茨城県坂東市や他の県にもあるようなので、是非そちらにも伺いたいと思っている。
武士の始まりの時代、平将門という一人の人間とその生涯を学ぶと、これまで抱いてきた考え方が少し違っていくのではないだろうか。これからも私は、畏怖するのではなく畏敬を平将門公へと馳せていきたい。

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