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2021.1.23.sat 今世界中が「呼ばれてない1年生選抜強化合宿」だ

昨年3月、世界がはっきり変わったと思った。
新型コロナウイルス感染症の流行によって右往左往する生活の記録を留めようとこの「2020日記/コロナがきた」をはじめた。が、年をまたいでもなおこんな状態が続いている。
日記タイトルは「2020-2021日記/コロナがきた」としてしばらく続ける。

昨年3月、イベントごとはすべて休止となり、緊急事態宣言。4月5月とステイホームな日々が続いた。今また局地的に緊急事態宣言。

「あのころは初めてのことばかりでヒステリックにワクワクドキドキ?してたけど、今は慣れちゃってなおかつ先が見えなくてどこまでも暗いね」

そう、心身のダメージはここ最近がいちばんきついようにも思える。
雲間は喫茶もイベントもお休みし、お茶の販売とテイクアウトだけで細々半開き。
ぼんやり店番してると「一体これはなんなんだ」と思う。
お茶買いにいらしたお客さんと立ち話しても、みなさんの口からつい不安が漏れる。しんどい、腹立たしい、つらい、いつまで続くのか・・・・

ね、ほんとそうですよね。
ため息みたいな相槌しか打てない。

そんな今年の始まりに、バレーボール漫画の金字塔「ハイキュー!!」全45巻を一気読みし、ぽっかりあいた自分の穴がすべて「ハイキュー!!」で埋まった。そこに没入することで浮世の憂さを忘れた正月だった。

さらには今、2巡目を読了し、すべての事象を「ハイキュー!!」フィルターを通して考えるようになった。家族との会話でも「それにしても及川はさ」とか「あのときの日向はやっぱり」とか突然「ハイキュー!!」語りがカットインしてくるのでそうとう引かれている。

しかし、そもそも、高校生ってあんなにしっかりしてるか?あんなにちゃんとしてるものなのか?とも懐疑する。
自分がぽわーんとした高校生だったのもあって、「ハイキュー!!」の彼らは作者(大人)の創造だからそうなのだろうと思っていた。

が、今朝「サワコの朝」にゲストで登場したプロボクサーの井上尚弥さんのこれまでの話を聞いて、その道に秀でる人は年齢にかかわらずそうなんだなとなんか納得した。超クレバー。

どうしてそんなに考えられるようになったんだろうか。
そういう思考と技能の獲得は、どういう環境要因によってもたらされたのか。

たとえば「ハイキュー!!」主人公の日向翔陽においてそれが加速したのは、「宮城県高校1年生選抜強化合宿」がそのひとつだと思う。

春高全国出場を決めたチームの立役者だったにもかかわらず、選抜強化合宿メンバーとして選ばれなかった日向。しかし「先にいるやつらに追いつかなきゃ、強いやつがどうして強いのか見たい」という一心で、呼ばれてないのに飛び込んで行ってしまう。当然怒られて強制送還かと思いきや、「ボール拾いが一人増えるくらいかまわない」「いてもいなくてもよい」とされる。
どんなにやる気を見せて活躍しても練習には参加させてもらえない環境は、やる気がありすぎる日向には過酷だ。悔しくてなさけない。

鷲匠監督は「影山というセッターの居ないおまえに、俺は価値を感じない」と言った。
鵜飼コーチは「ボール拾いなめんなよ」と言った。
白鳥沢の牛若は「それでお前はなにをやっている?」と言った。

体育用具倉庫の運動マットの間に頭を突っ込みながら

探せ
探せ
考えろ
いつもと同じ目線じゃ駄目だ
いつもと同じ考え方じゃ駄目だ
探せ


ああ、今、世界中が、そして主に自分が、
「宮城県高校1年生選抜強化合宿に呼ばれていない日向」
なんじゃないか。

満足に仕事ができない今
日向のように、探さなくちゃ駄目だ。

やがて日向は、自分のいないコートの中に情報があふれていると気が付く。
自らの才能を開花させたり、センスを磨くチャンスは
強い相手と試合する本番だけではない。

無為無策の日々だからこそはまった参考書が「ハイキュー!!」
会えなくても一人で出来ることはある。
力をつけておくことはできる。
楽しむためには強さが必要。

教えられることがいっぱいある。ありすぎる。
先生が年上とは限らない。先達は無数にいる。


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