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あをによし 斑鳩の里の漆黒美【中宮寺】奈良あるき
奈良は桜が満開を迎えています。
街が白っぽく明るくなっているような気が・・・
そんな中、奈良に移住して3年が過ぎますが、ここにきて初めて訪れる
『中宮寺』
こちらの御本尊の姿(写真)に魅入ったのが、そもそものワタシの奈良との馴れ初めでした。
奈良というより入江泰吉が撮った『大和路』との出逢いと言った方が正確かもしれません。
そんな大切な仏様に、奈良に来てから一度も逢いに行っていないという
自分でも理解し難いことでした。
いまだになぜすぐに行かなかったのか???
どうしてだろう・・・
近鉄の筒井駅からバスでのアクセスにした。
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法隆寺夢殿の東側に隣接している
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聖徳宗 中宮寺
山号 法興山
創建 伝7世紀前半
開基 伝聖徳太子
聖徳太子が母・穴穂部間人皇女(あなほべのはしひとのひめみこ(間人皇后)の御願によって、太子の宮居斑鳩宮を中央にして西の法隆寺と対照的な位置に創建された。
実際は現在より500m東の場所に 四天王寺式伽藍で建立されていた。
法隆寺は僧寺、中宮寺は尼寺と当時から計画されたとのことで
出土した古瓦が飛鳥の向原寺(桜井尼寺)と同系統のものだったという。
圓照寺・法華寺とともに、大和三門跡
後伏見天皇八世の皇孫・尊智女王(そんちじょおう)がご入寺。
その後、後西天皇内親王、有栖川宮より姫君など、御六方が入寺され
宮家の皇女を迎える尼門跡寺院となり現在に至る。
美しく整った境内を本堂へ
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本堂 昭和43年落慶 吉田五十八設計
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すっきりシンプルな現代建築の本堂の階段を上がると
その奥に静かに静かに物思いに耽るあのお方・・・
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如意輪観世音菩薩
ポストカードより
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本尊 如意輪観世音菩薩 (国宝 木造菩薩半跏像)
寺伝では如意輪観音とされているが、本来は弥勒菩薩であったといわれる。
弥勒菩薩半跏思惟像という名の方が馴染みがあり、今日はじめて如意輪観音と知ったぐらい。
本堂は三方が開け放たれていて明るく風が通る空間だった。
写真であまりにも見すぎていて、実物を拝見した時の印象が薄れないか
などという心配は全く必要なかった・・・
目の前の菩薩様は想像よりも大きくも小さくもなく、細くも太くもなく
言えることは、ただただ美しく涙が溢れそうになった。
でも大きな音量で流れる説明音声が、かろうじて現実の冷静な気持ちを留めてくれた。
その説明によると、本来は彩色され、装飾品なども施されていたという。
ただこの菩薩様の美しさは、全ての装飾や色彩が削ぎ落とされ
漆地に煤などで黒光りした今の姿であるように思う。
奇跡の漆黒美であると改めて拝見して実感した。
いつまでもいつまでも見つめていられる、観ていたい
でも新しい参拝者がくるたびに繰り返される案内アナウンスに、耳を塞ぐこともできないので、ここはひとまず退散。
やっぱり子供の時に感じた衝撃的な美しさは間違いなく、その感動を実物を拝見して改めて再確認できた。
時間がかかったが、今この瞬間にお逢いできて本当によかった。
そして、こんなに近くにいらっしゃること・・・嬉しいではないか!
海龍王寺の観音様と同様、何度でも逢いに参ります!
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とてもすっきりした気持ちで、花を観ながら境内を後にした。
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静かに思索するは、56億7000万年後に救う秘策・・・
祈るは、明日の幸せ・・・
漆黒の美仏に斑鳩の里で再会した令和の春。
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良い週末を!
いただいたサポートは古道活動に使わせていただき、歩いた記録をお伝えしたいと思っております。よろしければよろしくお願いいたします。