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「夏目アラタの結婚」

児童相談所に勤める夏目アラタは、公務員らしくない見た目も性格もチンピラのようだが、実際には子どものことを真剣に考える一途な男だ。ある日、不登校の子ども山下卓斗(14歳)の母親から相談を受ける。

父親を殺した犯人の品川ピエロ(品川真珠・20歳)と、アラタ名義で文通していた卓斗の代わりに東京拘置所内に収監されている真珠に面会してほしいというのだ。真珠は3人を殺害して死体をバラバラに切断したサイコパスだが、切断された死体の一部は発見されていないのだった。少年の父親の首も見つかっていないために少年は真珠と文通して父の首の隠し場所を探ろうとしていたのだった。

東京拘置所で真珠に面会したアラタは、3人を殺害してバラバラに切断した品川ピエロと呼ばれたサイコパスの印象(逮捕時のピエロメイクで異様に太って歯が抜けたイメージが世間に浸透していた)とは大きく違う、痩身可憐な真珠の見た目に驚いた。

見た目だけでなく、精神的に隙のない真珠は、ひと目見ただけでアラタが文通相手と違うことに気がついて面会を中止しようとしたが、慌てたアラタは思いつきで「俺と結婚しようぜ」と言ってしまう。その言葉に足をとめた真珠はアラタを気に入ってしまう。

それからアラタと真珠の面会交流(交際?)が始まるのだった。アラタと真珠の獄中結婚は叶うのだろうか?

真珠の選任弁護士・宮前光一(長身のイケメンだが、お人好し)、アラタの先輩女性・桃ちゃん(堀ちえみタイプ)、別な被害者の家族・周防紗菜などが入り乱れて物語は展開していく。物語が進むにつれて登場人物は増えていきます。

こういった物語の結末は①真犯人を庇う真珠のためにアラタが活躍して無罪を勝ち取ってアラタと結婚して幸福になる、②真犯人と目される人間は既に死亡しており、真珠は無罪となり、釈放されるものの、彼女は真の殺人鬼で、欺されたアラタと宮前光一は殺されてしまう、③そのまま刑が確定して真珠は死刑となる、④真珠が脱獄していずこかへ消え去る…等々。

いずれにせよ画力はもちろんのこと、その絵柄が素晴らしい。テレビドラマになった「医龍」は未読ですが、黒岩涙香原作の「幽霊塔」からの大ファンなのです。たった2作で大ファンですね(笑)。フランス革命を描いた「第3のギデオン」も読みたいですね。

今(僕の知る限りという狭い範囲の中で)、痩身な美脚美女を描かせたら一番なんじゃないでしょうか?あ、桂正和さんもいますね。


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