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少しでも長生きするために想定外をなくす

漫画家の梅熊さんが、僕の「餅を切って雑煮に入れている」つぶやきを紹介してくれました。ありがとうございます。

一昨年のことですが、50%オフの大きな輸入牛肉をスーパーから買ってきまして、バカだからそれをそのまま焼いて、3~5センチ角ほどに大きく切り分けて、モグモグと食べ始めたんですよ。50代までなら、よく噛んで口中で破砕せずに…なんてことをしなくてもゴックンと飲み込めたんですが、このときは油断していたんですね。よく噛まずにそのままゴックンと飲み込んじゃったんですよ。そしたら肉を嚥下できずに喉を塞いじゃったんですね。びっくりしました。

「え? これって、お年寄りが餅をつまらせるアレかい? それをオレは肉でやっちゃったのかい? なんで? なんで?」喉に力を入れて飲み込もうとしても、さらに喉にぴたりとはまりこんで飲み込めないんです。逆に吐き出そうとしても喉から抜けない。

「これは死ぬかも…」って一応思うんですよ。でも、あまりに想定外で死ぬ覚悟なんかできません。涙を流しながら、大声でかみさんを呼んで「やっちゃった! オレは死ぬかもしれない」なんて本気で泣きながら台所の流しに向かって大きく口を開けても出てこない。

「本当にバカなんだから…もう」かみさんが背中をドンドンと強く叩くのですが、そんなくらいでは出てこない。苦しいですよ。喉に食べものをつまらせたくらいで全身が硬直するぐらいに苦しい。息はできたと思うのですが、酸素欠乏よりも他の要因があるのかとにかく苦しいんです。焦燥感というか精神的なショックも大きいのかと思います。

「救急車を呼ぶ?」ってかみさんが言うので「うん」と頷いた途端、ボンと音がして喉から肉が外れて、そのまま勢いよく飛び出して流しの排水溝にボコッとはまったんです。僕とかみさんは、しばらくソレを見つめていました。

この「肉塊事件」以降は、食べものをできるだけ小さく切って食べるようにしています。特に餅は1個を4つに切ってオーブントースターで焼いて食べています。喉につまるのは餅だけではありません。僕のように肉塊であったり、ゆで卵であったり、パンであったり、飴であったり…、あ、水も危ないね。そう、食べものは全部危険なのです。

できるだけ長く生きて、美味しい食事をしたいのなら、油断せずに想定外の事象を常に思い描くことだと思います。僕のように「経験しないとわからないおバカさん」にならないようにお気をつけあそばせ。

梅熊さん、ありがとうございます。

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