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韓国ドラマ「まぶしくて‐私たちの輝く時間」に感心すること。

韓国ドラマというのは大きく分けちゃうと「復讐話」か「ファンタジー話」のいずれかです。ホームドラマのスタイルで、財閥や同じ道を目指す者を敵とした復讐譚は、約60回にもわたる長尺物語ですが、実際には2時間ほどにまとめられる乏しい内容しかありません。こういった作品は、制作陣には申し訳ないのですが、初回と最終回さえ観れば“物語の概要”は理解できてしまいます。

一方のファンタジーは、主人公が宇宙人「星から来たあなた」や死神「トッケビ」「恋する死神」や悪魔「悪魔がお前の名前を呼ぶ時」や天使「ただひとつの愛」や仙女「ケリョン仙女伝」、ロボット「キミはロボット」などが現代に現れて騒動を起こしながら恋愛を成就させるという話ですが、こちらは16回くらいのものでコメディパターンがほとんどですから観る者を飽きさせません。忘れていました。ファンタジーといえば、タイムトラベルにパラレルワールドな「ライフ・オン・マーズ」もあります。寿命時計が見える「アバウトタイムとめたい時間」というのもありました。主役女性は飯豊まりえさんにそっくりです。なおファンタジーでありながら、前述のような復讐劇も含まれますが、長尺ではないので疲れることもありません。

素人の僕が作る物語も、ファンタジーのようなパターンばかりなのですが、苦労して思いついた内容と同様のものは、既に韓国ドラマや韓国映画になっていて、がっかりすることがあります。

復讐譚にもファンタジーのいずれにも該当しないもの(多少は該当している部分はあります)も、あります。僕が観た限りでしかありませんが、非正規雇用社員が主人公の「未生(みせん)」「ファイティング・ガール」、新米女性教師が主人公の「ブラックドッグ」、野球選手が主人公の「刑務所のルールブック」、野球チームのGMが主人公の「ストーブ・リーグ」、人情医師が主人公の「浪漫ドクター キム・サブ」、妻に不倫された真面目な会社員が主人公の「私のおじさんマイ・ディア・ミスター」などです。

特に僕が好きなどラマは「わたしたちの輝く時間」です。当初は時間を自由に動かせる金時計を持った女性主人公が、ある願いを叶えるために何度も時間を戻しているうちに高齢者になってしまった(時計を使えば、また若く戻れるのだろうという希望感を持たせてくれる)ファンタジーなのかと思いましたが、最後の3話で“あっと驚く”展開となるのです。

結局はファンタジーではなかったのですね。同時に高齢者問題に関して、これほどに深い考察をしたドラマがあったのだろうか?と思うほどの描写力なのです。このドラマは本当に凄いです。必見の韓国ドラマと言っても良いでしょう。

主演は「母なる証明」の名優キム・ヘジャと「知ってるワイフ」の鼻の穴が特徴的な美人女優ハン・ジミンです。羽生結弦に似たナム・ジュヒョク(この人は知らない)も、「私の愛したテリウス」のソン・ホジュンも、コメディが得意なのか、ひじょうにいい味を出しています。

韓国ドラマの中にはこういった珠玉の名作が生まれるのです。何故でしょう?

理由は簡単です。基本は「お金のかけ方」です。お金があるから脚本、撮影、俳優の演技力すべてが凄いんです。例えば、同じ俳優さんでもドラマごとに違う人に見えるほどに演技力があるんです。かつての日本のドラマも、かつてはこうだったと思います。今の日本のドラマはダメですね。まず、お金がないし、お金のかけ方も間違っているのだと思います。

いや、日本は、ドラマや映画だけでなく、社会全体を見ても、お金をかけるところが間違っていると思うのです。それに気づけば、文化は…いや、今の世の中は、まともに変ってくれるのでしょう。日本ドラマの…いや、全世界の人間復興を望みます。


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