災害の多様性「猛暑災害と豪雨災害」2
猛暑には豪雨災害がつきものです。猛暑は海水温に影響し、海水温が高くなると台風が発生します。それは今回の台風でも理解できるかと思います。
自然災害というのは時代が進むにつれて被害を大きくするものです。理由は簡単です。はじめは木造平屋建てというシンプルな構造で、しかも堅牢だった日本家屋では、火災には非常に脆弱なものの、所謂、建造物の下敷きになる圧死は少なかったのです。建造物というのはシンプルな方が災害被害が少なくて済むのです。
時代が進み、西洋文化を取り込むと、多層階住宅や高層ビルに進化していきます。
道路も舗装されて都会では公園以外で土を見る機会もなくなりました。そうなると地表はコーティング(人工被覆といいます)されて、放熱の場所がなくなります。さらにその上に超高層ビルが建てられます。しかも近年にはベイエリアと称して海側に超高層ビルがたくさん建てられました。超高層ビルの壁は、海風を遮断し内陸の熱も溜まっていく一方です。
これらが、夏期には都市部の高温現象「ヒートアイランド現象」を生むのです。
「ヒートアイランド現象」
気象庁のサイトには、「ヒートアイランド現象の要因」に関して解説されているので以下に引用します。
近年は「大気が不安定」という言葉を欲耳にするようになりました。僕が知らなかっただけかもしれませんが、昔は、大気が不安定になるという表現を耳にしなかったように思います。
冷たい空気は密度が大きく重いので下方に、暖かい空気は逆に軽いので上方に位置します。上空に冷たい空気が入ったり、南方から暖かい空気が入ってきたら「大気は不安定」になります。
大気の状態が不安定になると、「冷たい空気は下へ」「暖かい空気は上へ」移動しようとします。それが要因となって積乱雲が発生して、集中豪雨や落雷、突風、竜巻、降雹といった気象現象が発生するのです。
首都圏での大気の不安定は、ヒートアイランド現象によって起こるといわれます。ヒートアイランド現象によって首都圏の上空が不安定となって、先ほどまで腫れていたのに、突然として雷が発生して大雨やあられやひょうが降るのです。
「ヒートアイランド現象による熱中症の多発」
ヒートアイランド現象は、夏期には冷房(エアコン)負荷によってエネルギー消費率も高くなります(気温1℃上昇 → 最大電力166万kW増加 → CO2排出量593t増加 東京電力管内)。当然、首都圏における熱中症発生の大きな要因ともなっています。近年は熱中症による死亡者も増大しています。
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