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自転車初心者が鳥取県に輪行しに行った話③

※サムネ写真は限られた旅客機にしか搭載されていない『レインボーカラー』。

前回のあらすじ!

南雲はミニベロ(折りたたみ式)自転車を手に入れたものの、一体どうやって自転車を持ち歩いて移動するのか全くわからない状態で旅行出発日が迫る危機に陥りました。
前回はこちら↓

『輪行』という単語を知る南雲

今回、鳥取への旅行は飛行機を使う予定でしたので、

自宅→空港間の移動:在来線
空港→鳥取への移動:飛行機

と2種類の運び方をマスターする必要があります。

ちなみに、購入した自転車の重さは8kg。企業努力によって自転車としてはとんでもない軽量を実現していますが、とはいえお米が5キロと考えると移動が大変です。
飛行機の出発は昼ですが、もしも通勤ラッシュ・旅行ラッシュ時間の朝に便を取っていたと思うとゾッとしません。(実は従来の計画性のなさによって、飛行機の席を予約する際残っていた便が遅めのしかありませんでした。これぞ怪我の功名!)

閑話休題。
こういう時こそ、頼りになるグーグル先生の出番。検索バーを使って自転車の運び方を尋ねます。
【自転車 持ち運び】と入れておっけーぐーぐる。

そして出てきた単語が、タイトルにもある『輪行』なのでした!
やっとタイトルと繋がったぞ。

輪行とはズバリ、自転車を車や公共交通機関で運ぶこと!
ちなみに読み方は『りんこう』です。
私は途中まで『りんぎょう』と読んでました。林の事業に手を出す予定はありません。

電車de輪行

「ほうほう……電車の輪行は、とりあえず輪行袋というやつに自転車を入れれば、特に制限はないみたい。でも車体の一部が少しでも出ていたたらダメで、専用の袋で梱包しないとダメなのか。ありがとうグーグル大先生」

早速自転車の規格に合った輪行袋と、その他細々とした道具を買い揃え、いざ自転車を輪行袋に入れます!

しかし、輪行袋に自転車を出し入れするためには、自転車の折りたたみ方をマスターせねばなりません。
これが結構慣れないと難しい。
サドルの座高や左右の傾き、ハンドルの高さなどをしっかり合わせないといけません。
出荷状態からすぐの自転車はネジが固い。手順動画を見ながらやったのになぜか畳めない。固定したサドルの先っちょがなぜかちょっと右にずれる……。
ひーふー言いながら自転車を組み立てては折りたたむ、を一巡してすでに汗だくでした。

低くしたサドルが車体を支えるバーの役割を果たす
畳まれたハンドル部分
ペダルをこの位置にしないと畳めない
折り畳まれた状態

そしていざ、折りたたんだ自転車を広げた輪行袋へ!

「入らん!」(※入ります)

輪行袋の大きさがギリギリなので、ちゃんと畳まないといけない&輪行袋をちゃんと広げないと入りません。

(結構重いなぁ。まあでも肩掛けできないほどではない。っていうか、この輪行袋、袋の部分は結構薄いんだよな。え、まってこれで空輸するの不安しかなくない? ネットで検索してたらけっこうガチガチに梱包している人いるけどな……。まあでも言うて今回は国内だしきっと丁寧に運んでくれるような気も……でも怖いな)

(結論、もうちょっと大きな輪行袋は無いものか……)

そこでもう一つ、車輪付きの輪行袋を見つけたので購入。
諭吉と樋口よ、さようなら……。

そうして届いた新たな輪行袋を広げる。

「でかい!」

しっかりとした素材で、簡単に自転車を入れられる楽な袋は逆に重く持ち運びができませんでした。
傍から見ている家族が、一言も口を出さぬでも、目で私に訴えかけてきます。

(その大きさで空港に運ぶのは無理だぞ……)
(それに、自転車の輪行袋と旅行用のキャリーケースを2つ持つのはどうやっても無理だぞ……)
※キャリーはあとから気づいて斜めがけの旅行用バッグに中身を入れ替えました。

しかしそれでも、でかい方の輪行袋では肩に掛けると自転車より私の肩が先に壊れそうな勢い。

見かねた父が言います。

「行きは車で送ってやろうか?(ハラハラ)」

車で空港まで送ってもらいました😂
ごめんね、諭吉と樋口。

飛行機de輪行

今回飛行機でお世話になる会社はANAさんでした。

調べたところによると、国内線では規程の高さ・重量を超えない限りは、自転車を乗せることに特段制限や追加料金は設けられていませんでした!!
たぶん輪行関連で一番驚いたのはそこ。

https://www.ana.co.jp/ja/jp/guide/boarding-procedures/baggage/domestic/free/

https://www.ana.co.jp/ja/jp/guide/boarding-procedures/baggage/domestic/bicycle/

しかし「大丈夫」とは書いてあるものの、心配は尽きません。
駅から空港までの移動は大丈夫なのか。ちゃんとハードケースで梱包していないとだめと言われるのではないか。天地無用って言わないと行けないやつじゃないか。傷がつくんじゃないか。などなど。

不安な中、まず電車駅(車の場合は駐車場)から空港までの移動!
羽田空港第1ターミナルの専用駐車場には大荷物用のキャリーがありました。解決!

次に手荷物預かり!
いつのまにか有人カウンターから自動預かり機に! 解決!(?)
機械が荷物を弾いたり、監視員さんに止められるということもありませんでした。ベルトコンベアに荷物が送られる時ちょっと「ゴン」って音したけどまあ問題ない。

拍子抜けするほどすんなり行きました。

「やったー! 時間までコーヒー飲もうっと!」

そう思った瞬間、頭上でどこか聞き慣れた名前が聞こえたような気がしました。

『お客様の、お呼び出しを申し上げます。南雲一乃様、南雲一乃様。手荷物あずかりカウンターまでお越し下さい』

「え゛っ……?」

やっぱり自転車そのまま乗っけちゃだめだったのか、と冷や汗を掻きながら恐る恐るカウンターの地上CAさんに声をかけます。
「南雲様ですね!」と、なんだかやけに普通に答えてくれるCAさん。
とりあえず悪いことをしたわけではなそうですが、ドキドキして何をやらかしたのか次の言葉を唾を飲みながら待ちます。

「実は、自転車は預かり機械では受け付けてないんですよ。お手数ですがカウンターで再度お手続きお願いできますか?」
「なんやて」

初耳でした。
そうして一度はベルトコンベアに運ばれたものの、折りたたみ自転車が我々の目の前に再び返ってきました。
再度の手続きの際、CAさんが色々確認の質問をしていきます。

「電動アシストではないですか?」(※電動アシスト自転車は空輸できない決まりのようです)
「こっちが上でいいんですよね」
「やむなく横置きにする場合があるのでご了承いただきたいんですが、倒すときはどちら向きに倒せばいいですか?」

などなど……。
このやり取りは確かに機械ではまだ無理だ、と思った南雲なのでした。

こうしてもう一度手続きをしていただいて、無事に保安検査場を抜けて飛行機に乗ることができた南雲なのでした!
やったね!

機上から見た富士山
我々を出迎えてくれる子泣き爺
米子鬼太郎空港の手荷物受け取り場


……と、言いたいところですが。
「行きはよいよい、帰りは……」とはよく言ったもので、折りたたみ自転車の恐ろしさを知るのは、鳥取現地に着いてからなのでした……。

(まだもうちょっと続きます)

余談:帰りはというと……

ちなみに帰りは車の送迎が事情で難しかったので、東京モノレールに乗りました。東京モノレールは旅行者向けに荷物を置くところが何箇所もあるので、自転車も楽に入れられました。

終点浜松町からはちょっと気力がなかったので、タクシー配車アプリ「GO」を使ってタクシーを呼んで自転車といっしょに家に帰りました。


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