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自転車初心者が鳥取県に輪行しに行った話④
前回は無事に旅客機の貨物として自転車を鳥取まで運ぶことに成功しました。
これで悠々自適なポルタリング旅行の始まりだ!
が、そうは問屋が卸さない……。
※前回はこちら↓
鳥取に着きました。
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鳥取県西部はタクシー会社が複数ありますが、シーズン中の来客数に比べてタクシー台数が少ないらしく、米子鬼太郎空港公式HPでは、事前のタクシー予約を推奨しています。
実際に予約ができていたら私も輪行しなかったわけですが、結果として「大型連休にタクシー予約はやっていない」と電話で断られたわけです。
なので空港からホテルまでは、持ってきた自転車を引いて歩くのを覚悟していました。
が、空港出口のロータリーに出ると、なんと、昼過ぎなのにタクシーが数台ある!
もしかしたら朝〜午前のアライバルラッシュが過ぎた時間だったからかもしれません。
徒歩なら30分かかる距離をタクシーですーいすい。
いい感じに旅程はオンタイムで、ほくほくしながら、いざ夢みなとタワーまで自転車で繰り出そうとします……。
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求められるコツと体力
私が買った自転車の売りの一つが、ギア7段変速。ようは、ペダルは軽いけれど進みが遅い1から、足に超負荷がかかる7までのギアを操作できます。
普段東京都内で使うであろう自転車は、基本的に26インチほどです。
ですが、ミニベロの車輪は16インチと小さく、ひと漕ぎで進む距離が短いです。
何度も漕がないと全然前に進まないので、ギアは4くらいに設定していました。
最初は勢いよく踏み込んですーいすいでしたが。
「……なんか、坐骨が超痛い」
サドルにダイレクトに体重がかかるお尻の骨が、とんでもなく痛いのです。
夢みなとタワーの行きはまだ耐えられたのですが、夢港タワーから澤井珈琲の直売店、直売店からホテルに帰る頃には、もう痛くてたまらん。
せっかく自転車専用の弓ヶ浜ロードが整えられてあるのに、広い道路に出る頃にはもう乗っていられないくらいの痛さでした。
「おかしいぞ……、出発前にわざわざ肉厚サドルクッションまで買ったのに……! それになんか、膝も超痛い」
しかし今更自転車から別の移動手段に頼るわけには行きません。
なぜならこの後、境港にある「水木しげるロード」まで自転車で行く予定でいたからです。仮に行きで電車を使えたとしても、帰りは終電を越す予定でした。それこそ、一度も行ったことがない土地でタクシーが捕まる保証は何一つありません。
とにかくホテルで一休みし、坐骨と膝を休ませます。
普通の椅子でもじんわり痛みを覚えるので、ベッドに寝転んで体力回復。RPGの主人公になった気分。
謎の坐骨の痛みも、夕方ころになると多少収まってきました。その間ネットで調べて、膝や坐骨が痛くなるのは、どうもサドルが低すぎるのが原因とわかりました。
「そういえばもともと膝周りの筋肉、めちゃめちゃ凝り固まってるしな……」
(※原因:運動不足)
早速サドルの高さを上げます。一般的な自転車を使っていた頃は、サドルは一番下が定位置だったので、あまりの高さにちょっと「ひゅっ」となりました。
でもとりあえず、これで境港まで自転車を漕げるぞ! と勇んで自転車を漕ぎます。
「道中どこかで夜ご飯食べておこうっと。そういえばここらは海鮮が美味しいんだっけ。それに最悪コンビニやファストフード店もあるし、なんとかなるだろう」
なんて思いつつ……。
これがいかに甘い考えかを後々思い知らされることに。
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痛む筋肉、削れる体力、空かないお店
自転車を再び漕ぎ出すと、サドルが高いお陰でさっきより膝や坐骨の痛みは和らぎました。ギアも軽めにしているので、あまり距離は進まないけれどペダルは軽いです。
しかし、16インチの車輪を何度も何度も漕いでいると、
今度は太ももの表側が痛くなってくる。
「こんなところ人生の中で一度も痛んだこと無い💦 登山の上り下りですらふくらはぎが筋肉痛になる程度なのに」
「痛いというか、熱い? というか、太ももの筋膜断裂してない???」
「喉乾いたから何度か立ち止まって水飲まなきゃいけない」
「立ち止まるたびに思い出したように痛む坐骨」
「腹減った。一軒一軒の店が遠いはらぺこあおむし」
とてもではないですが考えが甘かったことに、ここに来て気付く南雲。とにかく腹が減っていたのでどこかで小休止も兼ねて夜ご飯を食べられないかとGoogle Maps大先生を確認しては店の前で立ち止まります。
しかし……。
「どの店もお客さんが外で順番待ちしてる!!!!」
あたりまえですが、一人で自転車を輪行しにくる旅行客など皆無で、みんな車でお店に向かい、並んでいるから待つか、と店の外で待機するわけです。
境港までは数多くの海鮮屋さんがあります。冗談抜きに六箇所くらい回りましたが、どこも全部混んでます。
ミニベロの洗礼を受け太ももと膝と坐骨が痛み、漕いでは休み、漕いでは休み、をしていた南雲は体力ゲージが底をつきかけています。
「たのむ……なんでもいいから飯を食わせろ」
と思いつつ、
夕日が沈もうとするとってもきれいなマジックアワーを背にしながら、ドラッグストアを見つけます。
おお、神よ。
「ご飯!!!!!」
とりあえず栄養を補給できればもうなんでもいい。
できればおにぎりか、サンドイッチがあればなおのこと良し……。
おにぎり、売り切れ!
サンドイッチ、売り切れ!
直販パンコーナー、ほぼ売り切れ!
残っているのは、チェーンから卸されている菓子パンの売れ残りのみでした。
できれば甘くないパンが良かったのですが、もうここまで来ると片手で食べられる何かが売れ残っているだけでありがたかったので、アップルパイを買ました。
あとは携行食にソイジョイを一つ。麦茶を一本。
お店の外で袋を開けてもそもそと栄養補給。
境港に来て海鮮ではなく菓子パンを食べることになろうとは……。
でももう夕食に海鮮屋へ入るのはちょっと絶望的だったので、ここはもう諦めて菓子パンを夜ご飯にしようと腹をくくります。
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(次が記事の最後!)
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