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小さく偉大なお金の神様

 前回の「旅飯のスパイス」は好評だったようだ。こんなマシュマロを頂いた。

 有難いことだ。そこで今回も旅にまつわる話を認めていこうと思う。
 ただし、今回は「やらかし」や「食」ではなく旅先での幸運について。(まあやらかしのリカバリーも幸運に助けられていると言えなくもないが)

 今年の2月頭、私はいい加減長引くこの双極性障害という病との縁を断つべく縁切り神社として有名な京都は安井金比羅宮へ参詣することにした。

 京都へは友人(仮にWさんとする)(ちなみにWさんは中国旅行にもついてきてくれた頼り甲斐のある人である)も同伴してくれたためさして大きなトラブルもなく新幹線で京都に辿り着き、その足で安井金比羅宮へ向かった。

 ところで安井金比羅宮と言えば縁切り縁結びで有名だが、鳥居をくぐり参道を少し行った左手には金運上昇のご利益があるといわれる「三玉稲荷社」というお社もある。私とWさんも「せっかく京都まで足を伸ばしたのだし」と本殿へお参りする前にこちらにも手を合わさせて頂いた。

 本殿の方は、午前中の比較的早い時間にもかかわらず参詣の人が長蛇の列を成しておりなかなかどうして時間を要した。午後はバスで美山かやぶきの里へ向かう予定であったが、参詣後にバスまでの時間があれば近くの清水寺にも行きたいねなどと話していたが残念ながらそれは叶わず。本殿への参詣とかの有名な縁切り縁結び碑をくぐった頃には正午が近づいていた。

 京都駅中で昼食を摂り、路線バスで美山へ。

 所々に雪の吹き溜まるかやぶき屋根の山深い村はそれでも外国人観光客などで賑わっており、我々もたっぷりと散策を楽しんだ。
 が。私、この美山で軽い風邪を引く。安井金比羅宮で「病との縁切り」を願ってきた矢先に……とぼやく私を、Wさんは「悪い物出し切るためでしょ」と励ましてくれた。得難い友人である。

 美山を訪れたのは2月3日のことであったが、この日は花火大会があった。我々はこの花火をかやぶき屋根のカフェの軒先で見物し、宿泊先の運行しているバスに乗って民宿へ。一泊8000円。安いが食事の美味しい宿であった。

 翌2月4日は淀にある京都競馬場へ行く予定を組ませてもらっていた。私とWさんの競馬場デビューである。(Wさんは別に普段、競馬をする人ではないが)
 昼イチほどの時間に競馬場に着き、ゴールサイド4階にある指定席での観戦は勝ったり負けたり。勝っても数百円から千円程度だったり。つまりはいつもどおりである。しかし、生で観るパドックや目の前を駆け抜けていく馬たちは負けを「観戦料」と割り切って余り有る迫力であった。

 そんなこんなでレースを楽しみ、パドックと座席を行ったり来たりして迎えた2月4日日曜日の第10レース。令月ステークス。それは私の推し・西村淳也騎手がクロジシジョー号に騎乗するこの日の私の勝負レースだった。
 普段は単複1点買い(いわゆる応援馬券)や枠連、ワイドなどの固い馬券を数百円ちまちま買うだけの私だが、このレースでは少し冒険して三連単の馬券1800円分を購入した。

 8枠16番、西村ジョッキー騎乗のクロジシジョー号は逃げ馬を差し切りこのレースを3/4馬身差で勝利した。2着以下もパドックで相手に選んだ3番ヴァガボンド号が2着、10番サトノテンペスト号が3着に入ってくれてこの三連単が大当たり!

 示し合わせたわけではないが、Wさんも1点だけ購入した三連複を的中させて100円を8620円にしていた。
 大幸運である。頭をよぎったのは、安井金比羅宮の敷地内にひっそりとあったあの三玉稲荷社。こんなにも速攻でご利益を発揮してくれるものかとシャッポを脱いだものだ。

 そんな次第で、何かの折に安井金比羅宮を訪れた際には是非、三玉稲荷社にもお参りをして欲しい。ご利益の程は、上記の通りである。

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