感情を認(したた)める

感情を認める

先日、仕事中あまり暇だったので、マネージャーと一緒に細木数子の六星占術をやって遊んだ。

(何故やることになったかは日頃の我々の人間関係によるもので割愛)

私は星座占いは好きだが(というか石井ゆかりさんの文章が好き)、他の占いにはあまり興味がなかったので、自分で調べたことはなかった。

マネージャーが私の誕生日から調べてくれた結果、

天王星人(-)かつ霊合星人

だった。

感情的。現実主義。クリエイティブ。
それは良く分かるような気がする。
こうした文章を書く目的自体、感情によるものだから。
私は決して感情的ではないと思う。口下手だし、喜怒哀楽の表現も乏しいほうだ。
感情を言葉、文章にするのは一度心を整理しリセットできる。

思えば記憶にまつわる感情は忘れがたい。
最近、推しバンドのメンバーさんに話したことがある。
「本当はバンド好きな友達を連れてきたいけどこの歳になるとなかなか…」
「ぜひ連れて来て欲しいけど、いつも来てくれるだけで嬉しいですよ」
私は常に単独行動なので、毎回通うだけじゃなく他に何か出来ないかと思い、客を一人でも増やしたいという意味で言った。
私は確かに馴染み客ではあるが親しい間柄ではないので社交辞令的な会話もなきにしもあらず、という距離感で会話を交わす。だがそれは相手の本音であっただろうと思う。

20年近く前のこと。
私の勤務先は地元のライブハウスの近所だ。ビート・クルセイダースのライブの当日、友達2人が迎えに来て、どうしても行こうと誘われた。
私達の共通項はイエモンとTMGEだった。その他の好みは個人でバラ付きがあったが、色んなバンドのライブやクラブイベントに行った。友達2人はビークルが好きだったが、私はあまり興味がなかったので、事前に断ったはずだった。
私は仕事終わりに2人に連れられ、会場に行き当日券を買った。
行かないつもりでいたのでライブ向きの服装ではなかった。季節は冬、ニットが汗まみれになった。
どんなライブだったか記憶にないが、覚えているのは誘われたのが嬉しかったことだ。

また、2001年のサマーソニック。
私は上記の友達の片方と2人で行った。
会場で彼女の友達という男子2人組に会った。
私達はグッズ売り場で購入したものを見せ合った。
私はocean colour sceneのポロシャツを購入した。パキッとしたコバルトブルーがキレイで一目惚れした。
男子の片方が驚いていた。アパレル勤務で、パンクっぽい子だった。
「すげー!これmercじゃん(メルクロンドン/英国のモッズファッションブランド)!いくら?」
確か4000円くらいだった。
「その値段で買えるなら俺も買おう! このバンド知らないけど!」
私含めた3人はへぇ~という反応しかなかった。
当時私はモッズブランドといえばフレッドペリーとロンズデールくらいしか知らなかった。
知らない事を知れた喜びもあったが、彼の驚喜に私も同調していた。
その後ポロシャツは大のお気に入りで私服としてヘビロテしていた。
色褪せて着れたものではないが、今も手放せずにいる。

そうした感情に訴える出来事が自分にとって大切な思い出だと気づいた。

今、私が書いているライブレポート。
レポートとしてはひどいものだと思う。
印象のみでセトリもうろ覚え、ステージのことはほとんど触れてない。こんなくだらないもの書いてなんになろうか。誰得という気持ちもなくはない。
自分の感情を書いて新発見をしたいんだと思う。

アーティストのセルフライナーノーツは例外なしに面白い。
アーティスト紹介記事、ディスクレビューにしろ、書き手の私見が思い切り入っている方が単純に面白い。
テーマが何であろうと書き手がどう思ったか。
私はそれが読みたい。
どこかで拾ったような文章は読みたくない。
ググれば出てくる情報より、一人の人間が書いた物語が読みたい。

自分が読みたいものを書く、という本能的な欲求に基づいている。


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