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社会学と社会心理学をビジネスに近づけて学んでみたかったよ、という回

社内の経営戦略勉強会「Tribal Professional Academy」、通称「TPA」。今回のお題は「社会学」と「社会心理学」。レヴィ・ストロースとかやったな..。課題図書はこちら。


あらためて社会学って社会を切り取る「方法」を論じることと「目的」とする社会を論じることの両方が一緒くたになりがちで、各論は面白いんだけど概論を掴もうとすると相変わらずスッキリしないんだよなあ、というのが『本当にわかる社会学』の読後感。

つまるところ社会学って一体なんなの!?と思って読み返してみたら、ありました、本書に答えが。

覚えておくとよい。社会学という学問は、社会の姿を捉えたと主張する、数多くの矛盾した、極めて精緻な研究の積み重ねであるということを。
ー『本当にわかる社会学』まえがきー

つまり、社会学そのものを掴もうとすることに意味はなさそうなのでやめておこう。

『結婚の条件』は、そんな"社会の姿を捉えたと主張する"社会学を面白がることができる、あるひとつの視点が凝縮された一冊だ。心理学者である著者の小倉千加子氏による結婚という一時点の女性を見れば、その人の”女性性”が捉えられるという主張とその膨大な背景を楽しむための本。例えばこんな風に。

結婚の条件は、女性の学歴に応じて『生存』→『依存』→『保存』と変化していた
働いて家計を稼がなければいけない二等主婦の上に働かなくても青山で服が買える一等主婦がいる。さらにその上に働くことにお金を消費できる特等専業主婦がいるのである

いろんな意味で身も蓋もなかったり、視点の鋭さにギクリとしたり、言い回しに膝を叩いたりと忙しい。
急に思い出した。私の大学の出身女性は、それ自体を一つのジェンダーとして揶揄されている。「男性、女性、ワセジョ」と。そりゃモテるはずないよね、女性ですらないから。実感あるけど、うるせー!と思ってる。それも一つの社会学。

話は戻って。2007年に出版されたこの本のなかの”女性”から2020年の私たちは、明らかに変化している。変化の1番の要因はSNSによる関係性と欲望の可視化にあるのだろう。手のひらで叶える自己。そんな現代を彼女がどう斬るのだろうと、いま何やってるんだろう?と思う。

さて。一方の社会心理学といえば、「社会における個人の心理学」。すっきり。学識的に面白かったのは「集団規範」の部分だ。

現在取り組んでいる事業開発で、価値観とは何か?をアカデミックの切り口で定量的にしてみたい、と一時期躍起になったことがあったのだけど、叶わなかった。
社会心理学的切り口では価値観(集団規範)をこのように定義している

「集団規範はマクロ・レベルの現象ではあるがあくまで個々の成員の心理過程に存在するものである」

本書では、規定の測定による集団の規定の範囲、つまり集団の一人一人が理想とする価値観の範囲を二次元化している!初めてみた!
さらに、規定の確立後には価値観が一人一人の個性に訴え、行動のパターンを植え付けていくような影響があるという。この働きかけを「斉一性の圧力」と言うそうだ。これ、掘ってみよう。

なるべく仕事に寄せて社会学と社会心理学を捉えてみようと思ったんだけど、なんだか支離滅裂に終わった。課題が増えた気分で今日はおしまい。


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