【実践】GPT-4を使ったプレゼン作り②(プログラミング教室のサービス提案)でもお話した通り、AIを使って爆速でスライド構成を作れるようになりました。これにより、これまで作業に使っていた時間を、より伝わりやすい構成を考えるために使うことができるようになります。今回は同じタイトルで様々なスライド構成を作り、受ける印象や伝わり方を比較してみます。
以前「GPT-4におすすめ図解を聞いてみた」という記事の中で、「企業が10枚以上のビジネススライドをつくる場面」を頻度の高い順に10個あげてもらった結果、以下のようなリストができました。
ここで、最も使用頻度が高い「新製品やサービスの提案会議」のうち、「子供向けオンラインプログラミング教室の企画」という題材で、GPT4に様々な構成とレイアウトを考えてもらいましょう。
1.一般的な構成とレイアウト(標準型)
まずは、特に構成の型を指定せず、一般的な構成を作ってもらいます。「あなたはプレゼン製作会社のディレクターです。クライアントが「子供向けのオンラインプログラミング教室」という新しいサービスの提案会議でつかう、プレゼン資料の構成を8枚で教えてください。」と入力してみます。
簡単に記載すべき内容が箇条書きされた構成案を作ることができました。それでは具体的にどのようなビジュアルやデータを入れるとよいか追加で質問してみましょう。
「上記の各スライドで使うべき、文章・ビジュアル・データの内容について詳しく教えてください。」と入力します。
こちらの標準型で作ったプレゼン構成は、シンプルにデータを提示して説明するのに向いています。事実を並べて合理的に説明する場合に使いましょう。
2.プレゼン構成の型を使った構成
プレゼンにストーリー性をもたせるには、プレゼン構成の型を使うことが有効です。PREP、DESC、SDS、TAPSの4つの代表的なプレゼン構成の型を使って構成を作ってみると、どうなるでしょうか。
4種類作るため、プロンプトは以下のように作成し、最後の構成部分だけを入れ替えて使いまわします。
『あなたはプレゼン製作会社のディレクターです。 クライアントが社内会議で使う、以下のプレゼン資料の構成を教えてください。
・タイトルは「子供向けオンラインプログラミング教室の企画」
・スライド枚数は全部で8枚
・構成は○○型(○○-○○-○○)』
①PREP型
上記のプロンプトの最後の文を『構成はPREP型(Point-Reason-Example-Point)』にして入力しましょう。
出力されたプレゼン構成について、それぞれのスライドで作るべきレイアウトの内容も聞いてみましょう。各構成案を出力した後に『上記の各スライドで使うべき、文章・ビジュアル・データの内容について詳しく教えてください。』と入力します。
どうでしょうか。PREP型だと「オンラインプログラミング教室が子供の未来のために重要である」というポイントが、より伝わりやすくなりました。この構成は、テーマを明確に伝えたて説得力を増したい場合に便利です。
②DESC型
同様に、プロンプトの最後の文を『構成はDESC型(Describe-Express-Suggest-Consequence)』にして、入力します。
出力されたプレゼン構成について、それぞれのスライドで作るべきレイアウトの内容を聞いてみます。
DESC型では問題が起きた場合の感情を想起させた後に解決策を示す構成を作ってプレゼンすることで、聴衆の行動をかきたてます。ヒトを動かすプレゼンを作りたい場合に有効です。
③SDS型
こんどは、プロンプトの最後の文を『構成はSDS型(Summary-Details-Summary)』にして、入力します。
今回は、それぞれのスライドで作るべきレイアウトの内容についてもあわせて教えてくれましたね。このようにGPTに同じ指示出しを繰り返すと、勝手に学習して、こちらの質問回数を減らしてくれるところが可愛いポイントです(途中で止まってしまうときもありますが…)。
SDS型の構成は企画の詳細をしっかりと伝えて、聴衆の理解を促すのに向いています。汎用性が高いので、Summaryの内容を変えれば様々な角度からテーマを説明することができます。
④TAPS型
最後に、プロンプトの最後の文を『構成はTAPS型(To be-As is-Problem-Solution)』にして入力します。
TAPS型は現状の問題点を具体的に洗い出し、問題点に対する解決策を示すことで、説得力のある構成を作ることができます。
まとめ
以上のように、同じタイトルでも構成の型を変えてプロンプトを作成することで、様々なスライド構成とレイアウトを作ることができます。聴衆の性格や、プレゼンする場面に応じてうまく使い分け、相手の心を動かすプレゼンを作ってみましょう。