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【Audible書評】替えがきかない人材になるための専門性の身につけ方

どきっとするタイトルです。

最近は、NetflixやAmazon Primeで見たいものが見つからず、audibleでもビビッとくるものがなくて、最後まで見終わらず/聞き終わらず散らかしていることが多かったのですが、こちらの本は、久しぶりに最後まで一気読み(聞き)して、2周目に入りました。

専門性とは何か

・・・専門性とは、専門知識のインプットではなく、専門知識のアウトプットであるということです。(中略)すなわち、専門知識の消費者ではなく、専門知識の生産者になることを目指す必要があります。そのためには、どうすれば、専門知識を効率的に得ることができるかといった消費の仕方ではなく、専門知識はどうやって生み出すことができるかという生産の仕方を理解することが重要です。そして、その答えは、研究にあります。

『替えがきかない人材になるための専門性の身につけ方』国分 峰樹 第3章より

変化の激しい世界で、専門性を高めて生き残りたいビジネスパーソンに対する、著者の実感がこもったメッセージです。情報を吸収するばかりでなく専門性をアウトプットしよう、その方法は、すでに型化されている『研究』なのだと。著者自身、現役のビジネスパーソンかつ博士課程に身を置いている身で、説得力があります。

専門性というのは、自分の関心分野の中から鋭く問いを立てて、研究し、アウトプットして、それが誰かに届けて役に立ててもらうこと。ここ数年、研修を受けたり本を読んだりして吸収しても、専門性が高まった気がしていなかったのは、もちろん実践が足りないのが最大要因ですが、誰かに届く形で「アウトプットしていなかった」ことが大きな要因だったと腑に落ちました。

自分にとっての専門性とは

1年前から、ふと思い立ってnoteでランダムにアウトプットを始めました。誰かに話を聞いてほしい、スキル・経験を知ってもらいたい、という承認欲求ももちろんあったと思いますが、同時に自分の頭の中にあるものを書き出してみて、自分は何に関心があるのか、客観的に眺めてみたいという思いもありました。

自分が、これからの人生の中で追いかけていく問いは何だろう。薄ぼんやりと感じ始めていますが、それを言語化するのが次の自分のタスクです。

ファーストステップにおけるゴールは、自分ならではの視点を疑問文の形で表現するということになります。
(中略)
自分らしい問いを立てるために意識した方がいいことは、どんなことでも研究テーマになるということです。専門性を身につける型を自分のものにするためには、自分の興味関心がある領域において、自分が面白いと思うポイントを見つけられることが起点になります。自分は何を面白いと思うのかを探るときには、社会を生きていく中で自然と出来上がった固定観念にとらわれないように、自分自身の知的好奇心と向き合ってみることが必要です。自分らしい問いは、何にも縛られずに自由な発想でイメージした方がより自分らしさが現れます。

同書「自分ならではの視点を「疑問文」の形で表現する 問いの形をイメージする」より

上野千鶴子さんの『情報生産者になる』によると、問い(問題)とは一体何か学生に問われた時に、咄嗟にこう答えたそうです。

『あなたをつかんで離さないもののことよ』

『情報生産者になる』上野千鶴子 I 情報生産の前に より

自分の専門性を研究という手段を使ってとがらせて、新しいナレッジを創出し、それをビジネス世界に持ち帰って実世界で役に立て、その成果をまた研究の世界でフィードバックする。そんな、アカデミックとビジネスを行ったりきたり、ボーダーレスに活躍できる人はきっとかっこいい。そうなりたい。

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