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ワクチン接種で3週間ダウンし、救急車を呼ぶことになるなんて

まずはじめに

このトピックはセンシティブな内容であることを理解しているので最初に断っておきたいのだが、私はワクチン反対派ではない。むしろワクチンを接種することで、仮にコロナに感染しても重症化を防ぎ、ひいてはSTOP医療崩壊に貢献できるならと、積極的に接種したほうだと言ってもいい。

そして今回私が体験したことがすべてワクチンのせいだと断定できるわけでもない。後でもう少し詳しく書くが、どの医者も決してこの長引く不調がワクチンのせいだと断定はしなかった。ゆえに結局のところ私も真実は分からない。

ただ事実として、私はワクチン接種後に体調を崩した。そしてそれはあらかじめ想像できなかったほどに長期化した。

だからもしかしたら誰かの役に立つかもしれないと思い、自分の3回目ワクチン接種後の体験を以下にまとめることにした。

1回目と2回目の接種後の副反応

最初の2回はモデルナ。1回目の副反応についてはさして記憶にも残っていない。2回目の接種時には38.6度の発熱に苦しんだ。解熱鎮痛剤を飲み、アイスノンを枕に敷いて冷えピタをおでこに貼り、毛布にくるまって汗をかいたら丸一日で熱は下がり元気は回復した。

この経験があったのでこの程度の不調はあるかもしれないと心の準備はできていた。

とりあえず倒れても栄養補給できるようにゼリーを大量に買い込んだ。翌朝高熱を出して冷蔵庫までたどり着けない可能性を考慮して枕元にも置いて寝た。経験が活かされている、はずだった

3回目の接種後一体何が起こったのか

そして3月23日(水)、3回目となるワクチン(ファイザー)接種を受けた。

余談だが、私は4月2日から桜を求めて関西地方にぶらり旅に出る予定だった。いつも安宿に泊まる京都では、しばらく海外にも行っていないことを理由に珍しく奮発していいホテルを予約していた。よもや10日も前に接種したワクチンでこの旅を中止することになろうなど、このころは夢にも思っていなかった。

終わらない悪寒・高熱・頭痛・腹痛

3月末に桜が咲き始め、それはやがて満開になり、4月に入って散っていった。私はその間のほとんどを自宅のベッドで寝たきりで過ごした。うち5日間は、日夜38~39度の高熱で苦しんだ。春のぶらり旅はおろか、近所の花見の機会さえも奪われた。

私は比較的元気で健康な方だと思う。だから、こんな不調はとにかく記憶にある限り生まれて初めてのことだった。

まるで身動きできないので寝たままで必要なことができるように、登山時に使うハイドレーション、体温計、解熱鎮痛剤は常に枕元に置いていた

自宅にあった解熱鎮痛剤(ロキソニン)を朝昼晩欠かさず飲んだ。しかし、熱と激しい頭痛は一向に消えていく様子はなかった。倦怠感もあった。夜になると38度を超える熱が出た。

これはコロナの症状なのか

噂に聞いていたような「味覚がない」というようなことはなかった。しかし私は前の週に珍しく電車に乗って都会に出たので、もしかしてあのどこかでコロナに感染したのか?と頭をよぎった。

ワクチン接種から7日目、私は前週に会った友人たちに連絡をした。「めちゃくちゃ体調不良なんだけどみなさまは平気ですか?」

返ってきた友人たちの返事はいずれも「元気」とのことだったのでコロナではないかもとは思いつつ、心配で受けたPCR検査の結果も陰性だった。

熱が下がり、不調が終わったかのように見えた8日目、このままもう熱が出なければ旅に出られそうな気がした。しかしその夜、また熱が上がった。そしてそれは「頼む、治ってくれ」と祈りながら寝た朝になっても引く様子はなかった。

発熱外来へ

完璧にゾーニングされた離れ小島のような診察室だった

再びPCR検査を受けた。先生曰く「一回のPCR検査結果ではほぼ確実な結果とは言えないが、二回受けて陰性なら9割がた陰性と考えて問題ない」ということで、まずコロナの症状ではないことがおおむね確実となった。

「インフルエンザの検査もした方がいいですか?」と問うと、先生は「それっぽい症状もないしねえ。そもそもインフルエンザは『全く』流行ってないから、検査する意味はないですね」と言った。

「何かの病気があるということでなければおそらく副反応でしょう。うちの奥さんもワクチン接種してから1週間ぐらいダウンしました。ただあまりにも長く発熱するようだと不明熱として詳細な検査をしたほうがいいのだけも、ちょうど微妙なタイミングだから、来週になっても熱が続くようだったらもう一回来てください」といった。

この時はじめて「ワクチン副反応で1週間もダウンするケースがある」ということを知った。この日はワクチン接種から9日目だった。私は「じゃあ明日には治るかもしれない」と期待を持った。

ロキソニンが効いていないと知った先生はアセトアミノフェン(=カロナール)を処方してくれた。先生はとても親切だったし、看護師さんも「薬局に行くのも辛かろう」と、近所の薬局にお薬とお釣りをもって病院まで届けてくれるように手配してくれた。本当にありがたかった。

ワクチン副反応について私が知らされていたこと

知人のSNSでの「3回目ワクチン接種報告」でも、以下のようなサイトにおいても、おおむねこのように報告されていた。したがって私には、1週間もダウンするかもしれない可能性への心の準備は全くなかった。

具体的には、注射した部分の痛み、発熱、倦怠感、頭痛、筋肉や関節の痛み、寒気、下痢等の症状です。こうした症状の大部分は、接種の翌日をピークに発現することが多いですが、数日以内に回復していきます。

厚生省:新型コロナワクチンの副反応について

見えなかった復調の兆し

病院から帰宅した私は処方されたアセトアミノフェンを飲み、水分補給に努め、明日には治ると信じてただただおとなしく寝続けた。しかし期待とは裏腹に、その晩には39度の熱を出した。4月1日、ギリギリまで復調を願ったが、熱があるのではお店にも施設にも入れないしそもそも歩き回るなど絶望的だろうと、京都旅とその後に続くはずだった旅のすべてを断念した。

熱が37度台となったある日、リハビリがてら近所のお寺に行ったら咲き始めの桜が美しかった

猛烈な頭痛は一時的に収まることもあったけれど、なかなか消えていかなかった。そのうえ息を吸うだけでお腹が痛むようなときもあった。解熱鎮痛剤を毎日飲み続けても全然消えない苦しみと理不尽に全身を痛めつけられる辛さを、一人で乗り越えなきゃいけない心細さに耐えきれなくなり、時折友達が送ってくれる「その後どう?いつでも駆けつけるよ」とか「買い物行ってあげるよ」などの優しいメッセージで、ギリギリと張りつめていた気持ちがほどけて涙が出ることもあった。

同時多発的に様々な症状に襲われていたので、もはや何をもって不調なのか自分自身も説明しづらい状況の中、呼吸をするだけでお腹に激しい痛みを感じる日が増えていった。この痛みや猛烈な頭痛で連日夜中に目を覚ました。熱もなかなかスッキリ引かない13日目、再び発熱外来を訪れたかったのだが、あいにくこの日は雨が降っていた。そんな中自転車に乗って病院に行く気力と体力は私にはなかった。「明日の朝になったら行こう」そう思いながら養生に努めた。

14日目、救急搬送

午前3時。私はこれまでにないほどの尋常じゃない苦しさで目が覚めた。大きく息を吸うと痛みがあった脇腹が、もはや小さく息を吸ってもその度に撃たれたような激痛が走り、息をしたくないと思ってしまうほどだった。

病院が開く朝までもたない、と思った。

一方で、これで死ぬわけではないことも知っていた。だから私は救急車を呼んでもいいのか小一時間悩んだ。ベッドの中で救急車を呼ばずに済む方法をネットで検索し、近所の病院にも電話をした。しかしその病院は「今来てもらっても何の検査もできない」ということだった。

午前4時を過ぎても苦しさは続いていた。私は、思い悩んだ末に119番に電話し、聞かれるがままにひと通り年齢・住所・症状を伝えた後に、私は「この症状で救急車を呼んでいいんでしょうか」と質問した。すると「自分でもう無理と思ったら呼んでいいんですよ」と言われ、涙が出た。本当にもう無理だった。頼ってお任せしていいんだ、もうこれで一人で苦しまずに済むんだ、という安堵の涙だったんだと思う。

間もなく救急隊員が到着し、玄関まで歩いて出た。救急車は数メートル先に停まっていたが、救急隊員は玄関のすぐ外でストレッチャーに乗せてくれた。見上げた漆黒の夜空の手前にはもう葉桜になっている桜の木があった。ずっと寝たきりだった私は「ああ、この桜咲いてたんだ」とその時初めて知った。

帰宅したときに撮った写真。この桜に気づく余裕もない2週間だったなんて

病院につくまでの救急隊員の質問には、苦しさからか安堵からか、大人が人前でこんなに泣いてもいいのかというぐらい止まらない涙を流しながら答えた。

ER室。窓際で太陽の光を感じられるのがせめてもの救いだった

運ばれた総合病院ではまず鎮痛剤を点滴された。血液検査、心電図、エコー、レントゲン、CTスキャン、髄液検査、PCR検査などありとあらゆる検査をした。しかし先生の診断は「検査の結果西洋医学的には異常なし」だった。そして「接種後数日の不調は副反応だったんでしょう。しかし正直、ワクチンのことについては医師でもわからない」ということだった。

これを私は「ワクチンのせいだと断定はできないが、そのほかに思い当たる症状はない」ということだと理解した。

23,000円分も検査したが、原因特定には至らなかった

先生はとてもしっかりと話を聞いてくれた。一緒に原因を探そうととても親身になってくれた。

ただ、涙が出るほど苦しかった痛みについては特に対処されない(できない)まま、気休め程度の漢方薬をもらって私は病院を後にすることとなった。この漢方薬をネットで調べると以下のように書かれていた。

生命活動の根源的なエネルギーである「気」が不足した「気虚」に用いられる薬です。「補中益気湯」の「中」は胃腸を指し、「益気」には「気」を増すという意味があります。胃腸の消化・吸収機能を整えて「気」を生み出し、病気に対する抵抗力を高める薬です。元気を補う漢方薬の代表的処方

ツムラ:補中益気湯(ホチュウエッキトウ)

以降私はこれを「養命酒」と呼んでいる…。

ワクチン接種から3週間

徐々に苦しみは軽減してきたものの(漢方のおかげというよりとにかく長い養生の結果だと思っている)平熱には戻りきらず、刺すような右脇腹の痛みと頭痛が若干残り、かすかな悪寒や、熱っぽさや、だるさがある時もあった。

ぶっちゃけて言ってしまうと、ワクチン接種と同時に始まった生理が3週間も続いていた。46歳は更年期(*)なので生理不順や不正出血があってもおかしくはないのだが、婦人科には定期的に通っているし、更年期障害と診断されたことはまだない。この生理不順とワクチンの因果関係は定かではないが、こんな異常は初めてのことだった。

*)自分も半年前まで世間でよく使われるように「更年期=更年期障害」と理解していたのだが、これは誤用で、正しくは「更年期=45~55歳の女性」で女性100人中100人が通る道を指す(ちなみに治療を要する更年期障害を経験する人は女性100人中約30人)ことを付記しておく

そしてワクチン接種から4週間が経った

毎日検温をしているが、37度前後の微熱がずっと続いている。つい数日前まで軽い頭痛と腹痛は続いていたが、28日目の4月19日現在それはほぼない。ただ、微妙に熱がこもっていると感じる時や、だるさを感じる時は完全には消えていない。

突然刺されるような、撃たれるような腹痛は消えた。これは別件で通っている整骨院の先生曰く、肋間神経痛かもしれないということだった。

「急に電気が走るような痛み」(中略)などがあり、痛みの起こる場所は背中から脇腹(後略)

上半身を前後に曲げたり、左右に曲げたり廻したりすると痛みを強く感じることがあり、時には「息ができないほど痛い」こともあります。

脊椎や肋骨に原因がない場合に起こる症候性肋間神経痛の代表的なものは、帯状疱疹です。帯状疱疹は、帯状疱疹ウイルスが神経の中を通って皮膚に達して皮疹を起こす疾患ですが、胸部に発症すると肋間神経痛を起こします。

恩賜財団 済生会:肋間神経痛

実に私の症状に酷似している。

ワクチンの副反応で帯状疱疹が出る人もいると聞くので、もしかしてそのあたり関連しているのだろうか…。

症状の公表で新たに聞こえてきた知人の声

SNSで今回のことを公表したら「自分も大変だった」「不調が長期化するケースを聞いたことがある」という話が沢山届けられた。私は初めて、自分に似たようなケースを体験している人が実は近くにいたこと、そして自分よりもひどい副作用(らしき不調)に悩まされている人がいたことを知った。このような情報はなかなか見える形で公になっていないので、参考までに紹介する。

30代女性(日本人)

「私も症状がひどいほうでした。1回目は2週間発熱し、心配でPCR検査を受けに行きました。2回目は数日。3回目は39℃超えが5日間、ロキソニンではまったく熱が下がらず、脇の下(リンパ)も痛かったです。その後微熱とだるさが2週間くらい続きました」

50代男性(日本人)

「3回目のワクチン接種の3日目から副反応が出始め、1週間ほど頭痛などに悩みました」

40代男性(日本人・医師)

「ワクチンの副反応は、かなり個人差が強いようです。ひどい人は女性では発熱、頭痛、倦怠感以外にも不正出血続いたりする人もいます。また、少しの倦怠感だけで発熱ない人もいます」

30代女性(日本人・保健師/看護師)

「私の周りで聞いた副作用は不正出血や生理不順など子宮系のものが多く、病院ではっきりと『ワクチンの副作用が原因です』と言われたそうです。倦怠感や頭痛がずっと続く方もいました」

60代女性(イギリス人)

「私の周りでは2回目までのワクチン接種以降不調が残っているために、3回目のワクチン接種をしないと主張している人がいます」

40代女性(オーストラリア人・看護師)

「私も4回目の接種については再考します。オーストラリアでは、70歳以上または免疫不全者に限定して接種を推奨しています」

結局ワクチン接種はしたほうがいいのか?

それは残念ながら私にはわからない。

自分の周囲の副反応の実態を聞く限り、このようなケースはかなり稀(または発生しているけどあまり公にはなっていない)と推定される。仮に私が経験した不調がワクチン由来なのだとしたら、コロナに罹患するリスクと、ワクチンで万が一の重篤化を防ぐ(かもしれない)メリットと、ワクチンでダウンするデメリットを十分に考えて、各々の状況に合わせてワクチン接種を検討したほうが良いとは思う。

私は普段電車にも滅多に乗らず、他者と接触する家族が出入りすることもなく、鎌倉の自宅で毎日一人リモートワークをし、コロナに罹患する確率が極めて低い。そんな私にとって、仕事に穴を開け、春の楽しみを奪われ、長期にわたる苦しみに耐え、寝たきり生活で体力を地に落としてまで、このワクチンを打つ価値が一体どれほどあったのだろうかと甚だ疑問を感じざるを得ない。

結果的に、救急車を呼び病院に何度もかかることで医療従事者に負担をかけたことになった。

私の知人に限定していえば、コロナに罹患した人で復活するまでに4週間もかかったという人はいない。

私は、よっぽど海外渡航に必要だということでない限り、4回目(以降)のワクチン接種は受けないと思う。

時系列症状まとめ

既に長文だが、参考までにここまでの話を一覧にして付記しておく。

ワクチン接種当日:特に異常なし
2日目:AM異常なし、PM悪寒
3日目:悪寒と発熱、ロキソニンを飲んで寝る
4日目:ロキソニンが切れると猛烈な腹痛(これは生理痛だったと思う)
5日目:ロキソニンが効いている間は問題なし(同上)
6日目:夜に38度を超える発熱と猛烈な腹痛
7日目:悪寒・倦怠感・猛烈な頭痛。一晩中38度。以降カロナールを10日間毎日服用。PCR検査
8日目:猛烈な頭痛。PCR陰性。38度
9日目:発熱外来。2度目のPCR検査陰性。39度超
10日目:立ち上がるとめまい、ふらつき。37度超
11日目:終日37度超。悪寒、ふらつき
12日目:悪寒猛烈な頭痛。37~38度。口内炎併発
13日目:めまい、呼吸に伴う脇腹痛
14日目:脇腹痛が限界に、深夜119番救急搬送
15日目:猛烈な頭痛、動くと腹部に痛み。微熱
16日目:猛烈な頭痛、呼吸で腹部に痛み。微熱
17日目:初めて苦しまずに就寝。頭痛と微熱
18日目:初めてカロナールなしで生活。だるさ、微熱
19日目:微熱。夜倦怠感
20日目:微熱。呼吸で腹部に刺すような痛み
21日目〜27日目:微熱。倦怠感と軽い頭痛消えず
28日目:微熱はあるものの倦怠感頭痛ほぼなし

*ここでいう微熱とは36.8〜37.4度

さいごに

このnoteは、これからワクチン接種を受ける方に恐怖を与えたり、ワクチン接種を受けさせないために書いたものではありません。まだまだこのような情報が少ない中、読まれたみなさんのワクチン接種判断の材料の一つになったり、またワクチン接種前の心の準備などの役に立てばと心から願っています。

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