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#212 不法入国幇助の疑いでアメリカに入国できなかった人の話

週末、サンディエゴーメキシコのティファナの国境付近まで行ってきましたが、行くたびに思い出す話があります。

それは、タイトルにもある通り、
不法入国幇助の疑いでアメリカに入国できなかった人の話です。

念のため言っておきますが、私ではありません。

ご存知の方もいるかと思いますが、メキシコのティファナは、アメリカとの国境境にありマキラドーラ地区として認定されています

マキラドーラとは
1965年に制定された、製品を輸出する場合、当該製品を製造する際に用いた原材料・部品、機械などを無関税で輸入できる保税加工制度。
つまり材料などを海外から持ってきてこの地区で加工して米国に売り出すと部品に税がかからずに安くできる為、この地区には日系や韓国系などの加工工場がたくさんある

そして日本人や韓国人の多くはサンディエゴ近郊に住んでいて毎日ティファナに仕事のために通っている。

私が20代の時。

年上のアメリカの友人Aから聞いた話。

A 「大変なことがあったの。聞いて。サンディエゴに住んでティファナで働いている人がアメリカに入国できなくて日本へ強制送還にあったの」

私「え、どういうこと?」

A「どうも夜に送別会か何かで食事をティファナでしていたらしいの。そしてそのお店の後に、そこらへんで出会ったティファナの女性を車に乗せているうちに道に迷ったらしく、国境警備員(アメリカ側の)に停められて、オフィスか何かに連れて行かれて、書類にサインしちゃったらしいの。」

A 「しかも、その人。英語ほとんどしゃべれなかったのに、『メキシコ人の女性を不法に入国するための幇助している』という内容の書面にサインしちゃったんだって。


あ、あほすぎるやろ....

なんで、サインしたん?

私「それでどうなったの?」

A 「その瞬間から、アメリカには今後65年間入れないから自分の家にも帰れずに、メキシコ発カナダ経由で日本に帰ることになったの」

私「えーーー」

という嘘のような本当の話。

その後も私とAで、「日本にいるおくさんにはなんて言い訳するんだろうか」とか「離婚することになるだろうか」とか「そもそもサンディエゴの家の始末はどうするんだ」とか盛り上がった。

サンディエゴの家は結局、その人の会社の同僚がすべて撤去の手続きをしたということまで判明しているが、離婚することになったか、奥さんにどのように伝えたかは個人的な話なので当然ながらわからずじまい。

ティファナは今も昔もセックス産業の盛んな街で、売春は合法。そして記事による登録されているSex Workerは8000人いるらしい。(登録されているとわざわざ書いてあるから、登録されていない人はもっといるよね)

アメリカではMeToo運動で訴えられたりすることも多いから、わざわざティファナまで来ているアメリカ人も結構いると聞く。(値段も安いしね)

それにしてもそういう彼女たちを車に乗せて、道に迷ったとはいえ国境警備隊につかまった上に、わけわからず紙にサインしてしまうなんて.....

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あまりに強烈すぎて未だに鮮明に覚えてる事件。

そして今後アメリカという国で、なんらかの理由で裁判することになっても絶対弁護士が来るまでは、わけのわからない書類、少なくとも自分が理解できない書類にはサインするまいと20代の私は固く誓ったのです。

知ったかぶりはまったくいいことなし








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