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カミノフデ 怪獣たちのいる島

「カミノフデ 怪獣たちのいる島」を観てきました。
特撮映画です。
「ゴジラ」「ガメラ」シリーズなどで造形を手掛けてきた村瀬継蔵さんの初監督作品です。

まず僕は大の特撮ファンです。
どれ程かと言うと、仮面ライダーは初代から最新作まで全て視聴済、Vシネ/配信/小説等も結構手を伸ばしてます。戦隊、ウルトラマン、ゴジラもそれぞれ昭和作品から令和作品まで何作か。他にも超人バロム・1やイナズマン、怪傑ズバットなどシリーズ作品以外も、若者にしてはかなり観てると思います。

そんな中観た今作カミノフデですが......
んー......劇場公開作品と考えるとかなりチープだったかなぁって思ってしまうというのが本音。
配信作品とかVシネマだったら結構良作って思えたかも。

ではちょこちょこ語るのですが、まずキャスティングは特撮ファンをニヤリとさせる人が揃ってますね。佐野史郎さんは大のウルトラマンファンで有名ですし、釈由美子さんはゴジラや仮面ライダーに出演した過去があり特撮女優としても有名、友情出演の斎藤工さんもシン作品の常連ですし、なんと言ってもシン・ウルトラマンや平成ガメラで有名な樋口真嗣監督が役者で参加してるのもニヤリポイント。ただ、若手が......。主演の鈴木梨央。彼女は子役以来久々に観たのですが凄くお綺麗に成長されてて、演技もバチくそ上手すぎて笑っちゃうくらいでした。え、てかあの年代の若手の俳優さんで頭一つ抜きん出てるのでは?ってくらい上手かった。特撮作品ならではのコテコテな設定とか、言葉を選ばずに言うと子供騙しな展開、大人が観ると身体が痒くなるような仕上がりになってもおかしくないのに、鈴木梨央の演技力1本で場が持ってたように僕は思えた。説得力があるというか......台詞回しとか息遣いが、1つ1つ丁寧でなんか....これ年下の役者かぁ......ってため息出るくらい上手かったなぁ。さすが子役から場数を踏んできた俳優さんって感じです。それ故にというか、鈴木梨央演じる主人公の同級生役の楢原嵩琉。調べたら「パプリカ」で一世を風靡した「Foorin」のメンバーの方なんですね。この子と鈴木梨央の演技力の差が圧倒的すぎて少々ノイズになっていたというか......。いや、決して楢原さんも下手では無いんです。観てて思ったのは、ビジュアルがまず特撮作品に出てくる少年っぽいというか、ああいう塩顔少年って昭和〜令和通して特撮によく出て気がちなあるあるだと思うんですw演技もいい意味で特撮あるあるな演技というかw特撮作品に出てくる若手の結構芝居臭い演技ってのが、ホントいい意味であるあるだなって思ったしwただ鈴木梨央の演技が凄すぎたというか......例えるなら鈴木梨央は「シン・ゴジラ」とか「仮面ライダーBLACK SUN」みたいな大人向け特撮の演技をしていたとするなら、楢原嵩琉はニチアサの演技だったって感じで。2人の演技の練度もだけど、ベクトルがそもそも違ったかなって。これが2人が全然絡まないのであれば気にならないけど、本編中ずっと絡むから演技のチグハグ感が凄い気になった。うん。こればっかりは鈴木梨央がスゴすぎるから仕方ない。あの子と同等の演技の圧が出せる若手はそうそう居ない気がする。

演出の話だと、基本ずっと間が長いんですよねぇ。全カット前後0.5秒くらい切るだけでだいぶテンポ良くなるんじゃないか?ってくらい、リズムが悪い。タルい。でも、これも特撮っぽいとも思ったというか。特に昭和特撮とか深夜特撮っぽいなって。セリフ言い出すまでの空白が地味に長いってとこがぽいのよ。ってか今作は全体的に深夜特撮っぽいなって僕は思ったというか、独特の間もそうだし、画面の彩度の感じ、色彩豊かなんだけど、どこか冷たさを感じるような感触とか。あとはCGとかグリーンバック合成のチープさねwめちゃくちゃ荒いワケではないんだけど絶妙なチープさがすごく、ULTRASEVEN Xとか大魔神カノンっぽいなぁって僕は思った。というより独特の間のせいか本編中ずっとちょっと眠くなる感じ。あの感じが凄い深夜特撮っぽい。上記の感じが劇場公開作品としてはどうなんだ?感が凄い。予算無かったんだろな感というか。全体的にチープ。だからこそVシネマとか他媒体作品だったらまぁ許容できるかって感じ。

でもまぁやっぱり造形師の方が監督してるだけあって、美術とか怪獣の造形はピカイチだった。ヤマタノオロチが特にカッコイイ。最初観た時はキングギドラっぽいなって思ったんだけど、監督自身がキングギドラに思い入れがあるみたいだから、拘ったんだろうなぁ。

総じると鈴木梨央の演技と造形物のビジュアルでなんとか持ってる作品だと僕は感じました。ただ、もっかい観たいかと言われると全然そそられませんでした。全体的に、眠くなる。あとはやっぱり現代は変身ヒーローとか等身大のヒーローが人気な時代ですが、日本の特撮の歴史はやっぱりゴジラを筆頭に円谷英二が生み出した怪獣。人間より何倍もデカイ怪獣が日本中の子供たちの胸を掴んで特撮ブームを巻き起こした礎がありますから。怪獣よりもウルトラマン、怪人よりも仮面ライダーが注目されるようになった現代に怪獣のカッコ良さ、ロマンを敢えて唄う、怪獣賛歌な作品だと思いました。

今回はこんな感じで。
この後もう1本映画観てきます。
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おわり。

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