企業分析『安藤・間』
皆さん、
おはこんばんにちは!
kumazoです!
今回も、
不動産・建設業界の企業分析をしていきたいと思います。
不動産業界・建築業界に所属するものとして、
企業分析をすることで、
企業の良いところを自分自身に取り入れていきたいと思います。
いくつかの企業の数字を分析して比べていくことで、
企業の特色がわかるのではないかと思います。
参考資料としては、
決算短信、決算説明資料、EDINET、株探、IRBANKを用いて、
数字の分析をしていきます。
今回は、安藤・間について分析していきますので、
よろしくお願いいたします。
本編に入る前に、少しだけ自己紹介をさせてください。
Kumazoは一級建築士で不動産・建築業界で15年以上従事し、
マンション・ホテル・戸建て住宅などを設計してきました。
個人的にも不動産投資を行っており、
建築専門の立場から不動産コンサル等を行っております。
現在では、不動産投資用のマンションを設計する立場で、
不動産関係のいろんな方々と仕事をしていることもあり、
内情には明るい立場におります。
不動産投資を正しく理解し、
大失敗をする人やだまされる人が減ればと思い発信をしております。
Kumazoは建築オタクなので、
建築を通して人が幸せにすることができたらうれしいです。
自分で「不動産投資の基本のき」というブログも書いておりますので、
こちらもどうぞ。
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では、本編に参りましょう。
1.企業概要
「安藤・間の企業概要」について解説していきます。
安藤・間は総合建設業の準大手で、
資本金は170億円。
準大手ぐらいになると、
設計や建設業などに勤めている人なら、
知らない人はいないぐらいの認知度です。
2013年に安藤建設と間組が合併してできたのが、
安藤・間(ハザマ)です。
旧安藤建設は東京都で1873年に創業し、
帝国ホテルや中山競馬場などが施工実績としてあります。
旧間組は福岡県で1889年に創業し、
関門トンネルや黒部ダム、東京ビックサイト、
ペトロナスツインタワー(マレーシア)などを
手がけております。
メインとしては、
土木系だとダムやトンネル、建築系だと工場、ホテルなどを手掛けております。
東南アジアでは道路の造成、架橋なども手掛けております。
株価は
2022年6月6日の時点で815円。
2018年7月1054円の高値を付けております。
その後、コロナショックで、
2020年8月に安値551円を付けてから反発しております。
配当利回りが4.9%で、
高配当株となっております。
この高配当を維持できるかを、
資料を見ながら情報を集めていきたいと思います。
2.バランスシート
「安藤・間のバランスシート」について解説していきます。
(第8期有価証券報告書より作成しております。)
1.バランスシートの大きさは3,396億円となり、
これが安藤・間の資産の大きさとなります。
2.流動資産が流動負債の2倍近くあります。
また流動資産の約半分が現金、もう半分が受取手形となっております。
受取手形は工事を進めていくうえで、
最初に決めた請負契約に従って、
工事の進捗に合わせて手形を受け取ることができます。
しかし、すぐには換金できないので、
大きい工事を請負うゼネコンは、
受取手形の額が大きくなります。
3.自己資本比率は43.16%となっております。
かなり高い数値となっております。
2のところで現金が多くありましたが、
利益剰余金が1150億円が積みあがっているからです。
これは、リーマンショックの時に金融機関がお金を貸してくれなくて、
苦労した経験からだと予測されます。
建設業界は当時、連鎖倒産の恐れがあり、
小さな建設会社はつぶれました。
なので建設業は現金の割合を大きくしているのです。
一種のトラウマのようなものですが、
会社がつぶれないためには必要な対策だと思います。
3.損益計算書
「安藤・間の損益計算書PL」について解説していきます。
まず、画像の図は、
2020年4月~2021年3月第95期の有価証券報告書・株探より作成いたしました。
1.営業収益(売上高)は3,520億円
2.営業原価は3,038億円で原価率は86%
3.営業利益は273億円で営業利益率は7.7%
4.営業CFは291億円でFCFは252億円
(22年3月期で大きくマイナスになっております)
上記のようになっております。
原価率がかなり高く、
建設業特有の高原価率となっております。
やはり建設業は、
原価率が高くなりますね。
ほぼほぼ、材料や下請けへの支払いに取られて
しまうというところでしょうか。
営業利益率が7.7%ということで、
かなり低い数値でした。
建設業界では、10%を超える利益率は厳しそうですね。
今回の安藤ハザマは公共的事業おこなっているため、
それほど利益率は高くなりずらいのかなと
推測します。
また、
営業活動CFとFCFがプラスとなっておりますが、
2021年に大きなマイナスを出しています。
(株探より)
次回の決算発表で確認していきたいと思います。
4.株価と指標
「安藤・間の株価と指標」について解説していきます。
有価証券報告書と株探のサイトから数値を引用しております。
株価は
2022年6月9日の時点で828円。
2018年7月1054円の高値を付けております。
その後、コロナショックで、
2020年8月に安値551円を付けてから反発しております。
PER 8.8倍。
日経平均のPER(荷重)だと13.19倍なので値ごろ感はありますね。
売上が2018年まで上昇傾向にありましたが、
その後、500円程度の幅で横ばいとなっております。
PBR 0.98倍。
もともと資産はそれほどもっていないので、
PBRも上がりやすく、
1倍に近くなっております。
配当利回りは4.83%で、
かなりの高配当ですが、
高配当を維持できるかが焦点になってきそうです。
EPSは44.3で直近3年では横ばいで推移しております。
次期下落予想がでております。
総資産回転率は1.07となっており、
建設業だと1.3ぐらいが一般的なので、
あまり良くありません。
最後に、
売上高のグラフを掲載しております。
2014年に大きく上昇していますが、
これは合併によるものです。
他の部分を見るとずっと横ばいのため、
成長性が見られないですね。
今後、海外での受注ができるかがカギになりそうです。
5.補足
「安藤・間の分析補足」について解説していきます。
※内容は有価証券報告書・IRBANKを引用しております。
今回、
高配当株ということで、
配当金について、
データをまとめてみました。
1.配当金推移
2.配当利回り推移
3.配当性向推移
についてまとめてみました。
1.配当金推移について
2012年から横ばいもしくは増配をしていて、
減配は直近でありません。
2.配当利回り推移について
2012年から株価はずっと横ばいのため、
配当金の増配されるにつれ配当利回りが上昇している状況です。
3.配当性向推移について
2013年に会社を合併してから配当性向に余裕が出て、
2014年には2.89%までさがっているので、
かなり余裕がありました。
以降少しずつ増配と繰り返し、
現在では30%以上が配当性向を占めています。
ここまでの分析を踏まえて、
売上がのびていないのにも関わらず配当金が増配をしていますが、
このまま成長性が見込めないのなら、
増配も頭打ちになりそうです。
配当性向の推移をみていると「30%台で推移したい」という感じですが、
売上が上がらないと維持できません。
増配してきましたが、
合併することでの余力は使い切った感じがします。
ただ、
大株主に名を連ねている会社が証券会社ばかりなので、
配当金維持もしくは増配の圧力は強そうに感じるので、
当分は配当金を出してくれそうな気がします。
(配当性向を上げて搾り取られそう)
安藤・間は公共事業の受注が多いため、
成長性はないにしろ安定的に売り上げを上げることを
期待しているのではないでしょうか。
(政治力が強い?)
ただ個人的には、
成長性が感じられないのが投資しにくい状況です。
6.まとめ
バランスシートは健全な感じですが、
昔ながらの建設会社という感じで、
今後の売り上げはどのように増やしていくかが課題となります。
今後、自民党は国土強靭化計画があるため、
土木関係の公共工事がでてくる可能性があります。
そんな中で、
土木関係に強みのある安藤・間が請け負うことができるかが、
今後売り上げを伸ばしていけるかがカギとなります。
建設会社は
何かを造らないと儲かりません。
大東建託のように自社の商品を持っていないので、
工事を請け負うしかありません。
今後、営業力、提案力を高めていけるかが、
見どころになりそうですね。
今後も不動産投資・高配当株投資で役立つ情報を投稿していきますので、
少しでも参考になったかたは、
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